2017年7月22日土曜日

白い凝灰岩を用いた五輪塔:追補;葉山町の凝灰岩製五輪塔

葉山町に「凝灰岩」製の五輪塔が在るとの情報が有り観察した。

外観は、太田市附近の天神山凝灰岩を用いた五輪塔に似ているのだが、残念ながら細粒のスコリアが大量に含まれていて、千葉に在る白色凝灰岩製の五輪塔とは石質が大きく異なるのであまり参考にはならなかった。
葉山町の文化財報告書によれば、類似の五輪塔がこの他に二件四基あるとの事であったが、報告書に添付された画像ではかなり石質が粗いので鎌倉石等が疑われたのでこれらについては後日機会が有れば調査する事にした。本件を含め、建立された時代は、様式などから鎌倉時代と推定されている。
右側の五輪塔:五輪塔は「猪俣小平六範(則)綱」と「岡部六弥太純(澄)」両将の墓と伝えられるが、左右の何れが猪俣氏・岡部氏であるのかは明らかでは無い。



尚、五輪塔の表面は接写した画像を詳細に点検した結果、表面に樹脂塗料を塗布している為に、構成している火山ガラスの形状などを観察する事は出来なかった。
画像の横幅は約10mm



下図は塗布幕が剥離している部分

火山ガラスのやサイズや形状を特定出来なかったので、石材の産地は不明。

木下貝層の石材利用 (5) 岩井家住宅(旧武蔵屋)の燈籠と参考用古瓦刻印

岩井家は、江⼾期から明治期にかけて、⽊下河岸で旅籠を営んでいたと伝えられるが、明治末期~⼤正初期に⾏われたこの地域での利根川堤防改修⼯事にともない、現地に移築された。建物は⼤正三(1914)年の建築で、通りに南⾯する。桁⾏5間半、梁間3間、切妻造桟⽡葺の⽊造二階建。その北側に桁⾏2間半、梁間5間半の切妻造桟⽡葺の平屋建を直⾓に付けている。通り側に広く⼟間、2階と背⾯突出部に居室をとる。1階⼟間まわりや2階の⼿摺付縁などに、旅籠の雰囲気を残している。
裏庭に木下貝層固結部を用いた石燈籠が二基保存さ恵れている。
















尚、2011年の震災の際に、屋根に損傷を受けたので瓦の葺き替えを行っている。
御主人に拠れば、瓦は地元産で銚子から運ばれてくることは無かったとの事だが、参考用に採取した刻印画像を紹介する。










2017年7月20日木曜日

GVP 火山活動情報の概要:7月12日⇒18日;17火山

GVP 火山活動情報の概要を御案内します。
Activity for the week of 12 July-18 July 2017
     New Activity/Unrest
 Bogoslof  | Fox Islands (USA)  | 311300 | Elevation 150 m
712-18日の間は、殆ど曇りがちの天候に災いされて衛星画像による観測では特段の活動に関する情報は得られていませんが、712日と16日に弱い地表面温度の上昇がみられました。これに伴う地震波形や空振あるいは雷光等は観測されていません。カラーコードはオレンジが維持されています。下の画像は6月23日の噴火の際のもので、AVOから引用して御案内します。 Image courtesy of chris waythomas, HVO
https://www.avo.alaska.edu/volcanoes/volcimage.php?volcname=Bogoslof
 
 Fuego  | Guatemala  | 342090 | Elevation 3763 m
713-14日の間に複数回の爆発的噴火が発生し、火山灰を含む噴煙は火口上空950mまで上昇し北西あるいは西に 8-10 km まで広がりました。白熱岩塊は火口上空100mまで噴出し岩屑雪崩を引き起こしました。16日には幅30m、深さ2mの高温のラハールが西側の渓谷を流れ下り、直径2mの岩塊や樹幹を流しました。ラハールは南西地区の居住区を結ぶ道路を越えて広がり居住区を分断しました。17-18日にはブルカノ式噴火により濃密な火山灰を含む噴煙を火口からほぼ1kmまで上昇させ西から北西に掛けて15km広がりました。以下の地域で降灰が有りました;Panimache (8 km SW), Morelia (9 km SW), and Santa Sofía (12 km SW).
  
