2015年1月3日土曜日

西伊豆スカイラインからの達磨山火山と富士山

年末年始はここ数年の恒例行事に成ってしまった伊豆半島を中心とした凝灰岩露頭巡検等と言ってもカミサンとの二人旅ですがのんびり旅を楽しんで来ました。画像は西伊豆スカイラインから見た達磨山と富士山。
西伊豆の田比や口野付近の石丁場と、南の雲見付近の丁場に加えて、下田市内の幼稚園と八幡様に囲まれた丁場等を調べて歩きました。下田市内の丁場では観音崎砲台に用いられた貝殻の細片を含む凝灰質砂岩の露頭を確認しました。貝殻と共に含まれる細礫の状況から間違い無いと思われますが、一応採取して来た風化部の細礫を顕微鏡で比較し確認する予定です。

2014年12月29日月曜日

鵜原石・松部石 勝浦周辺の凝灰岩質石材 丁場 (3)


丁場を横から眺めた状態です。崖の高さはざっと20mはありそうです。この付近の鵜原石・松部石は、房総半島西岸、内房側の房州石とは実は大きな違いが有ります。それは。鵜原石や松部石は房州石と同様に後期中新世の堆積岩ですが、房州石ではこの様に堆積模様が並行ではありません。時には堆積模様は全く判らない程に様々な方向に筋目模様が走っています。房州石はダービダイトの様な海底混濁流の堆積物。こちらは静かな海の砂泥互層と言った雰囲気でしょうか?
泥分が多いので、勝浦の街中を観て回ると泥岩部分がひび割れて崩壊寸前の石垣等もあります。
鵜原石よりは松部石の方がやや強度が大きかった様です。

30日から1月1日までは静岡県を歩きますのでこのブログの更新はお休みします。

鵜原石・松部石 勝浦周辺の凝灰岩質石材 丁場 (2)

勝浦市鵜原海岸に千葉県立中央博物館の分館である「海の博物館」
があります。この海の博物館からトンネルを三か所ほど潜ってJR鵜原駅の方に南下した先を海の方に道をたどると、「鵜原理想郷」が有ります。付近はハイキングコースでもあり博物館で用意しているパンフレットに従って自然の風景を楽しみながら歩くとこの様な風景に辿り着きます。
この垂直に切り立つ崖は、かって鵜原の石材を切り出した後ですが、上総興津の付近から松部の海岸までの間に数か所の海岸で観察する事が出来ます。
丁場に下る路が無い訳ではありませんが、かなり切り立った場所を通るのでお勧め出来ません。
我々はガイドロープを降ろし下りましたのでその時の丁場の様子を数枚の画像でご案内しましょう。

2014年12月28日日曜日

松部石・鵜原石 勝浦周辺の凝灰岩質石材 石材 (1)

2012年に博物館の地学サークルの方々と勝浦の海岸線に残る松部石・鵜原石の丁場を歩く機会に恵まれた事が在った。以前から房州石を中心に、房総半島の歴史的石材につての丁場の探索から現存建築・構造物に使用された凝灰質石材を探索していたのでこれはこの地域の石材について学ぶ良い機会であった。ただ、当時は、古文献に記載された松部石の丁場が全て山側に在り、海岸線の丁場に関しては記述の確認が得られず、個人的には満足すべき調査結果を得られない状態でした。その後、様々な文献から、明治時代の現在の国道より山側の丁場については、この地域の大規模なリゾート開発により消滅してしまった事が具体的に確認出来ました。
その後、2014年に入り、2012年にその機会を造って下さった地学サークルの仲間からお誘いを頂いてその知人の鵜原海岸の砂の調査をお手伝いさせて頂いた折に、前回よりもう少し南の海岸の採石丁場をご案内頂く事が出来ました。この日の午後、小生は松部の周辺を歩き回り幾つかの新しい知見を得たので博物館への市民研究員としてのレポートをまとめる事が出来ました。
少し時間が経ってしまいましたが、暫くの間、この間の調査の内容をご案内してみようと考えました。第二回目の今日は鵜原石の石材の岩相を三種類ご覧に頂く事から始めます。