2015年3月24日火曜日

黒色スコリア質凝灰岩石材 (4) 走水-2

走水砲台の全景です
砂浜から見た上図の石積です。黒色スコリア質凝灰岩も多いのですが、赤茶系の三浦半島に多く分布する砂質凝灰岩も多く使われています。
現在は公園に成っている部分の海岸側は直線部分であり、この部分は黒色スコリア質凝灰岩が多いのですが、三浦半島に多く分布する赤茶系の砂質凝灰岩がかなりの比率で用いられています。下の画像は護岸に使われた新小松石のブロックですが、この2個だけが他のブロックよりもかなり厚みが薄くなってしまっています。初めからそのような石組をする必要はないので、恐らく塩害風化でこの様に減ってしまったものと思われます。「溶岩」でも凝灰岩よりは風化し易い石材も存在するのです。
 砲台が置かれたのは恐らくこの小丘の上なのでしょう。私は砲台には興味が無いので上には登りませんでした。

2015年3月23日月曜日

黒色スコリア質凝灰岩質石材 (3) 走水

走水小学校の南の海岸に少し突き出した岬が在り、この小丘の上にも砲台が築かれた様です。海岸線をたどって岬の方に行くと最初は新小松石の護岸が続いていますが、岬付近まで行くと随分手抜き風の護岸が始まります。なんだかその付近から拾ってきた石材の様な雰囲気です。
尤も、それも途中から黒色スコリア質凝灰岩のきちんと積んだ護岸に代わります。ここでも波浪の影響が有るだろう場所に黒色スコリアの石材が使われています。

 尚、海岸には土丹を採掘した様な形状が数か所に見られると共に、干潮時の波打ち際には、ほぼ四角い(角は取れているが)雰囲気の土丹岩片に海藻が生えたものが散乱している様に見えます。あるいは黒色スコリアもこの海岸から採掘したのかもしれません。


2015年3月22日日曜日

黒色スコリア質凝灰岩石材 (2) 猿島

横須賀の埠頭から船が出ている猿島は、旧要塞地域ですが、ここの海岸にも粗い黒色スコリア質凝灰岩が海岸の護岸に使われて居ます。
 ここは崩落していますが、波浪がかかるだろう下の方は黒色の粗いスコリアが目立つ石材が使われています。スコリア質凝灰岩は隙間が大きく、凍結や塩害風化には弱いと思って居ましたが、意外な使われ方でした。

黒色スコリア質凝灰岩石材 (1)

三浦半島の海岸線を中心に凝灰岩質石材の調査の為に集中的に歩いてみました。この中で一つ気付いた事があるのですが、三浦半島では、様々な海岸沿いの施設の護岸に黒色スコリア質石材が使われている事でした。勿論、房総半島にもスコリアの厚い堆積層は存在しますし、これを用いた護岸が無い訳ではありませんが、それは在ったとしてもどちらかと言うと石工が関わった様な様な仕事では無く、素人が片手間に築いた様な護岸が殆どでした。
下図は、佐島漁港と天神島を結ぶ「天神橋」の佐島側の護岸の状況です。
一般の石材市場には殆ど出回っていなかっただろうと思追われる真っ黒なスコリアばかりの石材が護岸に使われていました。3枚目の画像は2枚目の一部分を抜粋したもので表面の粗さが判ると思います。良く見るとやや白い部分も在り火山灰か軽石が少し含まれているのかもしれません。