2011年9月3日土曜日

桜みかげ・万成石:A-3;有本芳水詩碑

有本芳水氏の詩碑をもう一枚ご紹介します。実はこれは側面で図の左側が正面です。正面にはこのように刻まれています。
小とりよ
小鳥よ小鳥うらやまし
うまれ故郷の恋しさに
小とりとなりて春の日に
声はりあげてうたひたや
詩碑の趣意書はこの画面右手に続く低い石垣に刻まれており、その位置が災いして少々読み難いのですが、当時の県知事が揮毫しておられます。
背後錆色の丸い岩体が座っていますが、これは別の記念碑で同様に万成石で出来ています。
万成石は新鮮な緑の芝生と万成石の組み合わせによく調和していると感じます。でも秋の草紅葉の頃も美しいでしょうね。
昨日は博物館で地質を学ぶグループの例会でした。ほぼ毎週1回集まってこのところは岩石薄片の製作に励んでいます。昼休みの時間を利用して、武田石材さんに頂いた3種類の表面仕上げのサンプルと採集させて頂いた岩片の観察をしました。昨日ご紹介した地質情報展のポスター等や、撮影してきた画像などから資料を参照しながらの観察です。通常の研磨と、バーナー仕上げ或いはハンマーでの手仕上げが、その裏側と見比べて実に質感とその醸し出す雰囲気が変わって来る事に実に感動して頂きました。仕上げ方法の相違についての画像も是非ご案内したいと考えました。

2011年9月2日金曜日

桜みかげ・万成石:A-2;有本芳水詩碑

池の中に設えられた三体の万成石の一つの尖塔部分の拡大です。1961年の建立されたと言う事は既に50年の歳月が経過している事になります。
およそ77Ma~88Ma(7700万年~8800万年)に岡山県下の各地に定置されたとする花崗岩の「年齢」に対して、50年は余りにも短い時間経過ですが、この凛とした鋭角の尖塔は含まれるカリ長石の色合いと調和して美しい。

万成石については、例えば産総研地質調査センターから発行された「地質ニュース 第441号 1991年5月号」の濡木輝一教授による「万成石」等を参照下さい。この号は「石材特集 1:石材利用と日本のみかげ」として発行されているので他にも興味深い記事が満載です。また、2010年8月号 第672号は特集「地質情報展2009おかやま」特集号です。偶々小生の手元にあるこの号には「瀬戸内の花崗岩」特集記事も掲載されています。
また、「万成石を観察しよう」・「万成石の里 矢板山・万成山・京山の自然と文化」や「古代吉備国から現在までの財を築いた石たち」等のテーマのポスター展示の紹介記事がありました。
「万成石を観察しよう」には偏光顕微鏡画像や、何故「カリ長石」がピンク色を示すEPMA画像等も有り興味深い内容です。 
勿論、地質ニュースは既発行分の殆どがpdfファイルで無償で閲覧出来ます。(2010年分は閲覧出来ません)
地質ニュースの検索は下記アドレスをコピペで、どうぞ!このままクリックしても飛びません。
http://www.gsj.jp/Pub/News/n_index/
「バックナンバー目次集」⇒「発行年代」⇒「発行年」を指定するとその年に発行された12冊の表紙が現れますので、これをクリックすると目次が表示されます。
地質情報展「おかやま」に展示されたポスターは下記にファイルが有ります。
http://www.gsj.jp/GDB/openfile/files/no0515/index.html

2011年9月1日木曜日

桜みかげ・万成石:A-1;有本芳水詩碑

今日からほぼ2ヶ月間、岡山地方の代表的石材の一つである「万成石」に関係する画像をご案内します。
偶々、万成石の採石をされている武田石材さんの御好意で丁場を見学する機会を得ました。また、この万成石を採用した岡山市近辺の建築物・建造物や詩碑等をほぼ二日間に亘って濃密に見学する機会に恵まれました。
最初の画像は、県立博物館に万成石や古墳に使用されている石材等についての展示が在ればと思い訪ねる道すがらにありました「有本芳水氏 詩碑」です。詩碑を取り囲む石組の片隅に刻まれた趣旨書から銘には1961年5月に建てられた事が記されていました。細かな雨の降る中で詩碑の石組が周囲に広がる鮮やかな芝草の緑と調和して美しい景観を作り出していました。画像をクリックしてパソコン画面いっぱいに拡大してご覧下さい。
後楽園には沢山の記念碑や詩碑が有りますが、下記にはその地図と概略の説明がありますのでコピペでネット検索をして下さい。後楽園のHPです。
http://www.okayama-korakuen.jp/info/monument/
万成石の画像は、この詩碑を皮切りに後楽園バス停傍の「竹久夢二 宵待ち草 詩碑」 ⇒ 「後楽園 外構え」 ⇒ 「旭川に架かる蓬莱橋」 ⇒ 「岡山県立美術館」 ⇒ 「岡山県古代吉備文化財センター」 ⇒ 武田石材殿丁場 ⇒ 番外編として倉敷市内の石組風景と続き、現在50枚の程度の画像を予定しています。
この間に、都内の万成石を採用した建築物等を見る機会が在ればその画像も追加したいと考えています。(東京都内にも沢山の建築物があります。)
万成石は桜色の「カリ長石」を含む美しい暖か味の在る石材です。このブログでは画像と共に石材に関連したネットで無償入手可能な技術的な文献などもご案内したいと考えています。
関東には「稲田石」と言う有名な御影石もあり、産総研地質調査センター地質標本館の催しでその採石丁場を見学した事がありますが、同じ「花崗岩」と言う名前で呼ばれるものの、岩相・色・山の節理の発達の仕方等も異なり今回は大変興味深い経験をする事が出来ました。
稲田石の採掘状況やその岩相の相違を比較して観ていくのも興味深いかもしれませんね。長丁場をお付き合い頂ければ幸いです。

2011年8月31日水曜日

超酸素欠乏と生物大量絶滅のチャート露頭_34

道路から河原に下った直ぐのあたりに頭を出していたチャートですが、淡い色合いがこれもまた風化で出てきた色なのでしょうが、他には殆ど見られないものでした。
この画像が、今回の宝積寺(犬山の対岸)のチャート露頭の最後の画像となります。長い間お付き合いくださって有り難う御座いました。明日9月1日からは「桜みかげ・万成石」の画像をご案内します。

2011年8月30日火曜日

超酸素欠乏と生物大量絶滅のチャート露頭_33

恐らく風化によるものだろうと思うのですが、付近にはこのような色のチャートも存在します。どのような風化の過程でこのような色調になりうるのか文献を探してみましたが残念ながら見付かりません。もっと別の色合いを示すものもありましたので、それを明日ご案内してこの露頭のご紹介を終わる事にします。

2011年8月29日月曜日

超酸素欠乏と生物大量絶滅のチャート露頭_32

さて、この一連のチャートの画像も残すところ後2枚。丁度水曜日で終わりになる。これが最後の超酸素欠乏部分の画像。

2011年8月28日日曜日

超酸素欠乏と生物大量絶滅のチャート露頭_31

この画像も前の画像と同じようですが、褶曲の状態が異なります。