2018年10月5日金曜日

GVP 火山活動情報の概要:9月26日⇒10月2日;21火山

スミソニアン博物館が毎週金曜日の早朝に公表する世界各国の火山活動情報の概要です。
New Activity / Unrest
Kerinci  | Indonesia  | 261170 | Elevation 3800 m
9月28-30日と10月2日に噴煙が高度 4.3 km まで上昇しました。

Langila  | Papua New Guinea | 252010 | Elevation 1330 m
9月29日に噴煙が高度 2.4 km まで上昇しました。

Piton de la Fournaise  | Reunion Island (France)  | 233020 |  2632 m
この間も噴火活動は継続しており、火山性微動は安定しています。火砕丘は引き続き輝き、火砕丘の一つからはスパッターも噴出しています。溶岩流は火砕丘の南側からほぼ溶岩チューブを流れ下流に 150-200 m 流れ下っています。29日の野外調査で、火砕丘の麓から小さな溶岩流が流れ出しているのを確認しました。
Sarychev Peak  | Matua Island (Russia)  | 290240 |  1496 m
22日に熱異常が観測され、航空カラーコードは「オレンジ」

Semisopochnoi  | United States  | 311060 |  1221 m
9月19-25日の間、地震活動は増加したまま推移し、連続した活動と瞬間的な活動を繰り返しています。21日と22日の火山性微動の火山性微動の際には“Adak”島の観測設備で空振を観測していますが、雲が低く垂れこめているので噴煙は観測されていません。航空カラーコードは「イエロー」。

Soputan  | Sulawesi (Indonesia)  | 266030 | Elevation 1785 m
10月2日に地震活動が強まり、噴火と岩屑雪崩が発生している事が想定されました。火山性微動は9月から、岩屑雪崩は7月から始まっていました。“RSAM”値は上昇し火山性微動も増加し、熱画像では山頂火口付近で熱異常が観測されており、溶岩の存在が想定されていました。警戒レベルは10月3日に“1-4”段階の“3”に引き上げられ、西南西方向の 6.5 km と火口から半径 4 km 以内の立ち入りは禁止です。10月3日の0847時に始まった噴火では、濃密な火山灰を含む噴煙が山頂から 4 km 上昇しました。地震波形から噴火は6分後に終わりました。この日のその後の三回の噴火では、噴煙が火口縁の上空  2 km, 2.5 km , and 5 km 上昇しました。山頂部の熱異常は急激に増加し、山頂火口から噴石が富んでいる事が想定されました。岩屑雪崩は北東側山腹を 2.5 km 流れ下りました。
⇒地震との関係を取り沙汰する様な報道がありましたが、地震の前から活発化していた野が実態ですね。

Veniaminof  | United States  | 312070 |  2507 m
噴火活動はこの間も継続しており夜間にはウエブカメラで火映が観測されています。噴煙は視界が良いと観測されます。26日には溶岩流を生じている噴火口の北側 75 m にある火口からの溶岩噴泉がウエブカメラで観測されました。少量の火山灰を伴う溶岩噴泉は高度 km に達し急速に拡散します。溶岩流は10月1日には山頂の火砕丘から南側の山腹を 1 km 下っています。航空カラーコードは「オレンジ」

Ongoing Activity
Aira 桜島 | Kyushu (Japan)  | 280080 |  1117 m
この間は時折、小さな噴火が南岳火口で発生し、噴煙は火口縁の上空 400 m まで上昇しています。警戒レベルは“5”段階の“3”

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 |  1229 m
この期間中、噴煙は高度 1.8-2.1 km まで上昇していました。

Ebeko  | Paramushir Island (Russia)  | 290380  |  1103 m
21-24日の間は噴煙を高度 4 km まで噴出していました。航空カラーコードは「オレンジ」

Etna  | Sicily (Italy)  | 211060 | Elevation 3295 m
9月24-30日の間、山頂火口での火山ガスの噴出と突発的なストロンボリ式噴火が“Bocca Nuova, Northeast Crater (NEC), and New Southeast Crater (NSEC)”火口で発生していました。“N vent in Bocca Nuova (BN-1)”からのストロンボリ式噴火では白熱岩塊を火口縁より高く吹きあげました。“BN-2”は爆発で深い火口を生じていますが噴火は観測されていません。10月1日に、前の週から噴気が発生していた位置で新しい火山ガスを噴出する温度の高い火口が記録されました。“NSEC”火口からは時折白熱岩塊が噴出しています。火口内の東側で、2016年に形成された“ Voragine Crater”火口からの火山ガスの噴出が増加しています。“NEC”火口からは頻繁に灰褐色の火山灰と岩塊や火山弾を噴出しています。

Ibu  | Halmahera (Indonesia)  | 268030 | Elevation 1325 m
9月28と30日に、噴煙が高度 1.8 km まで広がりました。

