2017年6月15日木曜日

GVP 火山活動情報の概要:6月7日⇒13日:20火山

Activity for the week of 7 June-13 June 2017
New Activity/Unrest

Bogoslof  | Fox Islands (USA)  | 311300 | Elevation 150 m
 66日に溶岩ドームが海面上に姿を現しました。これは201612月中旬に今回の一連の噴火が始まって以来、初めての事です。溶岩ドームは67日現在、直径110m、更に9日には160mまで成長したとと想定されています。爆発的噴火が610日の0318時に始まり、短時間の一連の空振として観測され、0416時から数分間継続する地震と空振で観測されるように変化しました。噴火では火山灰の濃密な噴煙が高度104 km まで上昇し北西に広がり、航空カラーコードはレッドに引き上げられ、噴火は0528時に終わりました。
衛星画像データでは、一連の噴火の中では最も濃密な噴煙でした。611日、その後は地震活動も空振も観測されていない事を報告し、カラーコードはオレンジに引き下げられました。610日に撮影された衛星画像や11日に航空機から撮影された画像等から、溶岩ドームは10日の噴火で破壊され姿を消したことが判りました。
 612日の1747時に始まった一連の噴火は夫々10-30分間の継続時間を示し、2035時頃に終息しました。火山灰を含む噴煙は高度 7.6 km まで上昇し南東に広がりました。航空カラーコードはレッドに引き上げられました。613日の0817時に始まった噴火では地震計と空振計で6分間継続する噴火を記録しました。噴煙はごく小規模だったか、検出限界以下であった為か、観測されず、航空カラーコードはオレンジに引き下げられました。

Karymsky  | Eastern Kamchatka (Russia)  | 300130 | Elevation 1513 m
クベルトに拠れば、63-8日の間、衛星画像で熱異常が観測されています。8日の爆発的噴火で発生した火山灰を含む噴煙は高度2-3 km まで上昇し様々な方角に70 km まで広がりました。カラーコードはオレンジを維持しています。
  
Pavlof  | United States  | 312030 | Elevation 2493 m
67日のAVOの報告に拠れば、ここ数日間、低周波地震の増加が観測されています。この種の活動は、時折噴火に先行して観測されるものです。加えて複数の短周期地震の突発がが観測されており、パイロットから火山灰を含む高度 1.2km(?:標高2,493m) の噴煙が報告されています。火山に設置された空振計や遠距離の“Sand Point”に設置された地震計では噴火活動の兆候を全く捉えていません。この火山では、噴火前の前兆現象は非常に微妙なものです。航空カラーコードはイエローに引き上げられました。68-9日には山頂火口から火山ガスの噴出が、南西に60km離れた観測所のウエブカメラで観測されました。AVOによれば、山頂火口では火山灰の有る無しに関わらず山頂火口で噴煙が上昇するのは良く有る事だとしています。

Rincon de la Vieja  | Costa Rica  | 345020 | Elevation 1916 m
611日の0542時に火口湖で短い水蒸気爆発が発生しました。天候が悪く視界が効かなかったので噴煙の詳細は不明ですが衛星画像では熱異常が観測されています。12日の2106時にも1分以下の小さな地震が観測されています。この地震は噴煙(噴気?)によるものと思われますが断定は出来ません。
  
Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | 300270 | Elevation 3283 m
635,および7-8日に強烈な爆発が有り、火山灰を含む噴煙が高度 8 km まで上昇し、南寄りの方角に1,554 km まで広がりました。火砕流は10 km 流れました。降灰は8日に50km南西の“Klyuchi”村から報告されました。衛星画像では熱異常が観測されておりカラーコードはオレンジが維持されています。
  
Ongoing Activity
 Aira  | Kyushu (Japan)  | 282080 | Elevation 1117 m
> 気象庁HP>各種データ・資料 > 噴火に関する火山観測報 を参照下さい。
  
