2017年9月23日土曜日

GVP火山活動情報:9月13日⇒19日;19火山

GVP火山活動情報:913日⇒19日;19火山
New Activity/Unrest

Agung  | Bali (Indonesia)  | 264020 | Elevation 3142 m
地震活動が活発化しているので過去の噴火の重大さを考慮し、警戒レベルを1-4段階の“2”に引き上げられましたが、810日から火山性地震が、24日からは浅い震源を持つ火山性地震が、更に26日からはテクトニックな地震が記録され始めた。913日に登山者が火口底から火口縁の上空50mまで立ち昇る硫黄系の噴気が立ち昇るのを観察したと報告されました。918日に地震活動の更なる活発化を受けて警戒レベルは“3”に再度引き上げられました。
立ち入り禁止区域は半径6 km に拡大され一部の方角では 7.5 km まで立ち入り禁止。1963-64年に発生した“VEI 5”の爆発的噴火の際には火砕流とラハールで甚大な被害が発生し犠牲者は1,100名に達した。

Dieng Volcanic Complex  | Central Java | 263200 | Elevation  2565 m
火山群の“Sileri Crater lake”火口湖の水温が90.7から93.5℃に、地表温度は58.6から69.4℃に上昇し、温度の上昇と共に913-14日には火山性微動も観測されたので警戒レベルを“2”に引き上げ火口縁から1km以内の立ち入りを禁止し、範囲内に居住する住民に避難を勧告しました。同じ火山群の“Timbang Crater”では、湖水温度は57.3から62.7℃へ上昇したものの、地表温度は 18.6から 17.2℃に低下したので異常はないと判断されました。

Zhupanovsky  | Eastern Kamchatka | 300120 | Elevation 2899 m
917日に爆発的噴火が発生し、少量の火山灰を含む噴煙が高度6-7 km まで上昇したので、カラーコードが「オレンジ」に引き上げられました。この日遅くに火山ガスと水蒸気の噴煙が高度 4 km に達しましたが、20日にはカラーコードは「グリーン」まで引き下げられました。

Ongoing Activity

Aira 桜島 | Kyushu (Japan)  | 282080 | Elevation 1117 m
94-11日の間に昭和火口から52回の噴火が発生し、火山灰を含む噴煙は火口縁上空2.4 km に達しました。夜間には火映現象が観測されています。
 
Bezymianny  | Central Kamchatka| 255020 | Elevation 2882 m
98-15日の間、溶岩流は溶岩ドームの西側の山腹を流れ続け、夜間には火映現象が観測されました。8-9日と12-13日には熱異常が観測されました。

Bogoslof  | Fox Islands (USA)  | 311300 | Elevation 150 m
913-19日の間、地震・空振共になんら異常を観測していません。13-14日と16-17
に弱い熱異常が観測されました。17日には海水の変色が衛星画像で確認されました。カラーコードは「オレンジ」が維持されています。

Cleveland  | Chuginadak Island  | 311240 | Elevation 1730 m
この間は天候に災いされて画像や目視で観測出来ない事が多いのですが、特段の異常は観測されていません。衛星画像では13-15日に地表面温度の上昇が観測されています。カラーコードは「オレンジ」が維持されています。
 
Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 | Elevation 1229 m
913-16日と18日に、火山灰を含む噴煙が高度1.8-2.1  km まで上昇した事が報告されました。

Ebeko  | Paramushir Island (Russia)  | 290380 | Elevation 1103 m
パラムシル島滞在中の火山学者の観測では913-14日に火山灰を含む噴煙が高度 2.2
kmに達し、カラーコードは「オレンジ」が維持されています。

Fuego  | Guatemala  | 342090 | Elevation 3763 m
913日に、今年7回目の活動期に入り、噴火により生じた火山灰を含む噴煙は火口上空1.2 km まで上昇し、各地に降灰をもたらしました。火砕流は西側山腹を下りましたが、活動が活発化して35時間後に収束しました。

Karymsky  | Eastern Kamchatka (Russia)  | 300130 | Elevation 1513 m
9200420時に火山灰を伴う爆発が発生したので、カラーコードは「オレンジ」に引き上げられました。

Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | 332010 | Elevation 1222 m
活動に特段の変化は見られませんが、913日に火山学者がオーシャンエントリー近くの溶岩三角州に、海岸線に平行な顕著な亀裂の広がりを確認しています。

Klyuchevskoy  | Central Kamchatka | 300260 | Elevation 4754 m
98日に弱い熱異常を観測しています。カラーコードはオレンジを維持しています。
⇒珍しくこの処、火山本体が良く見える状態が続いています。
 
Popocatepetl  | Mexico  | 341090 | Elevation 5426 m
912-19日の間、連日141-299回の火山ガスと水蒸気の噴出が観測されています。天候に阻まれて目視出来ない事も有りますが、連日この噴出は観測されています。912-13日には22回の爆発が観測され、その内の4回では少量の火山灰を観測しています。14日の820時には爆発的噴火が観測され、19日の噴煙には少量の火山灰を含む噴煙が1km上昇しました。先日発生したM7.1の地震に影響された活動の活発化は観測されていません。警戒レベルは「イエロー」です。

Reventador  | Ecuador  | 352010 | Elevation 3562 m
7月以降の活動状況を総括すると、火山の内部・外部共に特段の変化は無く、この間の、爆発的噴火の継続と、噴出型の噴火活動が交互に変化する活動が今後も継続するものと判断された事が報告されました。

