2012年9月15日土曜日

伊豆石 下田市街 (5)

殆ど砂岩の様な雰囲気の伊豆石もあります。それでも斜交葉理の様な、あるいは海底土石流の細粒分だけなのか、作り上げた石材の石目模様は素敵です。
この壁の石材の中から2枚を更に細かく見て頂きましょう。斜めの堆積構造が微妙に角度が変わったり、偽礫が含まれたり・・・。
表面を粗く仕上げてなければもっと構造が見易いかもしれませんが、
それでも、選択的に風化されていく経過が興味深いですね。
尚、此処には実際に組立られている上下関係で画像を示していますが、それが自然状態での堆積方向と一致するとは限らないので御注意を!



2012年9月14日金曜日

伊豆石 下田市街 (4)

駐車場の奥にこんな美しい石材が使われていました。恐らく当初から塀として建てられたのだと思いますが、敷地の全体を囲っていた訳ではありません。

2012年9月13日木曜日

伊豆石 下田市街 (3)

街中の路地を歩くと、様々な伊豆石に出会う事が出来ます。これは大きな軽石が含まれて居て、周囲はかなり補修されています。軽石の大きなものが含まれて居るとやはり強度が低いのでしょうね。でも、ここでは大谷石と異なり、軽石が「ミソ」化していません。この様に真っ白なままです。
横須賀の街中でも大きな軽石を含んだ石材を間知石として使った例をみましたが、ここと同様に白く残って居ました。何がどう異なるのか?興味深いですね!

2012年9月12日水曜日

伊豆石 下田市街 (2)

前の画像の一部を抜粋して拡大しご覧頂きます。表面の仕上げは粗いですが、非常に繊細な堆積構造が見えています。大正年間の建築だそうですが、前の画像は、壁全体の1/4程度でしょうか?ご主人は特にこちらの面に使われた伊豆石がご自慢の様でした。私もこの面に表れている石材の模様に惹かれます。
これを観て居ると、足利の病院の塀に使われた石材は、房州石では無くて伊豆石かもしれないと思い始めました。石材の表面の仕上げにより印象は大きく変わりますが、白とグレーの細かい粒子で構成されたこの石目は足利の石材にとてもよく似ている様に思います。

2012年9月11日火曜日

伊豆石 下田市街 (1)


下田市内には数奥の伊豆石構造物が在る。民家の礎石や、駐車場の片隅に残った塀、上半分はなまこ壁の石蔵や、下田ロードの一角に新しく設置されたトイレスペースの囲い、川沿いの一角の蔵や屋敷の壁等。此処に掲げた壁は以前は貝の仲買をしておられたのだろうか、お店の壁である。
伊豆石については、既に同じラベルで19枚の画像をご案内しているが、残念ながら代表名の伊豆石以上に細かな分類が全く判っていない。丁場の名称などは100ヶ所程もおぼろげながら把握しているのだが、名前と石目の照合が全く出来ないでいる。
先日、下田市内の巡検の際に、古い建物を回って撮影した様々な石目の画像をご案内したい。
一部、海岸で見掛けた採石場跡地も

2012年9月10日月曜日

房州石・売津石 (20) 瀧の谷の石材

崖が急で近寄れなかったので、片手で撮影した古い丁場跡の横に在った風化面です。
斜交葉理が所々に見えます、これで貝殻が沢山在れば「貝殻目」採掘跡確認となるのですが、それほど貝砂は多くは無さそうです。
房州石・売津石の丁場跡の画像はここで一端終わります。

明日からは下田の街の中の「伊豆石」の画像を見ながら、房州石と伊豆石の相違点や類似点を観て行きたいと考えて居ます。伊豆石については既に「房州石と伊豆石」のラベルで、伊豆急下田駅近くの「南豆製氷所」の画像をご案内しています。これは伊豆石と房州石が非常によく似た例です。明日からの画像は、同じ下田市内で実に様々な顔をご案内します。
静岡の観察ポイントのラベルも少し整理する必要が有りそうです。

2012年9月9日日曜日

房州石・売津石 (19) 瀧の谷の石材


先日、売津・瀧の谷丁場からサンプリングして来た石材。大体1.5倍程度の拡大画像になっていると思う。顕著な級化構造が観察される。貝殻片は期待した程には多くは無い。見た目以上に軽石の部分は多い事が、清掃時に剥離した砂や岩片の観察から理解される。
とは言いながらも残念ながら、まだ、含まれて居る鉱物の詳しい観察までは手が回っていないので、来週にもう少し作業を進めたい。少しばかり、サンプルが大き過ぎて、実体顕微鏡で焦点が合う範囲には収まらないのでもう少し表面を削ってみようと考えて居る。
尚、これは洗浄後で乾燥が終わっていないので、乾燥出来れば少し色合いが変化すると思う。

横方向が丁度1回の堆積輪廻に相当する雰囲気である。やはり、細砂だけの部分は固結度が低い。神田橋の北側の旧富津市役所に向かう坂の入口に、これと良く似た石材が使われていて、やはり砂の部分が風化して細くなっている。

今日は東京地学協会の下田での地質観察会が開催される。そろそろ出掛ける時間だ。テーマは海底火山の痕跡なので、凝灰岩にも出会えるだろう事を楽しみにしている。