2011年7月8日金曜日

房州石・古墳(T-4)補遺:上総湊北側海岸付近の地質

地質図では古い地形図を基にしているので、市宿層:“Ij”の砂を船積用ベルトコンベアがまだ描かれていますが、この北側のコンベア附近は長浜砂礫部層:“Ksn”ですから「地学のガイド」や「日曜の地学」に書かれた長浜層と同一と考えて良さそうです。市宿層の砂は東京湾内面の羽田空港や工業地帯の埋め立てに利用されていますが、海成砂層で、砂取場では鯨の化石等が発掘されています。尚、地学のガイドで磯根崎に記述されている「岩坂層」は現在梅ヶ瀬層:“Umc”と呼ばれているものだと思われます。岩坂層=梅ヶ瀬層と上位の国本層の境をなすのが、“Ku6”鍵層です。
この岩坂層は数枚の凝灰岩鍵層を含むと共に、有孔虫の化石を多く含むのだそうです。脱線ですが、最近或る大学の総合研究博物館の方から素晴しい有孔虫の研究書(英文)を頂きました。実に素晴しい画像が多く収録されていて感激でした。
ブログでは4月1日から9日までの9回のご案内でした。
露頭は歩きませんでしたが、東京湾観音のヤヤ南の八幡付近から船端そしてこの露頭のやや北側には、笠森層の中の佐貫泥岩部層:“Ksk”とより新しい地蔵堂層:“Jz”が顔を出しています。地蔵堂層は未固結で、以前見た貝化石層の保存された場所は雑草が生えてとても観察には適しない状況でしたから、これは論外でしょうが、佐貫泥岩部層の方は笠森層の中でも“Ksn”よりも若いので勝手に固結度は低いだろうと考えて外していましたが、チョット観ておくべきだったですね。
7月末にこの附近に行く予定が有るので出来れば立ち寄ってみたいと考えています。

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