2017年6月2日金曜日

GVP 火山活動情報の概要:5月24日⇒5月30日:21火山

GVPの火山活動情報の概要をご案内します。
New Activity/Unrest
Poas  | Costa Rica  | 345040 | Elevation 2708 m
523-30日の間火山性微動の強度は幅広く変動し、しばしば強大な水蒸気、火山ガス等の噴出と同期していました。25-26日には火山周辺の地域から降灰の報告が有りました。27-30日の間は、小さな火山性地震と小さな水蒸気爆発が時折記録されています。
 
Rincon de la Vieja  | Costa Rica  | 345020 | Elevation 1916 m
523日の1020時に、小さな水蒸気爆発が火口湖で発生し、小型のラハールが火口から北側の山腹へ流れました。
  
Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | 300270 | Elevation 3283 m
523-25日の間、強力な爆発が発生し火山灰を含む噴煙が高度8 km に達し様々な方角に715 km まで広がりました。25日の0830時の爆発的噴火では火山灰を含む噴煙は高度 3-10 km まで上昇し北東に16 km まで広がりました。航空カラーコードはレッドに引き上げられました。爆発の30分後には火山灰を含む噴煙が東北東に45 km まで広がっている事が衛星画像で捉えられました。膨大な量の水蒸気と火山ガスの噴気が溶岩ドームから立ち上っています。航空カラーコードはオレンジに引き下げられましたが、その後も火山灰を含む不燃は東に82 km まで伸びていました。
517日にNASAEarth Observatory に降灰の模様を撮影した衛星画像が掲載されています。
 
Ongoing Activity

Aira:桜島  | Kyushu (Japan)  | 282080 | Elevation 1117 m
気象庁の「噴火に関する火山観測報」を参照下さい。
  
Bezymianny  | Central Kamchatka (Russia)  | 300250 | Elevation 2882 m
39日の爆発的噴火と溶岩ドーム山腹への溶岩の流出後、火山活動は収まっています。火山ガスと水蒸気の噴出と衛星画像により、熱異常は継続しています。航空カラーコードはイエローに引き下げられました。

Bogoslof  | Fox Islands (USA)  | 311300 | Elevation 150 m
281416時に噴火が発生し航空カラーコードはレッドに引き上げられました。航空機のパイロット或いは衛星画像では火山灰を含む噴煙は少なくとも10.7 km から恐らく13.7 km まで上昇したものと思われます。Unalaska Island島の観測員からの報告では、巨大な白色~灰色のマッシュルーム型の噴煙がBogoslofから立ち上り西側に降灰をもたらしたとされています。噴火は50分間継続しました。29日にも火山灰を含む噴煙は北東に広がっていましたが、地震活動や空振計では活動を捉えられず、衛星画像でも同様です。カラーコードはオレンジに引き下がられました。
⇒噴煙画像はFBでは既にご紹介済ですが、下記AVOの画像サイトにあります。
 

Cleveland  | Chuginadak Island (USA)  | 311240 | Elevation 1730 m
この期間には水蒸気の噴気は認められるものの、特段の火山活動は観測されていません。カラーコードはオレンジを維持しています。
  
Colima  | Mexico  | 341040 | Elevation 3850 m
この期間に、36回の高周波地震、20回の長周波地震、2.6時間の火山性微動、12回の地滑りと3回の小さな噴火が記録されました。523日には亜硫酸ガスの濃度は検出限界(8.6 tons/day)を下回りました。ごく短時間の弱い火山活動が24日に観測されました。
  
Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 | Elevation 1229 m
衛星画像等のデータ解析から524-30日に火山灰を含む噴煙が高度2.1 km まで上昇し様々な方角に広がり、27日には西に230 km まで広がりました。
  
Ebeko  | Paramushir Island (Russia)  | 290380 | Elevation 1103 m
523-24日に火山から東に7km離れたSevero-Kurilsk (Paramushir Island)の住民が噴火を確認しました。カラーコードはオレンジです。
  
Fuego  | Guatemala  | 342090 | Elevation 3763 m
523日に直径2mの岩塊や樹幹や枝を伴う高温のラハールが西側の谷を下りました。ラハールは幅10m、厚さは1mありました。
27にも同様に幅30m、厚さ2mの硫黄臭を伴う高温のラハールが発生しました。
24-25日と27-30日には、火山灰の噴煙が火口上空950mに達する爆発を起こし、西側に12kmまで広がりました。降灰は以下の様々な地域にありました:
Panimaché I and II (8 km SW), Morelia (9 km SW), Santa Sofía (12 km SW), Los Yucales, El Porvenir, and Sangre de Cristo (8 km WSW).白熱岩塊が火口から250mの高さまで放出され、岩屑雪崩を引き起こしました。
  
Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | 332010 | Elevation 1222 m
⇒活動状況に特段の変化は無く、相変わらず活発な活動を続けています。FBでは時折御案内していますが、下記に最近の画像があります。
  

Klyuchevskoy  | Central Kamchatka (Russia)  | 300260 | Elevation 4754 m
522日と25日に弱い熱異常が衛星画像で引き続き観測されています。しばしば悪天候で目視観測が阻まれています。カラーコードはオレンジです。
  
Langila  | New Britain (Papua New Guinea)  | 252010 | Elevation 1330 m
衛星画像等のデータ解析から524-27日に火山灰を含む噴煙が高度2.1-3 kmに達し、西よりの方角に75-85 kmまで広がった事が報告されました。
  
Manam  | Papua New Guinea  | 251020 | Elevation 1807 m
513-14日と18日にストロンボリ式噴火が起こり、溶岩流が南西側の谷を下りました。溶岩流は13-14日の内に高度差180-220 m を流れ下りましたが18日には劇的に小さくなりました。13-26日の間は活動は低調で、15-18日は噴煙が上昇しました。主火口は極めて静かで警戒レベルをグリーンに引き下げます。
  
Nevado del Ruiz  | Colombia  | 351020 | Elevation 5279 m
529日の1343-190時の間に溶岩ドームの成長を示すらしい5回のドラムビートの様な地震が記録されました。大量の水蒸気が相変わらず放出されています。27日には火山ガス、水蒸気に火山灰を含む噴煙は火口縁の上空880mに達しました。28日には熱異常が観測されカラーコードはイエローを維持しています。
  
Pacaya  | Guatemala  | 342110 | Elevation 2552 m
527-28日に火口部の火映と小さなストロンボリ式噴火が観測されました。
  
Sabancaya  | Peru  | 354006 | Elevation 5967 m
522-28日の間の活動は少しだけ前の週よりも活発化しました。一日当たりの噴火回数は41回を数えました。火山ガスと火山灰を含む噴煙は火口縁の上空2.8kmに達し東寄りの方角に30km以上まで広がりました。
FBでは既にご案内済ですが、NASA EarthObservatory に、噴煙の状態を記録したこの火山の衛星画像が掲載されました。
  
Santa Maria  | Guatemala  |  | Elevation 3745 m
524-25日に溶岩ドームからの岩屑雪崩が山腹を下りました。27-30日には弱い爆発が発生し、火山灰を伴う噴煙は600-700m上昇し、降灰は南側の“モンテカルロ”から報告されました。
  
Sinabung  | Indonesia  | 261080 | Elevation 2460 m
524-29日の間火山灰を伴う噴煙は高度 3.7-5.8 km に達し様々な方角に広がった事が報告されました。
  
Turrialba  | Costa Rica  | 345070 | Elevation 3340 m
523-30日の間、地震活動は大きく変動している状態でした。24-26日の間は突発的な火山灰の噴出は火口上空500mに達しました。26-27日の噴火で生じた噴煙は火口上空500m以上まで上昇し、噴石を高さ200m、距離は100m以上まで噴出しました。27-29日の爆発では噴煙は300-500m上昇しました。

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秋田駒ヶ岳の火山活動解説資料が528日に公表されています。
霧島山(新燃岳)の火山活動解説資料が526日に公表されています。

2017年5月31日水曜日

白い凝灰岩の中の小さな変形像:明鐘崎で

悪天候で延期された博物館の地質観察会が27日に富津市の明鐘(みょうがね)崎で好天に恵まれて開催された。明鐘崎と聞いても御存じない方々が多いだろうが、私は入った事も無いが、吉永小百合さんの映画の喫茶店の辺りと云えばお判りだろうと思う。
ここでは多数の広域テフラが観察されるのだが、今回は参加者数が日程変更で半分位に少なくなってしまったので、交通整理要員としてのボランティアの私は少し気が楽になり、久し振りに凝灰岩の中の微小変形を求めて写しまくる好機に恵まれた次第。かなりマニアックな世界だが、特に白いガラス質凝灰岩の中にゴマシオを降らした地層の小さな美しい変形の画像をご紹介。

最初の画像は参加者の皆さんに向斜軸上に陣取って頂いて大きな風景の中の地層の傾きを取り込んだ記念写真。参加者の御顔はブラシでぼかしを入れさせて頂いた。画像の左右で地層の傾きが向き合っているのがお判りかな?