2012年8月25日土曜日

房州石・売津石 (6) 垂直の壁


地下の採掘場を出ると垂直に切り立つ採掘跡が現れた。途中に丁場の屋号が薄らと見える。
元の画像を最大限に拡大して、地表から最上段付近まで一体何段採掘したのだろうかと数えてみると120段程であった。一段を30cmと仮定すると(33~35cmだと思う)およそ36mの断崖と言う事になる。でっかいスズメ蜂の巣が見えますね!

今日、8月25日に再び「売津古道を復活させる会」の椎熊様と織本様に案内して頂き、今回は「瀧ノ谷:たきのやつ」の丁場に入ります。
此処はかなり広い(子供の野球が出来るほどの)丁場である事が知られているのと、貝砂(貝殻の細片が含まれた砂)を含む石材が在るのではないかと言う二つの興味があります。
比較的薄い、他の石材に比べると白いと言うような茶系の貝砂を含む石材が、神社や民家の礎石と木造部の間に一段だけ使われているケースを良く見掛けます。中には蔵や黒塀や煉瓦塀の礎石と上物との間にも使われているので、産地が知りたいと思って居ます。この「瀧ノ谷丁場」は、「貝殻目」石材が採掘されていた事が判っているので、どの程度貝殻が入っているのか、これまで観て来た貝殻の入った石材と同じか異なるのか?確認したいと考えて居ます。

2012年8月24日金曜日

房州石・売津石 (5) 坑内掘り

奥の明かりが見えた部分から外を除くとこの様に土砂が流れ込んでいます。勿論この外も丁場が続いています。流れ込んだ土砂は切りのこされた採石場の壁が崩落したものか?この外側の採石時に「ズリ」を処分に困って投入したものかは不明です。

2012年8月23日木曜日

房州石・売津石 (4) 坑内掘り

入口がかなり埋もれてしまっている丁場。奥の方にコウモリが集団で営巣していたのに、所構わず私がフラッシュを焚くものだから、コウモリが飛び始めてしまった。此処にも1匹。コウモリは1「羽」なのだろうか?「匹」で良いのかな?
ここも地層の傾きと採掘面のツルハシの跡がはっきりと残っています。足元はしっかりしています。奥の方にも開口部があるので、内部は比較的明るい状態です。土砂で埋もれた高さは判りませんが、殆ど開口していない部分も有るので2-3mは少なくとも埋もれて居そうです。それより低い部分は排水処理が難しいのではないかと思われます。

2012年8月22日水曜日

房州石・売津石 (3) 売津古道の石垣

売津古道を進むと房州石で造られた苔むした石垣が現れます。「売津古道を復活させる会」の皆様の整備のお蔭でこの石垣沿いに歩けるようになっています。畑を挟んだ反対側には、山側の堰からの灌漑用水路も地元で採掘された房州石を使って整備されています。
ハンマー7はスケール代わりに使ったもので、柄の長さは32cmです。

2012年8月21日火曜日

房州石 売津石 (2)

さて、今日から暫くは房州石の中でも大きな生産量を誇った天神山売津地区の採石場跡地をご案内します。この地域には、売津,居作越え,瀧の谷(たきのやつ),相川等に 45か所の丁場が在ったと記録が残っています。
湊川から少し入った丘陵地の先端付近からこの様に採石場跡地が始まっている。
梯子のかかった部分は下に掘り進んでいてかなり奥が深いらしい。入口はやや狭いのだが、奥はこの様にかなり広いのは、採石を始めた当初に表面近くが風化していたためかもしれませんね。

2012年8月20日月曜日

ミュージアム鉱研 (1) パイライト

ミュージアム鉱研 地球の宝石箱:塩尻市
http://www.koken-boring.co.jp/jwlbox/
例年8月には長野県を訪ねる事にしている。小川村での所要を済ませ、白馬村の松川河畔に近い倉下の湯でのんびりひと時を過ごす。今年は松川の河原で蛇紋岩を一個だけ採集。夕方は松本城の石垣をチェックし、二日目にこのミュージアムを見学させて頂いた。沢山の観察画像を撮影させて頂いた中で甲乙付け難いがこのパイライト(黄鉄鉱)の結晶が美しいと思った次第。
鉱研鉱業にとってはお付き合いの深いペルー,サンタルイサ鉱山から。スケールは無いが結構小さな部分です。カメラはSONY SLT-A55V ,レンズはDT2.8/30MACRO SAM,1/50s,f/2.8,2.31MB⇒トリミング(画面幅にして50%)とサイズ調整で155KBにサイズダウンしている。
陳列ケースの中の鉱物は拡大撮影が結構難しいが、これは手持ち撮影ながら丁度焦点が旨く在ったようだ。1時間半程度の短い滞在時間だったが、再訪したい場所。お勧めの施設です。
昔の話だが、ほんの少しだけこの企業(当時は鉱研試錐工業(株)だった)と仕事のお付き合いをっさせて頂いた時期が在った。

余談ながらデジカメを使い始めて撮り溜めた画像が、7年で100GBに達した。枚数で約5万枚。最初の頃の画像は“1600x1200”ピクセルで500KB程度だったのが最近は“3568x2368”ピクセルでデータ量が小さいものでも2MB~6MB程度になっているから隔世の感がありますね。
薄れつつある記憶を最大限に撮影データに移譲して、これからも興味深い事を画像に残して振り返る手掛かりにしたいものです。