2013年6月15日土曜日

大谷石の風化 (5)

この場所の大谷石は一見同じ石材が使われているのだが、もともとJIS規格で造られたものでは無い自然の産物だし、かなり広い面積の塀なので、風化の状況も様々な段階が観察出来る興味深い場所です。
画像はやや浅い溝の画像。溝の奥にはやや観ぢ蝋色の混じったものが見えています。恐らく、圧密された軽石のガラス分が緑泥石化したもので、これが粘土化して他の部分よりも早く洗い出されてしまっているのでしょう。

2013年6月14日金曜日

野蒜付近の地層断面

石巻市内の北上川に面した稲井地区で、関東地方でも古くから大型の石碑に数多く使われている「稲井石」の産地を見学。更に帰途に「松島石」或いは「野蒜石」の丁場跡を見学した。
画像は野蒜の裏手の山中の造成地区に現れた地層の断面。スケールにトラックの運転席を残したが、白い部分が「野蒜石」と同じ地層だと思われる。

稲井石と野蒜石については何れ画像をご紹介したいと考えて居る。
稲井石を昔採掘して居られた方にお会いして少しお話を聞く機会が得られたが、「千葉には貨車で随分送ったよ!」と語っておられた。まだまだ大型の石材が数多く得られている様だ。なにせ、産出する地層の分布が広い。

松島地域の地質図に拠ればこの付近は松島湾層群大塚層のシルト岩部層に相当する。8月24日から「宮城の石材」ラベルで露頭や石垣やその他の石材製品をご案内している。

2013年6月12日水曜日

大谷石の風化 (4)

風化の程度としてはこの程度が丁度少しだけ空洞化した部分が剥がれ落ちてフレッシュ(?)な部分に見えて居る、この深さを測れば軽石等の風化層の深さが判る事となる、
同じ石積みでもこの3枚は随分雰囲気が違いますね、

2013年6月11日火曜日

大谷石の風化 (3)

傘石の扁平な空洞が、気泡だと思われる方も居られると思うので、同じ場所の塀の一部をご覧頂きましょう。細かいところが良く判るように、石材の1/2程度の範囲を示しています。中央部はまだ表面が残っており、傘石と同様に扁平な空洞が見えています。両側は5-10mm程度剥離していますが、この部分には扁平な空洞らしきものは在りません。
空洞が表面のごく薄い範囲にしか形成されていない事がお判り頂けると思います、

2013年6月10日月曜日

大谷石の風化 (2)

大谷石の風化を取上げたのは、古い土木構造物や建築を観察する際に、様々な風化形態を示す石材に興味を抱いたからで、決して大谷石が風化し易い石材だ等と言う心算は無い。凝灰岩や砂岩石材は何れにせよ人間の人生程度の尺度と似た時間感覚(70-80年)で、風化を受けるものだと思う。勿論、全くその片鱗も見せない奴もあるのだが。

傘石と同じ場所で塀本体の石材も同じ様な風化を示すのだが、これはその中でもやや風化による溝の掘られ方が少ない表面の部分を拡大して観たもの。実は「溶結」とまでは行かないが、このケースでは「圧密」された部分が存在する。小生のブログの下記の頁を併せてご覧頂きたい。これとそっくりな構造が同じ一連の塀の中に綺麗に残っている部分も在るのです。
http://iwatotsuchi.blogspot.jp/2012/07/15.html

2013年6月9日日曜日

大谷石の風化 (1)

最近、画像のUP時にトラブルが多く、画像がUP出来ない事が多い。勝手に90°回転してしまうばかりならまだ良いのだが、縦横の比率が逆転して妙な圧縮された画像になってしまって、使い物にならないのだ。そろそろこのブログも容量の限界かもしれない。

先日、都電で、運転手の右後ろの席に座り、端から端まで通して1時間ほどの旅を楽しみ、在る地区に移動した。そこで出会ったのが長く続く大谷石の石塀だった。全てが同じで石材では無く、様々な風化を見せていて興味深くついつい、長居して180枚ほど大谷石の写真を撮影していた。
一番見て頂きたかった画像がどうしてもUP出来ずに、残念ながらスケールの無いこの画像からスタートとなってしまった。
多分、徳次郎付近に産出するのだろうこの石材の風化を追ってみた。
この画像は石塀の傘石の側面に出た模様高さで10cm程度かと思う。