2013年4月20日土曜日

千葉の砂岩の風景 (15) 海鹿島砂岩・礫岩・泥岩互層

 犬吠駅付近の海鹿島礫岩の露頭をご案内した序でに海鹿島の礫岩と砂岩の関係を見て頂こう。上の画像は海鹿島の海岸で黒生方面を眺めたもので、遠くには防波堤やテトラポッドが見えているが手前が砂岩で、左手の平らな面が見えている岩体が礫岩。此処では砂岩の下に礫岩があります。
上の断面のやや北側ですが、この断面では礫岩が上位に在り、下位に砂岩が出ていますが、その間の礫岩の直ぐ下に、小さくひび割れた部分が見えていますがこれは泥岩です。海鹿島では礫岩・砂岩・泥岩が、いわゆる砂泥互層の様に積み重なっています。 
露頭観察中に、妙に黒く見える円礫を見付けました。一瞬、火山岩礫を発見と思ってすごく興奮したのですが、よく見るとチャートの細砂が固まった砂岩礫でした。この付近では植物化石(瀝青炭の様な)破片はありますが、火山岩礫はまだ見つけて居ません。

2013年4月19日金曜日

千葉の砂岩の風景 (14) 番外 消滅する礫岩岩体

銚子電鉄犬吠駅近くの工事現場でチョットした丘の部分を削って居たらこの様に大きな礫岩岩体が現れた。近日中にブルで整地されてしまう事になっている。海鹿島礫岩層の南方延長の一部らしい。
海鹿島の海岸、伊勢大神宮付近の地層を観察すると、礫岩・砂岩・泥岩が積層した状態で、伊勢神宮付近は厚い砂岩が在る、この礫岩体の直ぐ傍のグランドレベルにも薄い砂層が現れている。
露頭が失われるのは残念だが、走向・傾斜等の記録がきちんと残れば幸い。この工事が始まるまでは地元のごく少数の、この露頭前の道路工事当時から住んでおられる方々は御存じの事だったらしい。下図は手前の岩体の破面の一部を接写したもの。
円磨されたチャートの礫を、地質を学ぶ方々にご覧頂いたら大部分の方々が、「本当にチャートなの?」と疑問を投げかけられた。私の参加している地質のグループでは木曽三川や大井川,富士川を始めとして狩野川や利根川,荒川等で千葉に産出する礫との比較様に河川の礫を収集して来ている。河川の礫浜で採集出来るチャートの礫は実の処、ここの礫ほどには円摩されていない。かなり下流に来ても「おいらはチャートだー!」と角ばった顔で自己主張してくれる。
秩父帯辺りから遠路遥々銚子に辿り着いたチャートの礫に拍手!である。

2013年4月18日木曜日

千葉の砂岩の風景 (13) 木下貝層固結部


画像を2枚UPする積りでしたが、1枚が90度回転してしまったので残念ながら1枚だけにしました。今日は准県の下見で早朝から(間もなく)出掛けなければんりません。スケールが入って居ませんがこれで25cm程の高さでしょう。含まれて居る会の量がハンパ無いでしょう!

2013年4月17日水曜日

千葉の砂岩の風景 (12) 木下貝層固結部による石垣

この貝殻を多量に含む砂岩層は古くは古墳の石室に使われているが、この様に3~4弾程度の石垣にも使われている。これは本堂が既に亡くなってしまった古い御堂の跡地を囲む石垣である。

2013年4月16日火曜日

千葉の砂岩の風景 (11) 木下貝層の固結部分

木下層の貝化石を大量に含む部分は、柔らかいのだが場所により固結して石垣や灯篭に使われる事があります。下の図は無理やりデジカメで拡大した画像ですが、砂粒が意外と円磨されています。
また、貝殻は再結晶している様です。上の画像の目盛は1mm単位です。 

2013年4月15日月曜日

千葉の砂岩の風景 (10) 勝浦の石塀

銚子付近の砂岩を終える訳ではありませんが、今日は雰囲気を変えて勝浦で見掛けた石塀の話題です。勝浦には延命地蔵堂と言う美しい砂岩を用いた御堂が在り、この付近で石材が採掘されて居た事も有り、街中には地元産石材が大変多く採用されています。これは市内のある旧家の石塀ですが中に下図の構造が在り、生痕化石なのか、地下水などの染み込んだ痕なのか議論している処です。地元の房州石だと言われていますが、伊豆の砂岩だと睨んでいます。 廻りに生痕化石らしい構造が幾つかあります。

2013年4月14日日曜日

千葉の砂岩の風景 (9) 海鹿島礫岩と沖合の岩礁

海鹿島付近の海岸全てがほぼ同じような砂岩では無い、この付近には、上図に示す様なチャートの円礫を含む「海鹿島礫岩」も分布する。また、トリゴニア化石が多く含まれた部分も在り、更には下図に示す様なスコリアを含むらしい(この岩礁には取り付いていないので正確には判らないが望遠レンズ画像からはその様に思える)。一部には水平に成層した様に見える部分もある。 潮位がもっと下がる日に少しでも近づいて望遠でチェックするか!ここ暫くは干潮時に他のスケジュールが入っているので難しいな!