2017年7月27日木曜日

GVP 火山活動情報の概要:7月19日⇒25日:19火山

GVPの火山活動情報の概要を御案内します。
Activity for the week of 19 July-25 July 2017 
New Activity/Unrest
 Piton de la Fournaise  | Reunion Island (France)  | 233020 | Elevation 2632 m
710日から地震活動が活発化し、更に7月131250時から危険な状態の地震活動が始まりました。地震活動は主として“Dolomieu”火口の南側火口縁の地下の標高500-1,000m附近で発生しています。地震活動と共に山体の膨張も観測されています。
7月14日の0050時に“Kala-Pélé peak”の東750m、“Château Fort”の西850m、“Piton de Bert”の北東2.2kmの地点で、噴火が始まりました。0930時からの火山学者による現地調査では、450mの長さの割れ目噴火で、7か所で30mの高さの溶岩噴泉が観測されました。山腹の下部側の溶岩噴泉の位置では火砕丘が築かれ二筋の溶岩流が確認されました。亜硫酸ガスの噴煙が東側に広がっています。
7月15日も三か所の溶岩噴泉は活動しています。15-17日の間の噴火活動は変動し、17日にはその活動は東端の火砕丘に集約されました。
7月18-19日の間は火砕きゅうの中の幾つかは活動的でしたが、溶岩噴泉の噴き上げる高さは20m止まりでした。21日には複数の溶岩トンネルが形成され、チューブの破損部から小さな溶岩が流れ出していました。
7月22日に火山学者による航空機からの観測により、溶岩流は幅は最大0.6kmで長さ2.8kmに達し、溶岩流の先端部は過去7日間前進していません。噴火は少なくとも7月25日まで続きました。
⇒下記に噴火に関する画像があります。少々長いですが6分間の動画も含まれています

 Planchon-Peteroa  | Central Chile-Argentina border  | 357040 | Elevation 3977 m
7月8日以降、地震活動が基準レベルを越えた為に、7月10日に警戒レベルはイエローに引き上げられました。
  
Sangay  | Ecuador  | 352090 | Elevation 5286 m
衛星画像等から、7月20日に火山灰を含む噴煙が高度8.2kmに達し西に広がった事が報告されました。
  
Sangeang Api  | Indonesia  | 264050 | Elevation 1949 m
衛星画像等のデータ解析から、7月19-20日に火山灰を含む噴煙が高度2.4-4.3kmに達し北西に広がった事が報告されました。

Ongoing Activity
Bagana  | Bougainville (Papua New Guinea)  | 255020 | Elevation 1855 m
衛星画像等のデータ解析から、7月23日に火山灰を含む噴煙が高度2.1kmで西に広がった事が報告されました。
  
Bezymianny  | Central Kamchatka (Russia)  | 300250 | Elevation 2882 m
クベルトに拠れば7月14-21日の間、衛星画像で熱異常が観測されました。溶岩ドームの西側山腹での溶岩流は継続しています。カラーコードはオレンジです。
  
Bogoslof  | Fox Islands (USA)  | 311300 | Elevation 150 m
7月19-25日の間、天候不良の為に衛星画像では特段の火山活動は観測されていませんし、地震波形や空振,雷光等も同様です。カラーコードはオレンジを維持しています。
  
Cleveland  | Chuginadak Island (USA)  | 311240 | Elevation 1730 m
衛星画像で7月19-23日の間、地表面温度の上昇が観測されましたが、地震計,空振計やウエブカメラでは特段の活動は観測されませんでした。7月21日のAVOの報告に拠れば、前週の間に山頂火口の底に、直径30m、高さ10mの、小さな新しい溶岩ドームが出現しています。カラーコードはオレンジを維持しています。
⇒溶岩ドームの画像はAVOのサイトでは公開されていません。最新画像は丁度1年前のものです。今朝はウエブカメラで緩やかな噴煙が立ち昇るのが見えましたので後程FBで御案内します。
 
Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 | Elevation 1229 m
衛星画像等のデータ解析から、7月21-25日の間、火山灰を含む噴煙が高度1.5-1.8 km で東~北東に広がった事が報告されました。
  
Karymsky  | Eastern Kamchatka (Russia)  |  | Elevation 1513 m
7月18日の噴火で火山灰を含む噴煙が1.7km上昇しました。衛星画像では7月18-20日の間、弱い熱異常が観測されています。
7月20日には火山灰を含む噴煙が東に117kmまで広がった事が報告されました。
⇒クベルトのサイトに、7月18日の噴火の際の航空機から画像等4枚が公開されています。http://www.kscnet.ru/ivs/kvert/current_eng.php?name=Karymsky
  
Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | 332010 | Elevation 1222 m
⇒火山活動状況に変化は見られません。“Kamokuna”でのオーシャンエントリー部で、海岸線に平行な大きな亀裂が観察されています。
何時もの画像サイトに21日に海岸部での画像が公開されています。
 
