2018年11月23日金曜日

小さい花の画像 (30)

赤坂の旧乃木邸跡の講演に、煉瓦米に惹かれては行ってみましたら、木漏れ日に柿の葉の紅葉が見事でした。

薔薇も普段は撮影対象にはならないのですが、矢張り木漏れ日で旨い具合に輝いていたので切り取ってみました。

六本木:久国神社の怪人

残念ながら六本木付近では余り目立った伊豆軟石の石垣は探し出せなかったが、狛犬も、お名前の判らない龍頭獣面の童子像を拝見する事が出来た。童子の像は珍しい緑色凝灰岩に刻まれている。細かな黒色粒子が含まれていて、最初は磁鉄鉱かと思ったが,それも変な話だと確かめたかったが、神社の境内でこの様な像の足元に這い蹲ってルーペで観ていたら私の方が怪しい人になってしまいそうだった。
龍頭獣面の童子像
お顔の髭は長く、まつ毛は頭髪の部分まで伸ばしている
頭部の龍に注目してもう一枚
緑色凝灰岩にしては黒色細粒の夾雑物が多いのだがその正体が判らない!
狛犬も一風変わっている。赤坂・六本木付近の狛犬は特に存在を誇示する異形が多い!

GVP_火山活動情報の概要:11月14日⇒20日;16火山

New Activity / Unrest
Fuego  | Guatemala  | 342090 |  3763 m
11月18日から、今年5回目の活動期が始まり、白熱岩塊が火口縁の上空 200-300mに達し溶岩流は南南西に 2.5 km に達しており、溶岩流に源を発する岩屑雪崩は植生地帯に達している。爆発は毎時8-17回の頻度で、噴煙は少なくとも 1.2km以上上昇し、降灰は風下側の12km南西の地域からも報告されている。噴出物は南西側や西側の峡谷に堆積し岩屑雪崩の危険をはらんでいる。この日遅くから噴火はより強力になり、白熱岩塊は400mの高さまで吹き上げられ、降灰も依然として報告されている。国道 14号線は閉鎖され関係地域では避難が始まっている。
ストロンボリ式噴火は19日もその勢いを維持しより強力な爆発が発生し地震観も増加している。白熱岩塊は火口上空 1km の高さまで噴出し、噴煙は少なくとも 3.2 km まで上昇し様々な方角に広がっています。火砕流は火口からの火山灰の噴出量により様々な峡谷で発生している。溶岩流は 3 km 前進し、その先端部から岩屑雪崩が発生している。降灰による雪崩も各方面に発生し植生地帯に達している。現在 3,925銘が避難。大量噴出期は32時間に及び19日の18時に終息した。噴火活動は19-20日も継続し噴煙は 0.8-1 km 上昇し、降灰は風下の各地から報告された。白熱岩塊は 100-300m上昇し岩屑雪崩を引き起こしている。噴火の際には衝撃波を生じ、近隣の家屋を揺るがす事も有った。
添付の画像は下記から取得しています。https://conred.gob.gt/site/index.php

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Mayon  | Luzon (Philippines)  | 273030 |  2462 m
この間、白煙が噴出され様々な方角に拡散していました。夜間には火映が観測され、警戒レベルは“0-5”段階の“2”。

諏訪之瀬島  | Ryukyu Islands (Japan)  |  |  796 m
御岳火口での噴火活動が9-16日の間観測され、噴煙は最高 2km に達し4月以来の最大高度に達した。噴出物は火口から 700m に達し、15日には降灰が南南西に 4kmの地点から報告されました。警戒レベルは“5”段階の“2”


Ongoing Activity
桜島 | Kyushu (Japan)  | 280080 |  1117 m
南岳火口での爆発が14日に観測さレ、噴煙は火口縁の上空 4km に達しました。白熱岩塊が火口から 1km の地点まで放出され、これは2018年7月16日以来の事でした。噴火は16-19日も継続し噴煙を生じ雲の中に見えなくなっています。警戒レベルは“5”段階の“3”


Ambrym  | Vanuatu  | 257040 |  1334 m
10月から11月に掛けて溶岩湖は活動を続けており、火山ガスと水蒸気を噴出しています。警戒レベルは“0-5”段階の“2”。“Benbow”火口からは半径 1km の範囲、“Marum”火口からは半径 2.7km の範囲は立ち入り禁止。

Ambrym_Benbow & Marum_181123_091502

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 |  1229 m
14-15日と19-20日に噴煙が高度 1.8-2.1 km に達し様々な方角に広がりました。

Ebeko  | Paramushir Island (Russia)  | 290380  |  1103 m
9-15日の間も相変わらず噴煙が高度 4.5 km に達し噴煙は東に広がっています。弱い熱異常が衛星画像で12-13日に観測されています。航空カラーコードは「オレンジ」を維持。