Asamayama  | Honshu (Japan)  | 283110 | Elevation 2568 m
⇒気象庁ホーム > 各種データ・資料 > 火山観測データ > 浅間山の火山観測データ
  
Bagana  | Bougainville (Papua New Guinea)  | 255020 | Elevation 1855 m
衛星画像等のデータ解析から67-8日と14日に火山灰を含む噴煙が高度2.1 kmまで上昇し西寄りの方角に 65 km まで広がった事が報告されました。
  
Cleveland  | Chuginadak Island (USA)  | 311240 | Elevation 1730 m
66日に低周波地震が観測されました。衛星画像では66-7日に、山頂火口からの溶岩流出によると思われる地表温度の上昇が観測されています。
地震計、空振計或いは、曇りがちの天候で衛星画像では8日から13日の間は何も観測されていません。熱異常は衛星画像で12-13日も観測されています。
カラーコードはオレンジを維持しています。
  
Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 | Elevation 1229 m
衛星画像などのデータ解析から、67-14日に火山灰を含む噴煙が高度1.8-2.1 km まで上昇し様々な方角に広がった事が報告されました。7日には火山灰を含む噴煙は東に140 km まで広がった事が報告されました。
  
Ebeko  | Paramushir Island (Russia)  | 290380 | Elevation 1103 m
火山から東に7km離れたパラムシル島“Severo-Kurilsk”の住民からの報告では、62-9日の間も爆発的な活動が活動が継続しています。航空カラーコードはオレンジを維持しています。
  
Fuego  | Guatemala  | 342090 | Elevation 3763 m
68-9日の爆発的噴火では、生じた火山灰を含む噴煙が火口縁の上空1.1kmまで上昇し北西よりの方角に 15 km まで広がっています。鳴動音も観測されており、様々な方角の渓谷に岩屑雪崩が下っています。ラハールは南側の山腹に在る渓谷、特に西側“Pantaleón”を下っています。6101150時に発生したラハールでは、直径1mの岩塊を運びました。ラハールは深さ3m、幅15-18 m の規模です。10-11日の爆発では噴煙は750-1,050 m上昇し、北西よりの方角に 12-15 kmまで広がりました。衝撃波は複数の爆発時に観測されています。13日には高温のラハールが山を下りました。最初のラハールは幅35mで、深さ2.5-3 m の規模で直径2-3 m の岩塊を運び、次のラハールは幅25 m 厚さ3mで直径2mの岩塊を運びました。
  
Ibu  | Halmahera (Indonesia)  | 268030 | Elevation 1325 m
衛星画像等のデータ解析から69-12日と14日に科塩梅を含む噴煙が高度1.5-1.8 km に達し様々な方角に広がった事が報告されました。

Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | 332010 | Elevation 1222 m
67-13日の活動に関する報告では、溶岩湖のレベルは上昇と降下や、スパッターの噴出などを繰り返しています。ウエブカメラではプオオ火口の火映現象を観測しています。プオオ火口の東側山腹から流れ出した61G溶岩流は相変わらず“Kamokuna”海岸でオーシャンエントリーを続けています。531日に行ったフィールドワークでは溶岩デルタはおよそ0.01平方キロの面積まで成長しています。溶岩チューブから伸びた固化した溶岩の傾斜部は崖を下りチューブから100m以上も伸びています。
  
Klyuchevskoy  | Central Kamchatka (Russia)  | 300260 | Elevation 4754 m
クベルトに拠れば、62-9日の間、爆発により生じた火山灰を含む噴煙は高度5 km に達し様々な方角におよそ325 km まで広がった。弱い熱異常が衛星画像で4日と6日に観測されている。カラーコードはオレンジを維持している。
 
 Langila  | New Britain (Papua New Guinea)  | 252010 | Elevation 1330 m
衛星画像等のデータ解析から、67日に火山灰を含む噴煙が高度 2.1 km に達し北西に45 km まで広がった。14日には噴煙は高度1.8 km まで上昇し西北西に広がった。

