2012年7月21日土曜日

上総湊・売津の房州石採石丁場を歩く

8月21日からこの画像の続きとして売津の採石場跡地や古道、そして街中の房州石の風景をまとめてご紹介します。(8月17日追記)

国会議事堂を建築する際に、全国各地の石材を調査し、臨時議院建築局編纂の「本邦産建築石材」と言う本文272頁と図録を含む書籍が大正十年に発行されていた事を御存じだろうか?
この中には多くの凝灰岩石材についての記述があり、房州石(天神山)の項に「賣津丁場」が海良(かいらく)、不入斗と共に記載されている。この付近には31か所の採石丁場が存在していた事がこの書籍から読み取れます。地形図には山の名前が記載されていないが現材の「売津」の南の標高118.9mの妙見様周辺が、この売津の丁場群が存在していた地域です。
今日、「売津古道を復活させる会」の織本様と椎熊様にご案内頂き、この山中の数か所の丁場を見学させて頂く機会に恵まれました。
画像は湊川左岸の国道に近い切通しの垂直に立った崖の部分。海良側の採石場に近い。
現在、大谷石のご案内をさせて頂いて居ますが、これが一段落し次第、この丁場見学の際の画像をご紹介したいと考えて居ます。
上総湊の売津地区では、湊川左岸にヒマワリ3万本を植えておられます。その一部は咲き始めていますが、これらが咲きそろうと壮観だろうと思います。房州石と相まって美しい街です。

大谷石・旧富屋村徳次郎 (10)

徳次郎には多くの細工師達も居られたと聞きます。画面右手の茶色っぽいものは私が何時も使っている木製の150㎜のスケールです。旧富屋村役場前の門柱に使われたのと同系の、ミソの無い材料が使われて綺麗な細工が施されています。

2012年7月20日金曜日

大谷石・旧富屋村徳次郎 (9)

凹凸の形状が面白いので敢えて斜めから撮影していますが、これも大谷石です。多分、焼いたのではないかと思いお住まいの方にお聞きしてみましたが、残念ながら判りませんでした。那須の芦野石の赤い石材は炉で焼いていますので、似たようなものだと思いますが、これも中々の味を出しています。芦野石の赤目については下記を参照下さい。
http://iwatotsuchi.blogspot.jp/2012/05/blog-post_9466.html
栃木市の巴波川に近いビルの外壁に、大谷石の表面が溶けた様な雰囲気のものが在りましたが、これはもともとの緑色に近い色調でした。還元炉で焼いたのでしょう。益子焼の釉薬にグリーンタフの仲間の「芦沼石」を砕いて使っているそうなので、同じ要領なのでしょう。温度や酸化・還元状態で様々な味わいが出る事でしょうね。

2012年7月19日木曜日

大谷石・旧富屋村徳次郎 (8)

こんな穴だらけの大谷石を一体何処に使うのだろうと思われるかもしれませんが、れっきとした石蔵の壁に使われている石材です。穴ぼこは一個だけではないので、他の画像よりも少し広い範囲をご覧頂くようにしました。意外とこれも美しいのです。一般的な大谷石のミソとは少々様子が異なります。素材がかなり硬い雰囲気があります。それだからこそこれだけ穴が開いていても蔵の壁に使う事が出来るのですね。いやはや!大谷石は興味深い石材ですぞ!

2012年7月18日水曜日

大谷石・旧富屋村徳次郎 (7)

二枚の画像は実は同じ画像なのだが、下の画像は細部を見る為に、上の画像を質を落とさずにトリミングしたものです。上の画像ではスコリアの様に見える部分は実は下の画像で確認出来る様に小さな穴です。結晶等が抜けて陰になった部分が(奥に暗い結晶らしいものが在るので)スコリアの様に見えているのだと画像を扱って居て判ったので、誤解を避ける為に両方をUPしました。これも前の画像と同じ蔵で採用されている石材です。同じ採石場でこれほど多様な石材が採掘されるのか?興味深いですね。

2012年7月17日火曜日

大谷石・旧富屋村徳次郎 (6)

色違いの石材です。堆積模様が石材の切出し方向と斜交していますね。大谷石の場合は堆積方向と平行に切り出すとばかり思って居ましたが異なるケースもあるのですね。

2012年7月16日月曜日

大谷石・旧富屋村徳次郎 (5)

石材の一片を単位に画像をご案内する。このブログは実は石蔵がメインテーマでは無くて、地質学分野でありたい(機材も知恵も無いので出来る訳が無いのだが)と思い続けているのです。とは言いながら解説も出来ないが、人間と同じで一つのまとまった単位で名称を付けられていてもそれぞれに個性が在るのですよね。
今日は、大谷石の分布南限域の茂木辺りをぶらつきます。

2012年7月15日日曜日

ピンボケだけど有孔虫

知人が採集して来られた細砂の観察をさせて頂いた。非常に細かな砂で在ったが、石英粒子と観たのがどうやら火山ガラスなのだろうか?エッジがかなり鋭い状態でした。実体顕微鏡で監査すするには余りに細粒だったので、偏光顕微鏡を持ち出しクロスニコルで観察した中に怪しい形状が在ったのでオープンにした処、有孔虫でした。被写界深度が浅いので、ピントを調整しながら立体形状を観察したのだが、これは念の為に撮影した画像の一枚。
火山ガラスらしい小片は勿論厚みがあるので、干渉縞模様が幾恵にも重なって実に美しかった。
他にも数種類の有孔虫が含まれて居たがこれが一番美しいと思えた。

大谷石・旧富屋村徳次郎 (4)

同じような石材が別の蔵でも使われています。街道には面していませんので、目につきにくいし、夏場は木々が生い茂ってしまうので中々撮影は大変です。私は房州石が一番大好きですが、この徳次郎に在る石蔵を拝見していると、「徳次郎石」にも大きく惹かれてしまいます。
ここの壁面の石材を明日から紹介します。