2018年12月8日土曜日

実体顕微鏡でのコリメート撮影:接眼レンズが大きな場合

新しい実体顕微鏡が3台博物館にやってきた。流石に、20年以上使ってきた物に比べると、レンズが綺麗な事と、接眼レンズも口径が大きいのとも相まって非常に観察画像がクリアに、かつ明るくなった。処が、接眼レンズ径が大きくなった為に従来使っていた携帯電話用アダプタが使えなくなってしまった。指先で微妙に距離を取りながら光軸を合わせつつシャッターを切るのが難しくなってしまった。いろんなアダプターを使えないかと試している内に、此れは一眼レフのレンズを外してそのまま顕微鏡にくっ付けると写せる事に気付いた。レンズを外したままでは、ミラーに接眼レンズが当たる危惧が在るので、カメラ毎のアダプターだけを取り付けて写すとこれが調子良い。

倍率は任意なので、倍率を決めたらいったんスケールを写し込んでおく必要があるが、私の場合は携帯電話の解像力が良くないので、一挙に画像が良くなった。
凝灰岩の表面は荒れやすいので、取り敢えず#3000の研磨材でサット仕上げ直して、丁寧に超音波洗浄をすると手頃な拡大率での観察画像が手軽に写せるようになった。


コリメート撮影は、小口径のレンズしか出来ないと思っていたが、意外な事に気付いて久し振りに参加した岩石仲間との例会が実に楽しく終わった。

2018年12月7日金曜日

GVP火山活動情報:11月28日⇒12月4日;20火山

New Activity / Unrest
雌阿寒岳  | Hokkaido (Japan)  | 285070 | 1499 m
11月20日からポンマチネシリ火口付近の浅いところを震源とする火山性地震が増加し、23日には725回(精査後の回数)となりました。24日以降、火山性地震は減少しましたが、今後も増減を繰り返す可能性があります。警戒レベルは“5”段階の“2”に引き上げ。(札幌地方気象台 7日1600時報告を抜粋引用)




Mayon  | Luzon (Philippines)  | 273030 |  2462 m
連日、水蒸気主体の噴気が上昇し、夜間には火映が観測されます。27日には水蒸気爆発が起こり、灰色の噴煙が 300-500 m まで上昇しました。30日には1分間継続した噴火が発生しこれもまた灰色の噴煙を上げました。警戒レベルは“0-5”段階の“2”。

Veniaminof  | United States  | 312070 |  2507 m
氷に閉ざされたカルデラ内の火砕丘からの溶岩流は現在も継続しており、地表面温度の上昇が観測されています。27-28日に掛けて空振計により空振が観測されています。30日のアンカレッジ付近のM7の地震により観測網がオフラインに成るまで継続して観測されていました。航空カラーコードは「オレンジ」

Ongoing Activity
桜島 | Kyushu (Japan)  | 280080 |  1117 m
11月26日から12月3日までの間、南岳火口では9回の噴火が発生し、噴煙は火口縁の上空 1.8 km まで上昇し、夜間には時折火映が観測されました。12月1日の爆発では噴煙は 2.5 km 上昇しテフラは火口から 1.1 km まで飛散しました。警戒レベルは“5”段階の“3”

Bagana  | Bougainville (Papua New Guinea)  | 255020 | 1855 m
12月1日に噴煙が高度 3 km まで上昇しました。強い熱異常が観測されています。噴煙は時折、高度 6.1 km に達しました。

Chiles-Cerro Negro  | Colombia-Ecuador  | 351110 | 4698 m
12月3日から“Cerro Negro”火山の地下で群発地震が増加しています。地震は火山性のものと見られ、山頂から 6 km 以内に震源が存在し、震源は地下 8 km (山頂の標高 約 4.7 km を加味し)にあります。最大のものはM2.3 の規模です。群発地震が発生し始めて、報告される真野で間に 5,400回の地震が観測されており、これは2015年以来最も大きな観測値です。報告では地震はゆっくりと増加に向かっています。警戒レベルは“4”段階の“2”。

Copahue  | Central Chile-Argentina border  | 357090 | 2953 m
12月2日に細い噴煙が上昇したのが観測されています。
Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 |  1229 m
21-27日に掛けて噴煙が高度  1.5-2.1 km まで上昇した事が観測されています。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。

Ebeko  | Paramushir Island (Russia)  | 290380  |  1103 m
11月23-30日の間、噴煙は高度 4 km に達し、24日には熱異常が観測されています。27日と29日には降灰が観測された地域が在ります。航空カラーコードは「オレンジ」

Kadovar  | Papua New Guinea  | 251002 | 365 m
11月27-28日に噴煙が高度 0.9 km まで上昇し、12月2日には噴煙が高度 1.2 km まで上昇しました。

