2021年3月5日金曜日

宮崎県高原町の「シラスバルーン」

 ネット上で火山に興味を持つ方々の集まりが有って、私は「日本火山の会」と云う集まりに参加しているのだが、以前は「メーリングリスト」と云うもので情報交換をしていたが、それが様々なプロバイダーで廃止になり、ここ数年はFBやツイッターでの情報交換を行っている。その日本火山の会の代表のご努力で、日本地図上で火山にかかわる様々な画像が閲覧出来、またその画像の撮影地が辿れるようになっている。

最近、その情報の中に下の画像が位置情報と共にUPされた。我々は普段、火山ガラスの破片を観察する事が有るが、これは南九州の広い範囲に分布する「シラス」の中の、割れなかった独立気泡の火山ガラスなのです。採集地は宮崎県高原町。

この画像の撮影者とは、久しくお会いしていなかったのだが、これを機会にと連絡を取らせて頂き、暫く身辺のその後を語り合ったが、その際にお願いして幾つかの情報を頂いた。
下の画像はそのシラスバルーンをスケールを入れて撮影したもので、大きさは大体 1 mm 前後のものが大勢を占めている事が判る。まあ、大きなものだけを拾い出せたと云えるのかもしれない。
更に下の画像は、これを採取した「シラス」採掘場での露頭画像。雨などで水路を雨水が流れた後に、水路の両側に白っぽいものが付着している。この部分をえいやッと適当に救い上げ、バケツなどで水洗いをすれば、このシラスバルーンが浮いてくるので採取できるという次第。給源に近い場所だからこそ、得られる火山ガラスのサンプルだと思う。
尚、このシラスバルーンもどきは、工業的には、シラスの分級したものを加熱したり、黒曜石の砕いた粉末を加熱しても出来る。軽量コンクリートなどは、以前はこれを混ぜ込んんだり、気包材を混ぜこんだりして製造していた。
但し、ご自分で加熱して、作っ見よう等とは思わない方が良い。シラスにせよ、黒曜石にせよ、非常に小さなクラックが入っているので、加熱して膨張する際には必ず「弾ける」奴がいる。下手をして目に入るととんでもない事になるのでお止めなさい!