2019年3月1日金曜日

GVP 火山活動情報の概要:2月20日 ⇒ 26日;20火山

New Activity / Unrest
Bezymianny  | Central Kamchatka (Russia)  | 300250 | 2882 m
活動が活発化し夜間に火口付近の火映と高温岩塊の溶岩ドームからの岩屑雪崩や、時折の強い噴気活動が観測されています。熱異常の温度は徐々に上昇しています。航空カラーコードは「オレンジ」

Karangetang  | Siau Island   | 267020 |  1797 m
濃密な白煙が火口内の主火口と北側火口から 500 m 上昇しています。警戒レベルは“1-4”段階の“3”。

Karymsky  | Eastern Kamchatka   | 300130 |  1513 m
16-20日の間、噴煙が東方に 200 km まで広がった事が観測され、熱異常も16日と18-20日に観測されました。航空カラーコードは「オレンジ」

Piton de la Fournaise  | Reunion Island  | 233020 |  2632 m
19日に開口した割れ目火口からの活動は継続しています。火口は標高 1,800 m の“Piton de la Fournaise’s Dolomieu Crater”の東に位置しています。21日に火山学者がゆっくりと東に広がる溶岩流を図化しました。火口の在る火砕丘は輝き、溶岩湖からはスパッターや火山ガス泡を放出しています。溶岩堤防に囲まれた流れは、標高にして 200 m 下方の距離にして 1 km 程流れ下り“Guyanin”火口付近で二岐に分かれて海に流れ込んでいます。北側の溶岩流は幅 50 m で、標高 1,320 m を越えて進み、南側の溶岩流は、幅 200 m で二股に分かれて海に注いでいます。溶岩流の最大長さは火口から 1.9 km に達しています。22-26日の間の溶岩流の流量は最大毎秒16 立方メートル以内で変化しています。

Poas  | Costa Rica  | 345040 |  2708 m
以前は火口湖だった場所から勢い良い火山ガスの噴出が起こっています。最も勢いの強いのが“Boca Roja”の“A”火口で夜間には時折火映が観察されます。硫黄臭は風下の南西側 16 km からも報告されており、溶融硫黄の粒子が火山灰と共に採集されています。

Semeru  | Eastern Java (Indonesia)  | 263300 | 3657 m
24日に高度 4.3 km に達した噴煙が観測されました。

Ongoing Activity
Agung  | Bali (Indonesia)  | 264020 |  2997 m
22日の噴火で噴煙が 700 m 上昇し、警戒レベルは“1-4”段階の“3”。

桜島:Aira  | Kyushu (Japan)  | 282080 | 1117 m
18-25日の間南岳火口で時折火映が観測され、22日深夜の噴火では噴煙が火口縁の上空 1 km まで上昇し、噴石も火口から 600-900 m まで飛散しました。2-25日の間に二度の噴火が発生し、その内の一つは爆発的でした。警戒レベルは“5”段階の“3”。

Cleveland  | Chuginadak Island  | 311240 |  1730 m
この間、地震計も空振計も全く異常を観測していませんが、地表面温度の上昇が観測されていますが、天候不良でその前の日々の観測は行われていません。溶岩ドームは新しい溶岩の兆候も無く沈下傾向が続いています。25日に航空カラーコードは「イエロー」に引き下げられました。

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 |  1229 m
噴煙が連日高度 1.8-2.7 km の高さまで上昇し、警戒レベルは“1-4”段階の“2”。

Ebeko  | Paramushir Island   | 290380 |  1103 m
15-22日の間、噴煙が高度 3.6 km に達する噴火活動を観測。航空カラーコードは「オレンジ」

Great Sitkin  | Andreanof Islands (USA)  | 311120 | Elevation 1740 m
特段の活動が観測されないので、航空カラーコードは「グリーン」に引き下げ。

Ibu  | Halmahera (Indonesia)  | 268030 | 1325 m
25-26日に噴煙が高度 2.4-3 km に達する噴火が発生し、熱異常も観測されています。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。

Kadovar  | Papua New Guinea  | 251002 |  365 m
21日に噴煙が高度 1.8 km に達しました。

Krakatau  | Indonesia  | 262000 | 813 m
23日に4分31秒間継続する噴火を観測。噴煙は標高 610 m まで上昇。警戒レベルは“1-4”段階の“3”。

Merapi  | Central Java  | 263250 |  2910 m
15-21日の間は溶岩ドームの容積変化も形状変化も観測されていません。白い噴気は火口縁から最大 375 m 上昇。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。

Sabancaya  | Peru  | 354006 | 5960 m
18-24日の間は連日平均 20 回の噴火が観測され、しばしば天候により視界不良となりながらも噴煙が火口縁の上空 2.2 km まで上昇するのを観測した。

Sheveluch  | Central Kamchatka |  300270 |  3283 m
15-22日の間、溶岩ドームは輝き続け、北側で岩塊を噴出させ続け、高温岩塊の岩屑雪崩も観測されています。熱異常も連日観測されており、火山灰を含む噴煙は高度 4-5 km に達しています。航空カラーコードは「オレンジ」



