2021年4月18日日曜日

凝灰岩質石材の旅:No.122084-01:野田市の伊豆石と黒板塀に岩舟石も (2/2)

 所在地:野田市上花輪507:季節開館有料公開施設:上花輪歴史館

この建物の石塀の傍に別の石材が使われています。側溝とその縁石には栃木市の岩舟石が使われています。この石材は北関東の関東平野とその周辺の丘陵地帯との境目付近に分布する
岩舟町・真岡市・茂木町等で採掘された凝灰質の礫岩の仲間です。岩舟石は水に強いとの定評があり、渡良瀬までは軽便鉄道で、その後は船で利根川から江戸川が分岐している「関宿:せきやど」付近の「棒出し」等の水防施設に大量に使われました。岩舟石は特に基盤岩のチャートを多く含むので他の石材とは区分し易い特徴があります。
岩舟石のブロックは、道路の舗装部分と私有地の境界付近にもこの様に飛び飛びに置かれています。ここに車を止めないでね!と言うメッセージなのでしょう。
尚、花輪歴史館には広い駐車場があります。
道路脇の岩舟石を拡大して見ました。黒っぽいのは玄武岩質のものが多い様です。茂木まで行くと水冷されたガラス質の玄武岩が混じります。白いのはチャートです。ここでは角ばった「角礫」が目立ちますが、岩舟に行くと円礫もあります。火山活動が静かな時期に、丁度川が流れていたらしく、大きな円礫が混じる事が有ります。但し、円礫が目立つ石材は固結度がやや不足する事が多いので、採掘場でも掘り残されています。
岩舟石は工場内では水に触れる事の多い、この様な樽の礎石にも使われていた様です。この切り石を使う事で樽の足元が腐るのを防止できたのでしょう。
醤油の圧搾機の足元に置かれた岩舟石の用例です。
チャートは普通は不透明なものが多いのですが、火山噴火の影響を受けてやや透明感のあるチャートが含まれています。
岩舟石の切り石は、併設されていた工場部分にこの様に歴史資料の一部として保存されています。
隣接する学校との間に残された構堀の一部です。こんな狭い堀が運河迄繋がっていて、材料の搬入や製品の積み出しに用いられていた様です。展示には運河(水路)の利用状況を示す写真も有ります
佐渡の赤玉石です。越谷の黒板塀のお屋敷にもありましたね。
内部を見学する事は出来ませんが、キッコーマンの煉瓦蔵です。地図に黄緑の丸で囲んだ部分です。