2018年3月29日木曜日

GVP 火山活動情報の概要:3月21日⇒27日;18火山

New Activity/Unrest

Ambae | Vanuatu | 257030 | Elevation 1496 m
3月21-27日の間、火山灰を含む噴煙が高度 3-4.6 km に達しました。報道に拠れば、降灰により島の南部と西部が、作物への被害、飲料水へのコンタミ、家屋の崩壊等で三か所の村民が避難しました。3月25日のフライトはキャンセルされました。島民に拠れば、白熱岩塊が1800と2200頃には高さ 1 km まで放出されたと語っています。住民によれば、その後4回の噴火が発生したとの事です。

Copahue | Central Chile-Argentina border | 357090 | Elevation 2953 m
3月24日に爆発的噴火が観測されました。警戒レベルは「イエロー」に引き上げられ、火口から 1 km 以内は立ち入り禁止です。

Ijen | Eastern Java (Indonesia) | 263350 | Elevation 2769 m
3月21日の2100時に亜硫酸ガスの噴出により、北西に 7 km 離れた村の27名の住民が、手当てを受けたと報告されました。火口への道は閉鎖されました。21-22日には山頂付近で白煙が 100-200 m 上昇しました。1月から3月までに既に三回の異常なガス濃度が観測されています。警戒レベルは"1”を維持していますが、火口付近への立入はしない様に勧告されています。

Kick 'em Jenny | North of Grenada | 360160 | Elevation -185 m
地震活動は引き続き衰退しています。警戒レベルは「イエロー」に引き下げられました。

Kirishimayama 新燃岳 | Kyushu (Japan) | 282090 | Elevation 1700 m
溶岩の流出は3月9日に停止しましたが、北西側山腹の溶岩流は引き続き流れ下っています。高いレベルの地震活動が引き続き継続しています。亜硫酸ガスの放出量は、日量で 600 トンで、西側山腹の割れ目火口は少し開いたようです。した。25日0735時に火山灰を含む噴煙が 3.2km 上空に達し、噴石を上空 800 m まで噴出しました。0845時の噴火では火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 2.1 km まで上昇し、極小規模の火砕流が西側に 800 m 流れ下りました。3月24日には亜硫酸ガスの噴出量は日量で 300 トンでした。

Myojinsho 明神礁 | Japan | 284070 | Elevation 11 m
3月24日の報告で、明神礁付近の変色域は噴火に拠る物と考えられると報告されました。
⇒気象庁の「火山現象に関する海上警報(船舶向け)では下記のベヨネーズ列岩に関する警報は24日1500に発表されていますが、明神礁については掲載されていません。「火山名:ベヨネース列岩 噴火警報, 北緯31度54.50分 東経140度 1.60分,海底噴火による影響が及ぶおそれ 周辺海域警戒」

Ongoing Activity

Agung | Bali (Indonesia) | 264020 | Elevation 2997 m
3月26日1009時に噴火が発生し火山灰を含む噴煙が少なくとも標高 3.6 km に達しました。警戒レベルは1-4段階の“3”に据え置きです。

Aira 桜島 | Kyushu (Japan) | 282080 | Elevation 1117 m
この間20回の噴火が南岳火口から発生し、その内の2回は爆発的噴火でした。1回目の爆発的噴火は3月21日0138時で噴煙は火口縁の上空 1 km に達し、3月26日0228時の爆発的噴火では噴煙は 2.8 km 上昇し、テフラは 900 m 上昇しました。

Dukono | Halmahera (Indonesia) | 268010 | Elevation 1229 m
3月21-25日の間火山灰を含む噴煙が高度 1.8 km に達していました。

Ebeko | Paramushir Island (Russia) | 290380 | Elevation 1103 m
3月18、21-22日に火山灰を含む噴煙が高度 1.8 km に達しました。

Kilauea | Hawaiian Islands (USA) | 332010 | Elevation 1222 m
⇒特段の活動状態の変化は無いようです。
https://volcanoes.usgs.gov/…/kil…/multimedia_chronology.html

Mayon | Luzon (Philippines) | 273030 | Elevation 2462 m
3月21-27日の間、重力による溶岩流の前進、火山ガスと水蒸気の噴出、岩屑雪崩等が続きました。3月23日の1039と2133時に火砕流が4-5km流下しました。

