2020年11月19日木曜日

佐原の石屋の店先で

 今日は少し時間が足りないかもしれないと思いつつも、香取市牧野に在る古刹「観福寺」さんを訪ね、此処に有る板石塔婆を拝見させて頂いた。以前、ネットでこのお寺さんの泥質片岩を用いた板石塔婆を見た時には地衣類が繁茂していて刻まれた文字も読み取り難そうだったので、ついつい延び延びになっていたのだが欲張らずに、此処だけ見てサッと行ってサッと帰ってくれば良いかと久し振りに成田線に乗車した。

十数基の板石塔婆に出会う事が出来たし、刻まれた造立年もかなり読み取る事が出来たのだが、点数が多いので少々時間が掛かりそう。帰りに駅までのんびり歩く途中で、石屋さんを見付けたので店前を通ると、なんと、伊豆の細粒の緑色凝灰岩に刻まれた比較的小型の狛犬や金剛像らしきものが店先に置かれている。お店に声を掛けると判る者がいないと事務の方が仰るのだが、これは伊豆の凝灰岩でしょ?と問うと、確か社長が伊豆の何とかと云ってましたとの事。絶対に売り物じゃないのでと念を押された。へー!判る人には判るんだ!等とつぶやいていたが許しを頂いて、写真を撮らせて頂いた。この処、週に二回はフィールドワークを楽しんでいるが、アタリが良くて、資料の整理が追い付かない嬉しい状態なのです。

観福寺本堂玄関口に置かれている「三密」の文字。勿論、今言われている避けなければならない「三密」とは意味が違うのだが・・・
店先の緑色凝灰岩に刻まれた石像。


狛犬が残念ながら割れている。破片を一つ、写真を撮らせて頂いた
石屋さんの一角に、羊歯が生えている場所が在った。石垣などでこの羊歯が生えていると必ずその裏にはやや粗い凝灰岩が使われている。