Sabancaya  | Peru  | 354006 | Elevation 5960 m
爆発的噴火活動は次第に弱まっており、911-17日の間には連日平均29回の噴火が発生しています。火山ガスと水蒸気の噴煙は火口縁の上空 2.5 km まで上昇しています。
 
Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | 300270 | Elevation 3283 m
連日、熱異常が観測されています。98-13日の間には火山灰を含む噴煙が9-10 kmまで上昇しました。カラーコードは「オレンジ」
 
Sinabung  | Indonesia  | 261080 | Elevation 2460 m
913-16日と18日には火山灰を含む噴煙が高度 3-7.5 km まで上昇しました。

Turrialba  | Costa Rica  | 345070 | Elevation 3340 m
913日の1555時と14日の0600時に生じた噴煙は火口縁の上空300mに達し、別の180703時の噴火では400m上昇しました。

上記以外のライブカメラの画像は、アラスカのオーガスティン
⇒既に雪を被るカムチャツカのアバチャ
⇒噴煙を流すカムチャツカのキジメン
⇒アラスカのリダウトからは時々水蒸気が立ち昇る
⇒真っ白な雪を被るアラスカのシシャルディン
⇒韓国岳からは今も噴気が
⇒御嶽山の噴気も活発なまま
⇒十勝岳の噴気
⇒浅間山の噴煙
⇒霧島山系の硫黄山の噴気。
今週は、うっかり更新を忘れていた!

2017年9月19日火曜日

成東石 (3) 庭石や石碑の礎石に用いられた石材:露頭位置他

露頭の経緯度は“35.605108,140.408245”。これを地理院地図に摘要させると表示倍率を変えると最初の画像の地図が表示される。中心十字線の位置が、露頭の上に建つ懸崖造りの建物の位置。

背後の標高およそ38mの小丘にのみ、この石灰質凝灰質砂岩の地層が分布する(ので、天然記念物に指定された)。二枚目の画像は少し広い範囲を取り込んだ“mapYahoo”であり、白い矢印の先がこの小丘。当然、図の右下斜め方向に九十九里浜が存在する。

千葉は元々海底の地質なので、幾つか石灰質の凝灰質砂岩が存在する。銚子市の屏風ヶ浦に凝灰岩の幾つかの単層単位で石灰質になったのが「飯岡石」。古墳の石棺や板碑にも使われており、現在も旭市内の飯岡地区を中心に、石垣や石塀に使われたのが観察される。房州石の胎胚層の極一部が石灰質により固結したのが「高宕石」と言われて数多く採掘され利用されて来た。
三枚目の画像が、露頭のある城東山長勝寺:浪きり不動尊の山門と懸崖造りの社殿。僧行基が天平年間に難破船の海難除けとして不動尊を刻んだという。

四枚目は遥かな昔に崩落した固結部分の背後の崖とその上の懸崖造りの基礎部分。

五枚めは、恐らく2011年の震災で崩落した比較的新しい岩塊の例。

六枚目も遥かな昔に崩落した固結部の例。部厚い石灰岩の層状構造の一部が不可浸食されたと見るか、元々の地層の透水係数の大きな細砂層の中で、チョットした透水係数の差で(粒度分布やラミナや生痕化石などで)石灰質の沈着の状態に「差」が生じたと見るのか?面白い!

残念ながらこの「成東石」については研究が殆ど行われていない。最近、細々と調査を行っている前述の「高宕石」と「飯岡石」(この二つを急ぐ事情がチョットばかりあるので・・・)が一段落したら取り掛かりたいがそれまで生きていられるかどうか?あまり自信は無い。:取り敢えず(完)

2017年9月18日月曜日

成東石 (2/3) 庭石や石碑の礎石に用いられた石材:露頭状況

この「成東石」は、誰にも興味を持たれないだろうと、サラッと流す心算だったのに、FBでは数人が興味を持って下さった。これは!誤算!千葉県は「石無県」と言われながら、実は石灰質の丈夫な岩石は結構色々存在するのです。予定を変えて1回延長する事にして、今日は露頭の画像だけを観て頂こう。露頭がある小丘の標高はおよそ38m。周辺の九十九里浜に続く平坦地の標高は6m。直線で九十九里浜までは8.3km。上下の地層との接触関係は判らないのだが、周辺の岩塊が大きく斜めに傾いているのは、平坦面より高い位置に在った地層が崩落して傾いていると想定しており、この石灰質の地層は20~25m前後だとおもっています。スケールを車に置いて来たので申し訳ない画像ばかりだが、実はここは不動尊の境内だからハンマーは絶対持ち込めない。移動中に、前の国道を走っていてフト思い出して立ち寄ったので尚更!尚、以前の投稿と重複している箇所が在るが、以前の投稿を早急に削除する予定。
斜めに傾いた地層。非固結の細砂層が少し流されている。

まだ洗われていない部分。

固結部の折損で比較的新鮮な断面が出ている部分。

固結部のクローズアップ例。固結する前は恐らく透水係数が大きそうな細砂層だと判る。

房総の海岸で拾えるような炭酸塩ノジュール状のも偶に観察。

御定まりの生痕化石部分が固結して、間の砂は流されている。

これは実は懸崖造りの御堂の下なのです。










続く