諏訪之瀬島  | Ryukyu Islands (Japan)  | 282030 | 796 m
15-22日の間御岳火口で火映が観測され、小噴火が時折観測され噴煙は火口縁の上空 900 m まで上昇しました警戒レベルは“5”段階の“2”。

Turrialba  | Costa Rica  | 345070 |  3340 m
21日に噴煙が 300 m 上昇する噴火が観測され、これ以外にも頻繁に、強さとその周期は様々ながら活動が観測されています。

その他の火山カメラ画像
イタリア:エトナ山:2月21日(2枚共)



吾妻山山系東吾妻山山頂部;[気象庁火山カメラ]

霧島山系硫黄山:[気象庁火山カメラ]

カムチャツカ半島:Klychevskoi火山:2月26日

北海道・雌阿寒岳:[気象庁火山カメラ]

南米・チリ:Planchón-Peteroa火山;2月26日(二枚とも)



コスタリカ・Poas 火山;2月17日

メキシコ・Popocateptlt火山;2月21日

南米・ペルー:Sabancaya火山;2月27日

桜島:3月1日の南岳火口付近

カムチャツカ半島:Sheveluch火山溶岩ドームからの噴煙と高温岩屑雪崩



以上

2019年2月26日火曜日

NASA Earth Observatory:Shiveluch Smokes Once Again

NASAのアウトリーチ用画像データベースで、2月23日の衛星画像が公開されていますので御案内します。

今朝確認したKVERTのこの火山に関する情報では「溶岩ドームの北側で粘性の高い溶岩の流出が続き、強い噴気活動と、ドームの火映現象と高温岩塊の岩屑雪崩が続いている」とされています。今朝の(2月26日11時過ぎ)Sheveluch火山のライブカメラ画像(下記)では、やや火山灰が混じった雰囲気の噴煙が上昇しています。

より詳しい情報をご希望の方は下記を参照下さい。
NASA Earth Observatory
https://earthobservatory.nasa.gov/images/144586/shiveluch-smokes-once-again
KVERT:Shevelucch 火山の画像サイト;巨大な噴煙中の画像を含み、全部で296枚の画像が収録されています。
http://www.kscnet.ru/ivs/kvert/current_eng.php?name=Sheveluch
KVERT:火山活動情報のサイト
http://www.kscnet.ru/ivs/kvert/van/?type=2
KVERT:Sheveluch 火山のライブカメラ画像
http://geoportal.kscnet.ru/volcanoes/webcams.php?name=Sheveluch

2019年2月25日月曜日

南房総市和田町の石丁場(1):鯨の町と石丁場

私は捕鯨船の基地のある街で育ったので、体の基本部分の1割くらいの素材は鯨で出来ていても可笑しくないと思っているが、今回の石丁場の探索は地元の方々のご協力を頂いての調査なので昼食は当然鯨料理となった。
私は「鯨の竜田揚げ」流石に、メニューに鯨が多い。早朝、6時過ぎに出発し、帰宅したのが22時だから今回は結構な強行軍で、最後の打ち合わせは暗くなったお寺の駐車場で立ち話となってしまった。
石切り場が存在するのは、1/5万「鴨川」図幅地域の中の「中三原層」、隣の図幅に移ると「嵯峨志層」と呼ばれる地層に存在する。意外と大きな規模で採掘されていた事が判明。パット見の岩相が鋸山の「房州石」に似ているので、良く観ないと間違う恐れがあるが、どちらかと云うと地産地消型石材なので、遠距離には運ばれなかったらしい。
今回は、殆どが私有地で、家の(勿論許可を頂いて)裏庭に入ったり、御案内頂いて御自宅の庭を突っ切ったり、歩いてみたらかなりやばい滑落しなかったのが不思議な位の地形等と云うアクセスが多かったので、GPSのトレース図は公開できない。

昼食の鯨料理。私は母親の味ともいえる「鯨の竜田揚げ」。上は「鯨の一口かつ」。

メニューもいろいろ。選びやすい値段ですよね!

地震の化石と「バイン」構造。石垣に使われていた「石堂層」の泥岩ブロックに沢山刻まれていた。

枕状溶岩が切出されて石垣に使われていた。南房総ではこの様な例は実に多い。残念ながら石積みにはあの枕形状はそぐわないので殆ど整形されてしまっている。

南房総の「江見」付近で良く観察される。砂岩に穿孔貝が開けた巣穴群。ここまで徹底して巣穴が多いのはこの地域だけの様に思う、石碑の礎石に良く使われていて、石碑は勿論、宮城県石巻市産出の「井内石」

石切り場の崖は、風雨に晒されている場所では切目がハッキリとは残っていない。

切出しの際の「不陸」。ツルハシで溝を入れての採掘なので、このような段差がどうしても出来てしまう。

ラミナも有れば断層も有るので岩相変化が結構激しい。

粗いスコリアが目立つ部分。曇り空と思っていたら快晴の暖かい日で、白いスケールは選択ミス!

ややスコリアが細粒の部分。地層の傾斜はかなり大きくて、40度程度になる場合も有る。傾斜と走向の違いが、切り出した際の石材の印象を大きく変える。

パミス(ここでは潰されている軽石程度の意味に使っている。気泡は殆ど観察出来ない)や泥岩の破片もやや粗い層の中に観察される。
続く