2017年10月6日金曜日

GVP 火山活動情報の概要:9月27日⇒11月3日:19火山

GVPの火山活動情報の概略を御案内します。原文は下記に在ります。http://volcano.si.edu/reports_weekly.cfm
Activity for the week of 27 September-3 October 2017 
New Activity/Unrest 
Agung | Bali (Indonesia) | 264020 | Elevation 3142 m
アグン火山周辺の地震活動は更に活発化し、特に大きなものは南西に 45-55 km の"Denpasar"や″Kuta”の住民でも感じる様になりました。衛星画像では噴気活動も確認され、火口内の高温地域お前の週よりも広がっています。火口底の新しい亀裂から噴気が発生ししています。9月26日の1627時に発生したM4.2 の地震の後、断続的な噴気は火口縁よりも500m高くまで上昇しています。10月4日の報告では地震活動は高いレベルで変動を続け、噴気は火口縁より高く上昇しています。避難者の数は78の村から141,213 名に及び、416か所に拡大したシェルターに収容されています。指定された避難区域外の70,000名の避難者は帰宅しました。警戒レベルは1-4段階の4を維持しており、半径9km以内と南東・南・南西側の半径12km以内も避難区域に指定されています。

Ambrym | Vanuatu | 257040 | Elevation 1334 m
アンブリム火山で小規模の噴火活動が継続しています。警戒レベルは0-5段階の3を維持しています。“Benbow Crater”から半径2km以内と、“Marum Crater”から半径3km井内は立ち入り禁止です。

Aoba | Vanuatu | 257030 | Elevation 1496 m
アオバ火山の活動は中規模の状態が続いています。警戒レベルは最高レベルから二番目に指定されており、“Manaro Lakua cone (Manaro Voui)”から半径6.5km以内は立ち入り禁止です。報道に拠れば、住民全員の避難命令を出し、10月4日までに11,600名が避難しました。また、報道に拠れば地元の集落に降灰が有ったと伝えています。

Ongoing Activity
Aira 桜島 | Kyushu (Japan) | 282080 | Elevation 1117 m
9月29日の0055時に生じた昭和火口での噴火では噴煙は火口縁の上空 2.8 km まで上昇し、噴石を1,300mまで飛散させました。9月30日の8回の噴火の内、二回は噴煙が2.8km上昇し、噴石は1,300mまで飛散しました。警戒レベルは5段階の3です。

Bezymianny | Central Kamchatka | 255020 | Elevation 2882 m
9月22-29日の間、溶岩ドームの西側山腹を下る溶岩流は継続しており、夜間には火映が観測されています。カラーコードは「オレンジ」です。

Bogoslof | Fox Islands (USA) | 311300 | Elevation 150 m
8月30日の爆発を最後に衛星画像でも、地震計や空振計でも活動は捉えられていません。カラーコードは「イエロー」に引き下げられています。

Cleveland | Chuginadak Island (USA) | 311240 | Elevation 1730 m
9月28日の0516時と0558時に二回の小規模の噴火が発生した事が、空振計と地震計で観測されました。9月30日から地表面の温度上昇と山頂からの溶岩流が観測されています。10月1日に新しい溶岩ドームがおよそ4,200平方メートルに成長した事が観測されました。カラーコードは「オレンジ」です。

Dieng Volcanic Complex | Central Java | 263200 | Elevation 2565 m
9月20日から火山性微動と湖水温度は共に低下したので、警戒レベルは10月2日に1-4段階の1に引き下げられました。

Dukono | Halmahera (Indonesia) | 268010 | Elevation 1229 m
9月27日から10月3日の間、火山灰を含む噴煙が高度2.1kmまで上昇していました。
Ebeko | Paramushir Island (Russia) | 290380 | Elevation 1103 m
9月24日の爆発では火山灰を含む噴煙が高度2kmまで上昇しました。カラーコードは「オレンジ」です。

Karymsky | Eastern Kamchatka (Russia) | 300130 | Elevation 1513 m
9月23-25日に弱い熱異常が観測されています。9月23日には火山灰を含む噴煙も観測されています。カラーコードは「オレンジ」に引き上げられました。

Kilauea | Hawaiian Islands (USA) | 332010 | Elevation 1222 m
⇒特段の変化は報告されず、定常的な活動が継続している様です。

⇒"Paradise Helicopyers"さんの最新ビデオ:9月28日撮影分毎度おなじみのハワイの溶岩流画像です。
https://paradisecopters.com/news/
火口湖からオーシャンエントリーまで、勿論、途中のブレークアウトの状況も

Popocatepetl | Mexico | 341090 | Elevation 5426 m
9月26日から10月3日に掛けて、連日 21-61回の噴火と 2-6回の火山性地震が記録されています。雲に阻まれて観測出来ない事が多いのですが、26-30日の間は、連日少なくとも10回の噴火が観測されています。9月27日の0315時に始まった噴火では、ストロンボリ式噴火が6時間継続し、更に16分間白熱テフラが山腹の1kmの範囲に飛散しました。火山灰を含む噴煙は火口縁から1.5km上昇し各地から降灰が報告されました。9月30日の2257時から始まった噴火では、白熱したテフラが山腹の800mの範囲まで飛散し、火山灰を含む噴煙は2km上昇しました。10月3日の1417時にも噴火が観測されました。警戒レベルは「イエロー」を維持しており、メキシコのM7.1の地震後も火山の活動に大きな変化は見られないとしています。