Kadovar  | Papua New Guinea  | 251002 | Elevation 365 m
低レベルの活動が14日も発生し、噴煙は高度 2.4 km に達しました。

Krakatau  | Indonesia  | 262000 |  813 m
14-15日に掛けて7回の噴火が観測され、夫々 33-175秒間継続した事が地震観測から判明しています。噴煙は火口縁の上空 0.3-1kmに達しました。
16日には212秒間の噴火が発生し、濃密な噴煙が 600m 上昇し、別の噴火は 207秒間継続し噴煙は300m 上昇しました。警戒レベルは“1-4”段階の“2”

口永良部島  | Ryukyu Islands (Japan)  |  |  657 m
21日以降、新岳火口での間歇的な活動が報告されており、夜間の火映が11月6日以降観測されています。噴煙は12-19日の間、火口縁の上空 1.2 km に達し様々な方角に拡散しています。14-15日のフィールドワークで火口内の高温領域が変化した事が確認されています。警戒レベルは“1-5”段階の“3”




Merapi  | Central Java (Indonesia)  | 263250 |  2910 m
山頂ドームでのこの間の山体の成長は、日量で2,400立方メートルの速度で前の週よりは低下しています。14日現在の溶岩ドームの容積は290,000立方メートルに達しています。
白い噴煙が山頂から 200m 上昇しており、警戒レベルは“1-4”段階の“2”

Sabancaya  | Peru  |  354006 |  5960 m
連日平均20回の噴火が発生し噴煙が火口縁の上空 3km まで上昇しています。13日の亜硫酸ガスの噴出量は日量で 3,000トンでした。


Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  |  300270 |  3283 m
9日に噴煙が生じ東に 460 km まで広がりました。弱い熱異常が9-11日と15日に観測されています。航空カラーコードは「オレンジ」。


Turrialba  | Costa Rica  | 345070 |  3340 m
時折、突発的な火山灰の噴出がウエブカメラ等で観測されています。

Veniaminof  | United States  | 312070 |  2507 m
氷に閉ざされたカルデラ内の火砕丘での噴火は低レベルながらこの間も継続しており、衛星画像で観察される熱異常は溶岩湖での活動を示していると思われます。
ほぼ連続して発生する低レベルの微動が観測sれており、水蒸気や噴煙の噴出を示すと思われ、ウエブカメラ等で観測されます。噴煙は16日に高度 4.9 km に達しました。
最新の衛星画像から、溶岩流は火口から 1.2 km まで流れ、溶岩流に接する氷床は氷床下を流れる様融水により拡大し続けています。航空カラーコードは「オレンジ」


Yasur  | Vanuatu  |   | 361 m
10月から11月に掛けて、噴火活動は強弱を繰り返して継続しています。警戒レベルは“0-4”段階の“2”。火口から半径 395 m 以内は立入禁止。

以上

2018年11月20日火曜日

安房勝山の房州石と堤ヶ谷石 (3/3) 街中の堤ヶ谷石と房州石

今回、鋸南町勝山の本の一部を歩いた訳ですが、この地域は2015年の千葉県立中央博物館の地質観察会を開催した場所でもあり、私自身もその他に何度か歩いていますが、中々、歩き尽くせないでいます。街中の堤ヶ谷石を用いた風景と、房州石の建物をご紹介いします。二つの石材は共に海成の凝灰質堆積岩ですが堆積環境は大きく異なります。また、堤ヶ谷石は隣接する岩井袋の十ヶ所を数える石切り場と埋め立て用に搬出された土砂類の陰に隠れて殆ど情報が得られていない石材です。堤ヶ谷石の使われ方と房州石の製氷工場の石材をご紹介させて頂きます。

鋸南町には漁師町らしく幾つかの神社が存在しますが、この古幡神社は少し変わった神社でこんな細い階段を登って行きますが、階段は地山をそのまま削っただけのもので、しかも、最初の鳥居とは別に、更に鎖場の細い階段を登ると第二の鳥居が在るという標高 25 m 程の神社ですが、山頂近くには洞窟が在り、これがこの丘の右手に繋がっています。施錠されているので出入りが出来ないのですが、ここからも参拝出来る仕組みです。荒れた日に沖の状態を確認するには程よい見張り場所だったかもしれません。

神社の名前は「古幡神社」と呼ばれているのですが、最初の鳥居の奥に祀られているのは「古峰神社」です。階段は摩耗と風化でバランスの悪い老人には心臓が痛くなりそうなので、右手の鎖場は遠慮しました。