Poas  | Costa Rica  | 345040 | Elevation 2708 m
67-13日の間、地震活動は弱い微動、散発的な火山性地震、低周波地震あるいは強度の低い小さな長周期地震等が続きました。7-8日にはウエブカメラで強い水蒸気と火山ガス或いは固形物の噴出が観測されました。硫黄臭が数か所から報告され、火口周辺の火映が夜間に確認されました。8-9日には、水蒸気と火山ガスと固形物粒子の噴出が二ヶ所の火口から噴出するのが観測されました。湖は湖水が蒸発し噴気孔が現れていました。少量の硫黄臭が大学から報告されました。11日の1610時と1750時に噴火では火口上空300mと600mまで噴煙が上昇し、12-13日には1km上昇しました。
  
Sabancaya  | Peru  | 354006 | Elevation 5960 m
爆発的噴火は前の週に比べるとやや低下しており、5-11日の間は一日当たり31回の爆発が発生しています。地震活動は低めです。火山ガスと火山ビアの噴煙は火口縁から2.8 km 以上上昇し亜硫酸ガスの放出量は66日には日量で3,392トンでした。
  
Sinabung  | Indonesia  | 261080 | Elevation 2460 m
衛星画像等のデータ解析から612-14日に火山灰を含む噴煙が高度  3.4-5.5 km に達したことが報告されました。
  
Turrialba  | Costa Rica  | 345070 | Elevation 3340 m
火山性微動のの強さは変動しており、67-13日の間は、低~中レベルでした。水蒸気と火山ガスの噴煙は噴気孔の上空 1km 以上上昇しました。
 以上、ご案内します。

2017年6月14日水曜日

我孫子市中峠(なかびょう)の白色凝灰岩を用いた庚申塔

我孫子市中峠の一角に、庚申塔や十三夜塔等が八基並んでいる場所がある。

右側の三基は見慣れた伊豆の凝灰岩に刻まれ、その左手の四基は、多少石質の違いがあるが、新小松石等の箱根溶岩と思われるのだが、
左端の文字塔の「庚申塔」だけが、珍しく白色の凝灰岩が使われている。
右端は細粒の砂の周りを細粒の緑色凝灰岩を埋めているタイプで、年号は享和三(1803)年:癸亥:みずのとい

二番目は表面はかなりきれいな状態なのだが角に割れが生じ、砂と小径礫の粒子が、離れてみるとラミナを構成しているのが判る。文化八(1811)年:辛未:かのとひつじ

三番目は表面がごっそりはがれてしまって年号も読めないが、この三基は疑いも無く伊豆の凝灰質砂岩の石材。下田から河津附近の産出。クローズアップして表面を見ると粒子の差は在るが、このような構造となる。画面幅は約50 mm.

安山岩製の四基は実の処専門外だが、四基の内左側の二基は頭に蛇がハッキリと居り、比較的珍しい様式らしい(伝聞)左端は、比較的緻密な本小松石に近い石材。他の三基は箱根溶岩であろう。

最左端の塔は、白色の凝灰岩が使われているのだが、これが珍しい。

残念ながら、年号が読めないのだが、白色の凝灰岩は伊豆や塩谷、嵐山、天神山等産地が多い割には使用例が少なくて私も庚申塔での使用例は初見。文字塔下の三猿が何故か別の石材に彫られていて、これは伊豆の凝灰岩の特徴を備えているので、白色部だけ他から持ち込む事も無かろう。と云う、やや消極的理由で白色の凝灰岩も伊豆下田附近の産出物と考えた。

白色部は、何処も大体同じだが肌理が細かい。

丁度今、東金市の五輪塔の石材産地を(候補として群馬県みどり市天神山産が上げられているが)検討中なので、白色凝灰岩には興味をそそられるのだが、五輪塔のものとはかなり岩質が異なる。上の画像は画面幅が約50 mm.