霧島山系硫黄山  | Kyushu (Japan)  | 282090 |1700 m
硫黄山の南側の噴気地帯では、噴気が 200 m まで上がるなど活発な噴気・熱泥噴出活動が続いています。また、硫黄山の西側 500 m 付近では、噴気が 50 m まで上がりました。硫黄山南監視カメラでは、引き続き硫黄山の南側の湯だまりを確認しています。硫黄山付近では火山性地震が概ねやや多い状態で経過しています。浅い所を震源とする低周波地震も引き続き発生しています。火山性微動は観測されていません。また、硫黄山周辺でも火山性地震が時々発生しています。(鹿児島地方気象台 7日1600時報告を抜粋引用)

Krakatau  | Indonesia  | 262000 |  813 m
12月1日-3日に掛けて46-69秒間継続する噴火が報告されている。噴煙は 500-700 m 上昇。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。

口永良部島  | Ryukyu Islands (Japan)  | 282050 |  657 m
新岳火口では、噴火が断続的に発生しています。12月5日から本日(7日)15時にかけて、噴煙は最高で火口縁上 800 m まで上がりました。火山性地震や火山性微動は、一連の噴火に伴って発生しています。5日-7日にかけて実施した現地調査では、新岳火口周辺の熱異常域に特段の変化は認められませんでした。火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、やや多い状態で経過しています。GNSS連続観測では、島内における長い基線において、201年7月頃に縮みの傾向から停滞へと変化し現在は緩やかな伸びに変化したとみられます。(鹿児島地方気象台 7日1600時報告を抜粋引用)



Merapi  | Central Java (Indonesia)  | 263250 |  2910 m
11月23-29日の間溶岩ドームは連日 2,500 立方メートルの速度で成長し、29日には 329,000 立方メートルの容積に達したと推定されます。様々な濃度の噴気が山頂から最大 400 m まで上昇しています。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。

Popocatepetl  | Mexico  | 341090 | 5393 m
11月28日から12月3日までの間、連日 16-79 回の火山ガスと水蒸気の噴出が観測されました。日中には火山性微動も観測されており12月2日の2回の噴火では白熱岩塊が上部山腹に放出され、噴煙は火口縁の上空 2.5 km まで上昇しました。更に3日午後の噴火では噴煙が 1.5 km 上昇しました。航空カラーコードは「イエロー」


Rincon de la Vieja  | Costa Rica  | 345020 | 1916 m
12月3日に1分間継続した噴火が観測されましたが、天候に恵まれず目視観測は出来ませんでした。

Sabancaya  | Peru  |  354006 |  5960 m
11月26日から12月2までの間に連日21回の爆発が発生しました。熱異常も観測され、28日の観測では亜硫酸ガスの放出量は日量で 4,600 トンでした。

Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  |  300270 |  3283 m
23日に熱異常が観測されていますが、天候が悪く目視観測が出来ませんでした。航空カラーコードは「オレンジ」



諏訪之瀬島  | Ryukyu Islands (Japan)  | 282030 | Elevation 796 m
御岳(おたけ)火口では、噴火活動が続いています。同火口では、11月30日10時53分に噴火が発生し、噴煙が火口縁上1800 m まで上がりました。期間を通して、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていません。(鹿児島地方気象台 7日1600時報告を抜粋引用)



Turrialba  | Costa Rica  | 345070 |  3340 m
11月28日から12月3日の間、時折単発的な噴煙の上昇が見られました。噴煙は火口縁の上空 500 m まで上昇し、降灰は 36 km 西南西の地域から報告されました。
以上

2018年12月3日月曜日

日陰の凝灰岩に似た石材

会津街道・五十里湖付近から川俣ダムに向かう途中の鬼怒川沿いに、「日陰」と「日向」と云う地位が在る。峻嶮な谷の底に住む人々には、生きる為に大切な日照がどれほど得られるかは重要な問題で正に「日陰」集落であり、「日向」集落なのだろう。
その、日陰集落の中に。ゴツゴツした大きな岩塊を含む凝灰岩で造られた石蔵が存在するのだが、(5月頃に一度ご紹介したと思う)、この石材に良く似た凝灰岩質石材を使った石蔵を、栃木市旭町の「神明宮」傍で見掛けた。







下部の礎石部は岩舟石である。

今日観察した12カ所の全てで、岩舟石が礎石に使われていた。明治時代に大谷石が南下するのを防いだのは、意外と「岩舟石」の角礫凝灰岩だったのかもしれない。
しかし、日陰の「土呂部火砕流溶結部」を栃木まで運ぶのは容易では無い。さて、何処にその採掘場所は存在したのだろうか?