Sangeang Api  | Indonesia  | 264050 | Elevation 1949 m
7151154時にストロンボリ式噴火が発生し火山灰を含む噴煙が火口縁上空100-200mまで上昇し南西に広がりました。この噴火に先立ち、3月から熱異常が観測され、地震活動は4月から増加していました。衛星画像等のデータ解析から716日に火山灰を含む噴煙が高度2.1kmに達し北西に広がった事が報告されました。
2015年夏以来久し振りの登場です。この火山に関するGVPのサイトは下記です。

Ongoing Activity

Bagana  | Bougainville (Papua New Guinea)  |  | Elevation 1855 m
衛星画像等のデータ解析から716日に火山灰を含む噴煙が高度2.1kmで西側に広がった事が報告されました。
  
Bezymianny  | Central Kamchatka (Russia)  | 300250 | Elevation 2882 m
クベルトの報告に拠れば衛星画像から熱異常が連日観測されています。溶岩流が引き続き溶岩ドームの西側山腹を下っています。カラーコードはオレンジです。

Cleveland  | Chuginadak Island (USA)  | 311240 | Elevation 1730 m
712-18日の間は殆ど曇りがちの天候で火山を衛星画像屋ウエブカメラで観測する事が出来ませんでしたが、少量の水蒸気の噴出は時折確認されていました。714日の衛星画像では地表面温度の上昇が観測されています。カラーコードはオレンジを維持しています。
久し振りにWEBカメラで火山が捉えられています。
 
 Copahue  | Central Chile-Argentina border  | 357090 | Elevation 2953 m
衛星画像の解析から716-17日に火山灰を含む水蒸気の噴煙が高度3-3.4kmまで上昇し北から北西に広がった事が報告されました。
  
Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 | Elevation 1229 m
衛星画像等のデータ解析から、712-15日に火山灰を含む噴煙が高度2.1kmに達し周囲に広がりました。17日には火山灰を含む噴煙が高度1.5kmに達し東に広がった事が報告されました。

Ebeko  | Paramushir Island (Russia)  | 290380 | Elevation 1103 m
火山から7km東の住民からの報告では、77-8日に噴火の際に生じた火山灰を含む噴煙が高度1.5kmに達した事が報告されました。カラーコードはオレンジを維持しています。
  
Karymsky  | Eastern Kamchatka (Russia)  |  | Elevation 1513 m
クベルトの報告に拠れば、弱い熱異常が衛星画像で77日と11-12日に観測されています。10日と11日には、火山灰を含む噴煙が南西から南東に170kmまで広がっています。カラーコードはオレンジを維持しています。
  
Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | 332010 | Elevation 1222 m
⇒特段の変化無く変わらぬ活動が継続しています。
61G溶岩流のオーシャンエントリー付近に形成された溶岩三角州には複数の大きなクラックが発生しています。最初の画像はライブカメラ画像。二枚目はHVOのこの火山のマルチメディアファイルから引用させて頂いた61G溶岩流のブレークアウトの状況です。
 G

Klyuchevskoy  | Central Kamchatka (Russia)  | 300260 | Elevation 4754 m
クベルトに拠れば78日と12-13日に爆発により火山灰を含む噴煙が高度5kmに達し南東に50kmまで広がりました。弱い熱異常が衛星画像で710-12日に観測されています。カラーコードはオレンジを維持しています。
 
 Poas  | Costa Rica  | 345040 | Elevation 2708 m
712-17日に、火山ガス主体の噴煙はA・B火口上空1kmまで上昇し、南西から北西に広がりました。
 