Kadovar  | Papua New Guinea  | 251002 | Elevation 365 m
28日に噴煙が高度 2.1 km まで、10月1日には 2.7 km まで上昇しました。

Karymsky  | Eastern Kamchatka (Russia)  | 300130 |  1513 m
22-24日の間熱異常が観測され、22-23日には噴煙が東に 365 km まで広がった事が観測されました。航空カラーコードは「オレンジ」

Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | 332010 |  1222 m
この期間中、特段の変化は生じていません。航空カラーコードは「オレンジ」
⇒最近はHPの更新もめっきり少ないですね。

Krakatau  | Indonesia  | 262000 |  813 m
9月25日から10月2日の間、噴煙は高度 1.2-2.1 km まで上昇していました。警戒レベルはに“1-4”段階の“2”

Manam  | Papua New Guinea  | 251020 |  1807 m
9月20日から10月1日の間、ペレーの毛髪を含む灰褐色の火山灰が南岳火口から発生していました。活動が活発だったのは9月24日までで火山灰を噴出し鳴動音が聞かれました。最も活動が強かったのは9月24碑でした。10月1日の噴火活動は、1215時に急激に収まりました。噴煙は少なくとも火口縁から数百 m まで噴出していましたが暗くなって見えなくなりました。夜間には南南西に 22 km 離れた地域からも明るい火映が遠望されました。

Merapi  | Central Java (Indonesia)  | 263250 |  2910 m
21-27日の間は山頂火口内の新しい溶岩ドームはゆっくりとした成長を続け、27日にはその容積は 129,000 m^3まで成長し、前の週よりはやや遅い日量で 1,000 m^3の成長速度です。白い噴気が山頂から最大 450 m まで上昇し、警戒レベルはに“1-4”段階の“2”

Sabancaya  | Peru  | 354006 |  5960 m
9月24-30日の間は連日平均21回の爆発が発生していました。噴煙は火口縁の上空 3.7 km まで上昇しました。亜硫酸ガスの噴出s量は9月29日の観測で、日量 3,250 トンでした。
Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | 300270 |  3283 m
熱異常が20,23,27日に観測されましたが、その他の日は天候が悪く観測出来ませんでした。航空カラーコードは「オレンジ」
Turrialba  | Costa Rica  | 345070 | Elevation 3340 m
27日の噴火では噴煙が火口縁の上空 200 m まで、30日から10月1日までは噴煙が同じく 500 m まで上昇しました。
以上

2018年10月3日水曜日

台風の過ぎた「杉戸町」で

自分では納得出来ても、他の人に説明するには拙いな。と云う岩石の観察写真が時々有る。以前作成した観察資料集を整理していると杉戸町の一角で少なくとも明治か江戸時代からのものと言われる建物が有って、以前写したその建物の礎石の画像は小さなゴミだらけで、自分ではその奥に有る石材の判別は着くが他人にはごみの塊にしか見えないと思った。観察記録もかなりの件数が溜まったので、観察条件の悪いものは除外する事にしたが、なんとなく気になって、他にも写しておきたい画像が有って、昼からの勤務を良い事に午前中に杉戸町まで出掛けてしまった。
件の建物は、恐らく先日の台風の暴風雨で、礎石の部分がかなり洗われていて、前回は気付かなかった緑色凝灰岩まで良く見える様になって居た。序に、ご近所の渡辺金物店さんの門柱の束石は、埃が綺麗に払われて、石材が石灰質だった事が明瞭になった。今日は意外とよい観察日和だった。

前回はゴミと埃で観察出来なかった場所が綺麗に現われて緑色凝灰岩が礎石に使われているのが判明

石灰質凝灰岩の存在は判っていたがこれもゴミだらけだったのが綺麗になっていたのと、石灰質凝灰岩が地中の礎石でその上に緑色凝灰岩が乗っている事が判明。



愛宕神社で、本殿脇の石碑を見ると二体共に明治33年の改修になっていた。調べて見ると明治29(1896)年に、7月下旬と9月下旬に利根川下流域で水害が有ったとの事。7月の水害は東京の本所・深川までも大きな被害だった事が判った。明治の年号の緑色岩が気になって気が着いた。石材は緑色片岩と本小松石(箱根溶岩)

旧日光街道から少し入った場所の「宝性院」前の青面金剛は、延宝八庚申天(1680)の造立。安山岩の流理模様が面白い効果を出している気がする。



日光街道に面した旧「渡辺金物店」さん(営業はしていない)の昔はトロッコが走ったらしい門柱の束石は緑色凝灰岩だとは判っていたが、あばたにえくぼの石材の表面を接写してみると、これも石灰質の凝灰岩だと判明。





日光街道に面した「渡辺勘左衛門」邸の街道に面した石塀は美しい伊豆の凝灰岩で築かれている。殆どは細粒の描く模様なのだが、特徴のある岩塊が密集しているので、これは下田市の敷根で私が奈落の底に吸い込まれそうになった地下の採掘場のものだと判る。