2019年10月23日水曜日

上三依でサンプルを採取した硬い凝灰岩の観察

奥塩原 上三依水生植物園前の三段の滝付近で、ひとしきり遊んだあと、幾つか小さなサンプルを割りとって帰宅した。その内の一つがこの画像。今日は地質仲間の例会の日なので、実体顕微鏡を使って観察してみました。色は殆ど白に近いが僅かに緑色が残って居る様に感じるのは贔屓目かも知れない。所々に、灰色の粒と淡い緑色~黄緑色の粒が観察されます。

サンプルの全体。目盛は 1 mm単位。画像の横幅は70 mm。やや濃い灰色の点と黄色い紙魚の様なものが見えます。

三脚を忘れたので、マクロレンズを使っても、手持ちではせいぜいこの程度までした拡大できない。

実体顕微鏡を使うと、黄色い紙魚の様なものはこの様に大きく拡大して見る事が出来ます。薄片を作って調べた訳ではありませんが、恐らく「緑簾石」だと思います。

濃い灰色の点は表面が皺皺の丸みを帯びた形状が観察されます。劈開面が見当たりません。

サンプルを隅から隅まで観ていると、ビッカース硬度計の測定痕の様な四角錐に近い凹みが観察されました。

単眼だと立体形状が判りませんが、実体顕微鏡だと表面の細かな凹凸は別にして、高温推奨の両端が六角錐の様な形状がおぼろに浮かびます。前の画像の四角錐の凹みは二本の稜だけが目だっていたので、尖った錐の先端では無く横に寝た凹みだった様です。石英に間違いないようです。

最後の画像は、家を出る時にフト思いついて持参した伊豆の玄武岩の薄い破片に旨い具合に残ってくれたオリビンです。比較しようと観察したものです。

2019年10月21日月曜日

塩原温泉:福渡;箒川河床の緑色凝灰岩滑床

台風19号の豪雨で箒川もかなりの水量が流れたらしく、河床礫が濁流で一掃されて、河床の緑色凝灰岩が滑床の状態となり、その緑色が素晴らしく美しいとの情報が流れた。緑色がやや強調され過ぎているとは思ったが、河床全面が緑色凝灰岩状態と云うのも面白いと思って、その奥の上三依に行く序に立ち寄ってみた。関東では、先般確か洪水になった都幾川にも、緑色凝灰岩の河床が有り、台風の後などにその深く濃く美しい緑が現れる事が知られている。
上三依は、男鹿川沿いに水生植物園が在り良く通っている。園の直ぐ傍に「三段の滝」があり、河床に様々な、主に緑色凝灰岩類の岩塊が転石としてあるので、私はここでそれらの岩塊をいろんな角度から観察しながら、石材の表面に出てくる堆積構造と比較して自己流の岩石観察のコツを習得しようと遊んでいる。

福渡の橋の上から箒川上流を眺めた風景。

河床の状況。緑色凝灰岩といっても、既に退色して居て白っぽく、水の深さで青い色が美しく見えているのが判る。でも、河床がこれほどの広さで凝灰岩だとはしらなかった。

右手奥の方に人の姿が見えるだろうか?此処に駐車場があるので、観察には便利だ。

道路沿いの木々の間から河床を眺める事も出来る。

上三依水生植物園前の三段の滝。この画像の手前の両岸に様々な礫が転がっている。
勿論、男鹿川沿いには下流の五十里湖までに沢山の観察場所が分布している。

この付近としては比較的緑色の濃い方の凝灰岩の例。

この様に、観る角度によって全く印象が異なるのを観るのが一番面白い

礫混りの緑色凝灰岩の例

少し柔らかい凝灰岩の例。