2015年5月27日水曜日

鎌倉石 (21) 古刹 英勝寺あたり

 鎌倉駅から線路伝いに仮粧坂方面に向かうと古刹英勝寺に出会える。上の画像はその手前の鎌倉石の石垣。境内には美しい竹林があるのだが、竹林の奥にはこの様に真っ直ぐに切り立った崖が聳えている。 崖の表面には苔が生えているのでその素地は観察出来ない。
 崖は竹林の更に奥まで垂直にTSづいている。鎌倉は平野部が狭いので寺院では設立後に寺域を広げる為に崖を切りくず事も多いかもしれない。でも、寺を建立してからでは土砂の搬出に不便だし、建設が決まってからこれだけの(以前の地形が判らないが)土砂を搬出するのは工期上問題
がある。


 敷地の南側に四角く切り込んだ横穴が在り地層の素地がそのまま見えている場所がある。
斜交葉理が面白い。
 隅はキッチリ直角に切られているが、胎内潜りのトンネルも穿たれている。
 下は胎内潜りの部分。この部分は石切り跡では決してない。
 胎内潜りの出口側の直ぐ上にも垂直に切り立つ崖が見える。
 境内には箱根系の石材や芦野石も含まれて居るが鎌倉石も存在する。

2015年5月26日火曜日

鎌倉石 (20) 隠里稲荷 気になる風景

確たる証拠も何らかの文献もないのだが、鎌倉駅から北に線路沿いの道を仮粧坂方面に向かうと線路に面して目立たない御稲荷様が鎮座。これがその気になる風景。
特に、画面右手の道路面の低い凹みの部分だが、これは本来は石切り場の跡だったのでは無いだろうか?道路改良時に埋めたのではないか?
一度だけ、伊豆の下田でこれは案内者が先導して下さったので入れたが、この程度の高さで、幅は肩幅程度だったが、入口が殆ど這い蹲ってやっと入れる石切り跡に入った事が在る。内部は広い空間で石切の痕跡を十分に観察出来た。但し、出るのに堆積した土砂がゆるくて難渋した思い出がある。
 御稲荷様の祭られている壁は垂直に切られ、奥まった場所も角が綺麗に切り込まれている。
 砂質に軽石の礫が混じっている
 道路側はこの様に風化しているので木立の奥とは全く様子が異なる
 仮粧坂に向かう途中の石垣の例。勿論これも鎌倉石
 近くには風化で表面が剥がれて素地が見えている石垣もありました。

2015年5月25日月曜日

鎌倉石 (19) 鎌倉湖畔の石切場跡

今泉産の石材は藤沢市内でも数多く使われているらしのだが、実はその産出地が意外と判らない。一つには、石切場が地主からの借地で賄われているので、借地料が値上げされたら其処での石切を辞めなければならないという事情も有ったのかもしれない。
更に、地図を観ていると今泉は多くの大規模宅地開発が行われているので、遺構が既に消滅してしまっている事も在るのだろう。
資料整理の為に地理院のグリッドを使っていると、実に数多くの大規模住宅団地が造成されているのが判る。鎌倉湖(散在ヶ池)周辺は個人の私有地を提供して公園として整備されて運営されているのだが、此処に「石切場跡」と書かれた場所があるので訪ねてみた。
最初はバス停付近で見掛けたこの付近の地層露頭。充分に硬い地層のようだ。

 管理事務所から山側の散策路を通り南口に向かう途中の岩タバコが生える崖の様子。傾斜があるので違うかもしれないが角がきっちりと直角に切られているので或は石切場跡かもしれない。
 地山の状況が緑の苔に覆われて全く判らないので、散策路の目立たない場所を少しクリーニングして地山の状況を確認させて頂いた。横幅は9cm。目立たないので誰もクリーニングの後には気付かないと思うのでご勘弁を!
「散在ヶ石の採石跡」とされる崖の様子。砂泥互層だが泥岩と砂岩の強度が違い過ぎて差別浸食を受けており石切にはやや難がある様に思えるが崖に直接取りつくには手前の斜面の傾斜がきつくて仔細に調べる事無く、望遠レンズで痕跡を探すに留めてしまった。
 砂岩の部分にカッティングマークに見えない事も無い筋模様が見えるが泥岩側に全くそれらしき痕跡がみられない様に思う。砂質部のみを採掘するのでは余りに効率が悪い。この地層の様にやや硬めの泥岩部はノミや刃鶴の切削痕が残り易い筈なのだが、地元に伝承があるのかもしれない。


2015年5月24日日曜日

鎌倉石 (18)  和田塚の外構石組

和田塚「の石垣も鎌倉石で築かれている。

 かなり大きな軽石片を含む場合も有る。