 Sabancaya  | Peru  | 354006 | Elevation 5960 m
前の週に比べ火山の活動度は増し、10-16日の間は連日平均19回の爆発が発生していました。火山灰を含む火山ガスの噴煙は火口縁上空3.5kmまで上昇し北西から東に40kmまで広がりました。亜硫酸ガスの放出量は716日の観測では日量2,959トンに達しています。19日の噴火で生じた火山灰を葺くm噴煙は火口縁の上空4kmまで上昇し北に広がりました。
 
 Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | 300270 | Elevation 3283 m
クベルトの報告に拠れば、77-11日の間は連日衛星画像で熱異常が観測されています。12-14日の間は雲に覆われて観測出来ませんでした。カラーコードはオレンジを維持しています。

Sinabung  | Indonesia  | 261080 | Elevation 2460 m
衛星画像等のデータ解析から714-15日に火山灰を含む噴煙が高度3.3-4.9kmに達し様々な方角に広がった事が報告されました。
  
Turrialba  | Costa Rica  | 345070 | Elevation 3340 m
712-17日の間噴火活動が継続しました。火山灰を含む火山ガスの噴煙は火口から200-250m上昇し主に西よりの方角に広がりました。15日には複数の噴火活動が発生し以下の地域に降灰が有りました:Sabanilla de Montes de Oca (30 km WSW), Ipis (27 km SW), El Carmen de Guadalupe, Purral (26 km WSW), Guadalupe (32 km WSW), and Tibás (35 km WSW).この日は以下の地位から硫黄臭が報告されています: San José (36 km WSW), Tibas (35 km WSW), Guadalupe, Escazú (42 km WSW), and Puriscal (65 km WSW).
 
GVPの報告には含まれていませんが幾つかライブカメラの画像をご紹介します。
カムチャツカのアバチャ火山:意外と気軽に日本からも登山にいけるのですね。知人が先週登頂してこられました。
イタリア:エトナ火山
メキシコのPopcatepetle火山
ペルーのSabancaya火山
日本の火山も噴気が目立つ火山がありますね。
霧島連峰:硫黄山
箱根大涌谷
御嶽山
浅間山
安達太良山の爆裂火口には噴気が見えません
  以上

2017年7月18日火曜日

伊豆半島産出の石灰質凝灰質砂岩の顕微鏡画像:石灰質凝灰岩 A-2/2

伊豆では高温の熱水作用で珪化している例もあるので、念の為に希塩酸で発泡を確認

砂粒は大体似た様なサイズなので
画像幅が0.6mmとなるように画素数をトリミングで調整しているが中にはかなり小さなものも在るので下の画像は画像幅を0.5mmに調整した。

またやや大きな粒子を含む場合には画像幅を1mmに変えたものも在る

以下の画像は全開と同じく、画像幅は0.6mmにトリミングしている。
顕微鏡撮影の場合はカメラのレンズを外してアダプター経由で撮影するので、明るさは絞りで調整する訳にはいかない。少し明るく調整した方が良さそうだ。





さて、金曜日にもう少し他の凝灰岩の表面処理をしてから撮影の予定

伊豆半島産出の石灰質凝灰質砂岩の顕微鏡画像:石灰質凝灰岩 A-1/2

群馬の白色凝灰岩の火山ガラス形状を顕微鏡で観察した序に、手元の凝灰岩のサンプルを顕微鏡で観察しながら少し画像データを作成しておこうと考えて手元のサンプルを撮影してみた。これまで顕微鏡で撮影する事が殆ど無かったので、表面を#800程度の研磨で十分だったが、倍率を上げると少々無理が出て来たので、今後は#1000から#1500で研磨してからの観察としようと考えている。
先ずは、石灰質生物遺骸が観察されないタイプの石灰質凝灰岩の画像をご紹介。
意外と石灰質が濁りが無く美しく、鉱物や火山岩由来の細砂が美しい。薄片では無いので反射光で撮影している。画像の横幅は何れも0.6mm。石灰質をコーティングしてから堆積したような雰囲気が面白い。







 続く