Rincon de la Vieja | Costa Rica | 345020 | Elevation 1916 m
9月29日0858時に小型の水蒸気爆発が発生し、噴煙が火口縁の上空1kmまで上昇し、噴石が南側山腹に広がりました。10月3日0848時と1445時の噴火で生じた噴煙は夫々、700mと1500m上昇しました。

Sabancaya | Peru | 354006 | Elevation 5960 m
活動の激しさは以前より増し、9月25日から10月1日の間では連日45回の噴火が発生しています。火山ガスと火山灰を含む噴煙は火口縁より3.5km上空まで上昇しました。

Sheveluch | Central Kamchatka (Russia) | 300270 | Elevation 3283 m
9月22-29日の間、熱異常が観測されています。カラーコードは「オレンジ」です。

Sinabung | Indonesia | 261080 | Elevation 2460 m
9月27-29日と10月1-2日に、火山灰を含む噴煙が高度 3.7-5.5 km まで上昇した事が観測されました。

Suwanosejima | Ryukyu Islands (Japan) | | Elevation 796 m
9月29日の噴火で生じた噴煙は高度 2.4 km まで上昇しました。

Turrialba | Costa Rica | 345070 | Elevation 3340 m
9月27日から10月1日までと、10月3日に発生した噴煙は火口縁から1kmの高さまで上昇し、9月30日の爆発の際は噴石が火口の外まで飛散し、降灰が各地から報告されました。
追伸
◎霧島山系新燃岳の火山活動解説資料10月5日1815時に公表 http://www.data.jma.go.jp/…/fuku…/17m10/201710051815_551.pdf
◎第139回火山噴火予知連絡会が、10月3日に開催され全国の火山活動の表かと参考資料が公表されています。 http://www.jma.go.jp/jma/press/1710/03a/yochiren171003.html
◎レベンタドール火山の熱画像

以上

2017年10月2日月曜日

杉戸町米野谷周辺でのFW:不思議な河川流路

 杉戸町と春日部の境に、中川(庄内古川・渡良瀬川)が流れているが、この一部に面白い流路の部分が有る。以前から地形的に気になって居たのだが体調がかなり復帰したので、願いかなって歩いてみたのが下のルート図。

一番北側のラインはバスで移動しそれ以外は、時計回りに徒歩で約11,000歩程度。文殊堂⇒桜神社⇒香取神社⇒倉常神社⇒才羽八幡神社⇒香取神社⇒香取神社⇒香取神社と八か所の調査を行ったが、文殊堂から才羽八幡神社までの五か所で淡青色の凝灰質砂岩や石灰質の生物遺骸が大量に含まれている石灰質凝灰質砂岩が本殿の礎石や基壇等に使われていた。葛西用水路沿いの香取神社は三か所とも改修等で全くその気配も見られなかった。
 倉常神社では、ご近所にお住いの氏子殿に色々とご教示を頂く事も出来て今日は大量のデータを得る事が出来た。
 椿交差点角に在る「文殊堂」の礎石は、風化が激しく大谷石に似て見えるが、粗粒の緑色凝灰岩。

桜神社の合祀された拝殿の礎石は同様にやや粗粒の緑色凝灰岩。これは「文殊堂のものとほぼ同じ石材と思われる

 南に下って春日部市に入る倉常神社本殿の礎石は、石灰質生物遺骸が大量に観察される石灰質凝灰質砂岩。

 米野谷の才羽八幡神社本殿の基壇は最上部はコンクリートで補強・化粧されているが四隅は倉常神社と同じ石灰質凝灰質砂岩で、それ以外は淡青色の細粒凝灰質砂岩。

時々大きな礫が含まれる。此の上の本殿礎石はかなり風化しているが、丁寧にコンクリートで補修し元々の石材を見せている。この神社の狛犬も、下田市立幼稚園丁場の石材に似た砂岩が使われており、やや小さな台石に「天保十三年九月」と刻まれているが非常に美しい状態が保たれている。

比較的最近、屋外に置かれるようになったものらしく、少し風化し始めているのが勿体ない。雨水の当たらぬ位置に置いてやりたいものだ。

 米野谷の御団子状の地形について、倉常の氏子の方からは「此処に砂丘が在ってとても美味しいお米が場所らしいです」と伺った。どの時代か判らないが、渡良瀬川か、庄内古川の時代の流路変遷で東側に膨らんだ時と西側に膨らんだ時の自然堤防がこの地形を形成したのではないかと考えている。
現在は耕地整理が行われているので高低差は目立たないが、砂丘が在ったと云う話からそのように想像。米野谷の才羽八幡神社に「米野谷修堤碑」があり、川が氾濫を繰り返していた事が理解される。

井内石を用いた石碑は苔が着生して読みにくいので、杉戸町教育委員会の説明板。
 地理院地図での標高は5~6m(私のGPSでは9m前後と記憶)と、これだけ内陸にはいっても、江東区東陽町のマイナス1mとの標高差が10m以下なのだから、河川勾配が小さく直ぐに洪水になってしまうのは頷けます。