Popocatepetl | Mexico | 341090 | Elevation 5393 m
3月16日に航空機からの観測で小型のNp.78溶岩ドームの成長を確認しました。この溶岩ドームは直径50m、高さ30mで、火山ガスを噴出しているのが確認されました。21-27日の間は連日、20-233回の噴火が発生しました。

Sabancaya | Peru | 354006 | Elevation 5960 m
火山の活動度は前の週と変化無く、19-25日の間は連日17回の噴火が発生しています。亜硫酸ガスの噴出量は日量で5,180 トンでした。3月7日の0853時には火山灰を含む噴煙が3.5km上昇しました。

Sheveluch | Central Kamchatka (Russia) | 300270 | Elevation 3283 m
衛星画像で18-19日と21-22日に熱異常が観測されました。

諏訪之瀬島 | Ryukyu Islands (Japan) | 282030 | Elevation 796 m
22-23日と25-26日に噴火により噴煙が高度1.2-2.4 km まで達しました。

Turrialba | Costa Rica | 345070 | Elevation 3340 m
3月23日0605時に噴火が発生し、小規模の火山灰を含む噴煙が火口縁上空100 m まで上昇しました。

Villarrica | Chile | 357120 | Elevation 2847 m
時折、弱い火映が観測されますが活動は2017年12月中旬から低調な状態が続いています。
追加情報
秋田駒ヶ岳の火山活動解説資料が公表されていますので御案内します。
秋田駒ヶ岳の火山活動解説資料:3月28日1710
http://www.data.jma.go.jp/…/send…/18m03/201803281710_208.pdf
秋田駒ヶ岳ライブカメラ:国土交通省湯沢河川国道事務所
http://www.thr.mlit.go.jp/yuzawa/17_sabou/livecam/index.htm

ご紹介する火山画像は以下の通りです。
“Klychevskoy”,

“御嶽山”,

“薩摩硫黄島”,

“秋田駒ヶ岳(火山活動解説資料の抜粋)”

“諏訪瀬島”,

“霧島山系新燃岳”,

“霧島山系硫黄山”

以上

2018年3月25日日曜日

房総中部の鍵層実習(1)

「死都日本」のシンポジュームの頃からの御付き合いの“U”さんからお誘い頂いていた「茂原」周辺の火山灰鍵層の調査に、予定の三日間の内の最後の一日に同行させて頂いた。
 火山灰層は以前に取り組み掛けていた時期もあるが、手に負えなくて10年以上離れていたが、名も無い房総半島の凝灰岩質石材調査をやっている人間が鍵層を殆ど見ていないのでは情けないと思っていたので早速飛びついた次第。結果的に、“U”さんに全面的におんぶにだっこで、しかも私の体調を「忖度」して頂いて、道路脇の極めて好条件の露頭だけを御案内頂いて、露頭近くでのお昼まで御馳走になってしまった。
採取した広域火山灰層:鍵層サンプルを保存

最初の“Ks5, Ks6”露頭の遠景。カーブミラーの位置が“Ks6”

全コースと鍵層名。

鍵層の位置をGPSデータでプロットした例。

最初の鍵層“Ks5”は苔に覆われていたが“U”さんが成層済み。

鍵層の拡大図。

カーブミラー脇の高さの“Ks6”は 1 mm サイズのスコリアが点在。

ガラス質の鍵層“Ch2”の例。

洗浄前の鍵層“”内の黒雲母結晶(黒い六角形)これは飛騨山脈起源の貝塩上宝テフラ(KMT)に含まれている。画面幅は 3 mm。

この付近の鍵層については露頭位置も含めて 1/5万地質図「茂原」の73頁以降に記述が有るが、・・・地質図は下記にあります。
https://www.gsj.jp/…/50KGM/PDF/GSJ_MAP_G050_08077_2016_D.pdf
私の様に、「素人から始める鍵層テフラ実習」はあちこち見ないと地質図も読めないが、これからのんびり顕微鏡で観察の予定。九州の小林カルデラ起源のテフラでは、水洗いの上澄みの中にも顕微鏡サイズのガラス片が浮遊していて面白い。