 Klyuchevskoy  | Central Kamchatka (Russia)  | 300260 | Elevation 4754 m
クベルトに拠れば7月19-20日の両日、弱い熱異常が衛星画像で観測されています。また、火山灰を含む噴煙が南西,南東,東あるいは北東に300kmまで広がりました。カラーコードはオレンジです。
⇒ウエブカメラで噴煙の上昇が時折捉えられているので、FBにてご案内する予定です。火山の標高が高いので噴煙はかなり小さくしか見えません。
  
Nishinoshima:西ノ島  | Japan  | 28406 | Elevation 25 m
海上保安庁海洋情報部が7月11日に実施した航空機による観測に拠れば噴火は継続中です。火砕丘の中心からの噴煙は灰白色でテフラが噴出されています。西側山腹の溶岩流は相変わらずオーシャンエントリーしています。航空機のパイロットからの報告に拠れば7月18日には噴煙は高度3kmまで上昇していたと報告されています。
⇒海上保安庁海洋情報部のサイトにはpdfファイルの画像を含む2頁の報告が有ります。
⇒海上保安庁海洋情報部のサイトには、7月11日の観測による明神礁の状況報告もあります。海水面に気泡が多数発生していますが
海面温度は低く、気泡の上昇に伴う海底付近の低温の海水が湧昇流となって居ると思われます。pdfファイルの画像を含む2頁の報告が有ります。
⇒序に昨年の観測による「久米島沖の熱水噴出を伴う海底火山地形の発見」報告(5頁)も同じサイトにおいて公表されています。
  
Poas  | Costa Rica  | 345040 | Elevation 2708 m
7月19-24日の間、火山ガス、水蒸気とアエロゾルを含む噴煙が“vent A (Boca Roja)”から噴出し、“vent B (Boca Azufrada)”からは火山ガス、水蒸気と自然硫黄の細粒を豊富に含む噴煙が上昇していました。噴煙は火口の上空300-500mまで上昇し西から南西方向に広がりました。
  
Sabancaya  | Peru  | 354006 | Elevation 5960 m
7月の初めからマグマの上昇に伴いゆっくりと活動が活発化し、亜硫酸ガスの排出量も増加しています。火山ガスと火山灰の噴煙は比較的高めで火口縁の上空2.5-4.5 km まで上昇しています。7月22日には風向きが南から南東に変わり、以下の地域に降灰をもたらしています: Lluta (30 km SW), Huanca (75 km SSE), and in some parts of Arequipa (80 km SSE).
  
Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | 300270 | Elevation 3283 m
衛星画像により7月14-21日の間も熱異常を観測しています。ビデオ画像と衛星画像から7月24日の火山灰を含む噴煙が高度11.5-1 km に達し北東に700kmまで広がった噴火の8時間後に爆発的噴火活動が終わりました。強い火砕流も観察されました。カラーコードはレッドに引き上げられましたが、その日遅くに少量の水蒸気と火山ガスの噴煙が記録されただけなのでイエローに引き下げられました。
⇒ウエブカエラではこの処、火山を取り巻く雲(噴煙なのか気象上の雲なのか判らない状態でしたが)で殆ど見えない状態が続いていましたが7月23日から24日に掛けて山体が良く見える状態の日が多くなりました。今日は雲に取り囲まれています。
  
Sinabung  | Indonesia  | 261080 | Elevation 2460 m
衛星画像等の情報を総合し、7月19-25日の間、火山灰を含む噴煙が高度2.7-6.1 km まで上昇し、様々な方角に広がった事が報告されました。
  
Suwanosejima:諏訪瀬島  | Ryukyu Islands (Japan)  |  | Elevation 796 m
⇒気象庁の「噴火に関する火山観測報」を参照下さい。長時間継続する噴火が多発していました。
⇒気象庁の下記に7月14日から20日までの国内火山の活動状況をまとめた「週間火山概況」pdfがあります。

Turrialba  | Costa Rica  | 345070 | Elevation 3340 m

7月19-24日の間、水蒸気とアエロゾルとマグマ起源のガスからなる噴煙が火口縁の上空500mまで上昇し、夜は連日“ Cráter Oeste”に火映現象が観測されました。20-22日には火山灰を含む噴煙が有り、20日にサンジョゼから、22日には西南西に30kmの地域から降灰の報告が有りました。

*今週は各火山周辺の天候が悪い日が続きライブカメラでは画像をキャプチャーする事が出来ない日が続きました。情報を掲載されていない下記火山のウエブカメラ画像が含まれています。
Avachinsky,カムチャツカ半島:7月22日
Pavlof,アリューシャン列島:7月22日
Redoubt,アラスカ半島:7月21日
Reventador,エクアドル:7月21日
Yasur、バヌアツ:7月21日
  i以上