2011年7月8日金曜日

房州石・古墳 (T-3) 補遺:磯根崎附近の地質

磯根崎附近の地質は、記号“Ksn”笠森層の長浜砂礫部層とその下に存在する“Kuc”国本層の砂質泥岩と泥質砂岩(凝灰岩を挟む)です。ブログでは、3月10日からスタートして、一時「東北太平洋沖地震」と津波の為に中断しましたが、31日まで合計14回の御案内でした。
笠森層は未固結の部分ですから、現在の岬附近の景観を作り出している部分ではありますが、この附近で穿孔貝の生痕化石が残る砂岩・泥岩を採掘したのであれば、国本層がその対象となって居たのでしょう。
波打ち際に板状に硬い層の岩塊が散在していたものがこれに相当します。
この地層の中には層厚17cmのヤヤ茶色に近いガラス質の鍵層:Ku6C が有ります。基本的には砂質の泥岩が中心の様で、地層の位置と言い穿孔貝が生痕を残し易い最適な地層かもしれません。尚、この鍵層:Ku6Cは九州北部の猪牟田カルデラを給源とする「猪牟田アズキテフラ」として有名なものだそうです。
猪牟田カルデラは地形的には現存していませんが、九重山北部の万年(ハネ)山付近に在った巨大噴火を起した火山で、大分県の名称耶馬渓の溶結凝灰岩を噴出したとされています。

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