2015年6月13日土曜日

少し古い瓦 (7) 近江八幡 かわら美術館

創立直後に見学して以来随分久し振りに出張の合間に再訪しました。
現在は瓦協業組合から市に移管されている様です。ダルマ窯のモデルが展示されていましたので、街で見かけた瓦の破片と共に御紹介します。


 美術館の裏手の小さな駐車場でしょうか?小石に混じって瓦の破片が散乱していたので、その中から幾つかやや古そうな厚手の瓦の組織を観てみました。


2015年6月11日木曜日

少し古い瓦 (6) 下田の瓦の顕微鏡観察

下田で採集した前回紹介の瓦を実体顕微鏡で観察して見ました。視野の直径は4.5mmです。
粗い粒子部分が多いのでまた驚きます。コリメート法で撮影したので所々、後軸が少しずれた場合に不必要な色調が入っています。



2015年6月10日水曜日

少し古い瓦 (5) 下田で見付けた瓦

2014年に博物館の県外岩石観察会で伊豆半島を目的地に選んだ。下見に何度か訪れた下田市内のある住居跡に廃材が散乱している中に凄く粗い瓦を見付けた、外観からもかなり粗い粒子だなと思ったが、古さの故かダイヤモンドカッターで切断していても勿論スイスイと切れらが良く欠けるので驚いた。こんな小さな破断片なので全く生産地等の手掛かりも無いのだが取敢えず採集して切断してみた。
 御覧の通り粗い事は天下一品。と言うと失礼かもしれないが内部に含まれて居る斜長石らしい結晶片のサイズもデカイしその量も多い、気泡が入ると割れる心配が在るのだが、これだけ粗いと空気が逃げて破裂しないのだろうと思う。前の二つとは全く異なる顔付です。




2015年6月9日火曜日

少し古い瓦 (4) 茨城県筑西市で

これは筑西市の旧家の傍の道路で採取させて頂いた。
小さな破片なので全体像や刻印の有無は確認出来なかったが、厚みと空洞が認められたので古い瓦だろうと考えて切断と簡単な研磨(カッティングマークが消える程度)を行った。
粘土を練った事で出来るまるで「流理模様」の様に鉱物粒が並んでいるのが見える。


 下に置いたのは銚子の旧家で採取させて頂いた瓦で黒生のものだが、上の画像と比較して頂くとその差が歴然とする。上の画像で白く見えるのは恐らく斜長石だと思われる。粒子が細かい。下の画像の方は勿論縮尺が少し異なるが粗い粒子も含まれ空洞のサイズも大きい。「浸炭」という言葉を使って良いのかどうか判らないが黒色化した部分の厚みもかなり違う。但し、これは同じ場所の瓦でも大きく異なるケースもあるので本当は複数の瓦で比較しなければ何とも言えない。
瓦は軟らかいので、薄片の製作は結構困難が伴うし、旨く焼けて居れば真っ黒で何も見えない。
でも、瓦の薄片を検鏡した研究資料は有る。

2015年6月8日月曜日

少し古い瓦 (3) 丸栄製瓦殿のダルマ窯

厚手の少し古い瓦は銚子でも「ダルマ窯」で焼かれていた。出張の前後に休みが取れるのは嘱託で、月に10日勤務の良い所で、出張の度に勿論宿泊費だけは自己負担するのがこれは良心の問題だが、方々に立ち寄らせて頂き、勉強させて頂いた。
高浜市の丸栄製瓦様を訪ねたのもその様な出張の前日移動で、タクシーの運転手さんに事情を話して、事前のアポも無しに飛びこませて頂いた。丁度、前日が大雨だったので、乾燥用に材木を燃やしておられる処だったので、御当主様に少しお話を伺う事が出来た。
窯は今でも年に一度は市民のボランティアの手で化粧直しをし、火入れをされるとの事であった。使用する粘土は、正にこのご当地産であり、丁度工事中の作業場の入口に見えていた地山を掻き出して、これが昔から使っていた粘土とお話し頂いた。勿論、今は敷地内の粘土を使う事は無い。


 ダルマ窯は粘土だけでは築けない。この様に古瓦を補強材として使っておられる。