2015年11月14日土曜日

少し古い瓦 (12) 栃木県真岡市 105年前の瓦の断面

芦沼石の長屋門で、2011年の東北大震災で一部の瓦が壊れたので修復したと言うお話しを伺い、古い瓦に製造者の刻印が無いか探したのだが探し出せなかったので、古い瓦の破片を一個お許しを頂いて頂戴して来た。
博物館の切断機を用いて瓦を下図の通り切断し、切断面を#800の研磨粉で磨いて、面を観察してみた処、不思議な模様が出て来たので少し紹介します。


 この一枚は細部を観る為にスケールを無視して横方向を1280ピクセルでトリミングを行った。
他の画像は、全て画面幅(1280ピクセルを想定)が110mmになる様にトリミングしている。
2種類の粘土材料を用いているのだろうか?不思議な模様が出来ている。しかし、想定以上にポーラスなのには驚いた。最初は切断面をもう少し磨く積りだったのだが、#800で充分と思われる粗さだった。残りは次回。熱の通り方で表層と内部と別物の様に色がくっきりと変わるが縞模様は連続しているので同じものの変化だと判る、淡い色が粒子の細かい粘土質で、やや濃色系はシルト質の様な塩梅だ。紺練が旨く行かない状態なのだろうか?始めて観る構造模様だ。

超音波洗浄を行ったのだが、一度に容器に沢山の段片を置いたので、超音波が弱く也洗浄が旨く出来ていない様だ。取敢えず一度きちんと乾燥させて様子を見ようと思う。火山灰起源の角閃石の結晶らしいものがたまに見える。

2015年11月12日木曜日

芦沼石 栃木県真岡市で (3)

表面の仕上げが比較的粗くなければ、当然のことながら岩相が良く観察出来ます。
軽石の白い部分もかなり多く、含まれて居る礫はほぼ角礫だと言う事が理解頂けると思います。
普通の岩石の観察と「石材」の観察ではかなり注意が必要とされます。
表面仕上げが「筋目」のものです。理由は判りませんが、石蔵の下部は前の画像に示すコブ出しが多く、上半部はこの筋目が多い様です。上3枚は晴天時撮影。他は雨天時撮影





芦沼石 栃木県真岡市で 続き

石材はその仕上げで内部の組成まで違って見えるから面白い。
取敢えず、長屋門の下半分のこぶ出しのビシャン風仕上げの部分を5枚観て頂こう。「ビシャン+小たたき」なのだろうか?上二枚は晴天の日に、下二枚は雨天の日の撮影で本来は同色なので御注意願いたい。但し、表面が濡れているのではなく乾乾燥していても日照量が少なくて影の色合いなのです。

 上2枚は比較的「軽石」が目立たない。他の二枚はうっすらと軽石部分が見えている。見えているが、大谷石と異なり、ミソ:黒色~茶褐色には変色していない。

 チャートの様な赤色岩片も見えるが大部分は黒色のややガラス質の安山岩~玄武岩の岩片が含まれて居るが、丸い形状も在れば尖った様な角礫岩も或る。

2015年11月10日火曜日

芦沼石 栃木県真岡市で

茂木石の画像を紹介した折にこの建造物の画像も御紹介しているが、改めて今回内部の撮影もお許しを頂き、棟札の確認も出来たので、前回の画像も含めて再度石材の詳細をご案内します。
この石材の特徴は、軽石を含んではいますが風化していないので、大谷石の様に黒い「ミゾ」に成る事はありません。下の画像でも判るようにやや白い塊に見えるのが軽石です。
更に、この建築物ではかなり大きな材料を用いている事も特徴の一つとして良いと思います。窓の部材形状に着目してトリミングした画像です。窓の小屋根は1枚の部材から彫り出されています。部材の長さは約210cmです。この建築物の用材の標準寸法は「1尺x1尺x3尺=30x30x9cm」ですから細長い(結構太いのですが)石材を掘り出せるのは、石材がかなり硬い事を示しています。
 窓の建て柱は別物を充てています。
 窓の下側の部材も同じ様に長い部材から彫り出しています。


2015年11月9日月曜日

シールド掘削機 Φ.9.5m (2)

組立られた急曲線用テーパーセグメント。最も狭い位置を何処に組むかで三次元の曲線に対応出来る。でもこの画面では曲線の状況が全く判らないですよね。
広い空間ではその夫々の大きさを正しく感じ取るのは容易では有りません。この様に工事用レールの下を覗くと狭い空間を切り取るので曲線の状況が判り易く見えます。
センターより少し端に寄って撮影したので曲線がより強調されています。
シールド掘削の推進力である。多数の油圧ジャッキ群。
下の画像は動力ケーブル台車。地下でゆっくり移動するシールド掘削機の所要動力は全て地上から供給される電気で賄います。必要な電力は、シールド掘削機だけで全負荷で700Kwに達します。
勿論、その他に、坑内の照明や、採掘した土砂を泥水に混ぜて送り出す為の巨大なポンプにも供給しますので大変な電気を必要とします。
動力はこのように三本の高圧ケーブルが電気的なノイズ源にならない様に三本編みにして8の字を描いてケーブル台車に搭載しておきます。シールドの前進でケーブルは8の字からゆっくりとほどけて延長されますが、こうしてお行けば捻じれる事はありません。