堤ヶ谷石は、漁師町の家屋の礎石や石垣に普通に使われています。地産地消の石材の典型です。

路傍の仏様も堤ヶ谷石が使われています。

失礼して仏様の脇腹の辺りのお肌をチョイト拝見。生痕化石らしいものも観察出来る細粒の砂質の凝灰岩です。

これも堤ヶ谷石を用いた路傍の六地蔵様です。信仰を集めて綺麗に花が飾られています。

路地が狭いので全体を写す事が出来ないのが残念ですが、大正十年(1921)に建設された製氷工場の壁は房州石です。間もなく100年を迎えますね。

使われている房州石も勿論凝灰質で採掘の方法にもよりますが、この様に斜めの模様が特徴で、構成する粒子は細かなものから粗い礫サイズまであります。左手にスケールがあります。

石壁の比較的素材の状態が良く観察出来る部分を一部を写してみました。

前の画像の一部を拡大したものです。小さなピンク色は全て凝灰質の塊です。

安房勝山の房州石と堤ヶ谷石 (2) 鯨塚と加知山神社碑の伊豆石

鋸南町勝山と云っても正確な場所を御存知の方は少ないと思うが、この街は18世紀初頭から鯨漁が盛んに行われた地域で、最盛期には鯨漁に関わる船が57隻、漁師も500~600人はおられたらしい。その鯨漁の名残が、地元の「堤ヶ谷」石と本小松石・伊豆上賀茂付近の緑色凝灰岩の形で残っているのでご紹介しましょう。

やや寂れた雰囲気の街外れに在る鯨塚

鯨塚の由来を刻んだ案内です。

奉納された石祠の一部。これらは地元の「堤ヶ谷」で採掘された凝灰岩質の石材で造られています。堤ヶ谷はこの鯨塚のやや南で、今はその痕跡も残されていません。

凝灰岩の切石の例です。高さは 18 cm 程度。凝灰質が主体ですがかなり泥質ですが、次の画像の様に砂質の美しいものもあります

街中には、漁師町と云う事でこじんまりした神社の類が数多く存在します。その中で小さな社に祀られていたお稲荷さんの御使いの狐の像は、この地元石材で造られています。

房州石の玉垣をご紹介した加知山神社の境界の石垣は同様に地元産出の石材が使われています。

海岸の露頭の中には、このような雁行の裂罅に石灰質が析出したものも観察される事が在ります。付近は付加体地質観察の出来る楽しい場所です。「千葉の地質」の中に幾つか画像を紹介しています。

加知山神社の鳥居の傍に「郷社 加知山神社」と刻まれた石碑が造立されていますが、基壇の部分は美しい緑色岩の中でも、粒状の凝灰質に所々小豆色の火山岩片が混じり、彫刻にも使われる上質のものが使われています。

凝灰岩の表面を写したものです。緑色の粒状の凝灰質と小豆色の小岩片が特徴です

碑の本体と中台には箱根溶岩の中でもかなり緻密な「本小松石」が使われており、「加知山魚商組合」の名で奉納されていますが、石碑の中台の参道側には、肝いりの「日本橋魚問屋」の表題の基に「樋長・佃金・尾虎・尾兼・大平・・・」等の屋号が、江戸文字で刻まれています。明治三十六年の造立です。

2018年11月18日日曜日

安房勝山の房州石と堤ヶ谷石 (1) 加知山神社の桜目の房州石

11月17日は、浜金谷で「第10回金谷・石のまちシンポジューム:鋸山・房州石」が午後から開催された。会場では私は千葉県立中央博物館の展示「房総丘陵はすごい」の宣伝(房総半島の凝灰岩質石材が5点ほど展示されている)と、博物館でも細々とながら房総半島の石切り遺構や石材の利用状況を調査していますと云う「言い訳」をさせて頂いただけだが
午前8時半から鋸山の南にある安房勝山から鋸南町を歩き始め、加知山神社の美しい房州石の玉垣や、地元産出のこれも凝灰質の「堤ヶ谷」石の使用状況を観察し情報を仕入れたので少し画像を御案内します。
加知山神社

昭和54年(1979)に、房州石の中でも特に美しいピンクの凝灰質が混じるものを使って玉垣を造られている。石工は地元の小高英夫さん私より四歳上の昭和16年生まれ。一部の控壁などの造作を除き、ビシャンなどの工程は手作業で行われたとお聞きした。石材納入は今年六月に永眠された「房州石最後の石切り職人」と言われた「芳家石材」の「鈴木士朗」氏で93歳でした。



日陰と日当たりで雰囲気は大きく異なってしまいます



横に積まれた下二段には房州石では珍しい「こぶだし」と云う技法が用いられて荒ぶる海の気配。

柱の部分の内部には穴が明けられて倒壊防止の鉄筋が仕込まれています。所々ピンク色を呈した凝灰質の塊が見えます。之が入っている石材は結構丈夫だと言われ「桜目」と言われます。スケールは 17 cm 。



拝殿の礎石にも房州石が使われています。表面の加工目が未だ綺麗に残っています。