2018年7月21日土曜日

GVP 火山活動情報の概要:7月11日⇒17日;20火山

スミソニアン博物館のGVPにより毎週木曜日に公開されている火山活動情報の概要を御案内しています。今週は 20 火山が掲載されています。添付画像は各地のライブカメラ画像や、火山観測所のウエブサイトから引用したものです。

New Activity/Unrest
Ibu  | Halmahera (Indonesia)  | 268030 | Elevation 1325 m
7月10-15日の間、白~灰色の噴煙が火口縁から 200-800 m 上空まで立ち昇っていました。警戒レベルは“1-4”段階の“2”であり、北側の 3.5 km 以内と半径 2 km 以内は立ち入り禁止。

Krakatau  | Indonesia  | 262000 | Elevation 813 m
7月15日1722時に噴火が発生し火山灰を含む噴煙が 700 m 上昇。16日1651時には噴火が44秒間継続し火山灰を含む噴煙が 500 m 上昇しました。観測所では空振と地震が観測されました。警戒レベルは“1-4”段階の“2”で、火口から半径 1 km 以内は立ち入り禁止。

Nevados de Chillan  | Chile  | 357070 | Elevation 3180 m
7月11-17日の間、この火山の“Nicanor”火口内の溶岩ドーム“Gil-Cruz”の成長が続きました。地震活動は長周期地震と噴火に伴う火山性微動が観測されました。ウエブカメラでは間歇的な白い火山ガスと見られる噴出が起こり、夜間には火映と弾道を描いて飛散する火山岩片が観察されました。13日2055時には“Nicanor”火口下 400 m に震源を持つM3.7の地震が、14日1530時には爆発に伴う地震が観測されました。噴火に伴うM3.9の地震は地下 1.4 km の話しとして伏せましょう。気象上の天候が悪く火口付近の目視観測は行われませんでしたが、熱線カメラで監視すると最高 300 ℃もの温度上昇が観測されました。
3回目の地震は15日0324時に発生し M3.8 で、深さ1.8 km に位置していました。白熱岩塊が 340 m の高さまで到達しました。この三界の爆発により溶岩ドームは部分的に崩壊させられました。航空カラーコードは「オレンジ」

Oraefajokull  | Iceland  | 374010 | Elevation 2010 m
関係者の協議により、この火山は過去1年半の間で最も高い噴火の危険性を示していると報告されました。地殻の膨張とこれに伴う地震活動が増加していますが、報告では、2017年12月以降は地熱活動が減衰している事にも触れています。今回の活動開始以来山体はマグマの注入と思われる動きで“10 million cubic meters”隆起しています。
⇒この火山の画像がアイスランド気象庁の下記サイトに3枚ありますが、前回の噴火は1727年なので噴火画像はありません。
http://icelandicvolcanos.is/?volcano=ORA#

Piton de la Fournaise  | Reunion Island (France)  | 233020 | Elevation 2632 m
7月初旬以降、山体が隆起しています。7月12日2340時に突然地震活動が増加し始め、急速に地殻の変動が観測されました。13日0330時に北側山腹の地下で火山性微動が観測され徐々に増加し、0430時にウエブカメラで溶岩が溢れ出したのが観測されました。噴火は“Chapelle de Rosemont”に在る長さが合計 500 m 程の割れ目火口から始まりました。
0800時には四か所の割れ目火口から溶岩が 20 m の高さまで吹き上げられ、一本の溶岩流は 200 m 流れ下りました。最も高い側に在る割れ目火口は1230時に活動を停止しました。2200時には火山性微動も減少し、間歇的な火山ガスの噴出も停止しました。14日も強い地震勝層は継続しましたがその後の二日間で減少しました。溶岩流は最大 400 m 流れ下りました。

Sierra Negra  | Isla Isabela (Ecuador)  | 353050 | Elevation 1124 m
7月11日に噴火により火山ガスと火山灰の噴煙が高度 3.7 km まで、16日には少量の火山灰を含む火山明日の噴煙を高度 2.4 km まで上昇させました。火映はウエブカメラで観測されます。

Villarrica  | Chile  | 357020 | Elevation 2847 m
7月16日1047時に強い水蒸気の噴煙が登るのをウエブカメラが記録しました。テフラは火口壁内に堆積しました。

Ongoing Activity
Agung  | Bali (Indonesia)  | 264020 | Elevation 2997 m
7月13日1409時に噴火により火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 1.5 km まで上昇しました。15日0452時にも噴火が観測されましたが火山灰は観測されませんでした。この日の0905時の噴火では、火山灰を含む噴煙は 1.5 km 上昇しました。警戒レベルは“1-4”段階の“3”で、半径 4 km 以内は立ち入り禁止です。

Aira 桜島 | Kyushu (Japan)  | 280080 | Elevation 1117 m
7月9日から17日の間に、南岳火口で9回の噴火が在り、火山灰を含む噴煙が火口縁の冗句 2.3 km まで上昇しました。16日1538日の爆発では火山灰を含む噴煙は 4.6 km 上昇しました。16-17日の夜間には火映現象が観測されました。警戒レベルは“5”段階の“3”です。

Ambae  | Vanuatu  | 257030 | Elevation 1496 m
16-17日に“ Lake Voui”空の噴火の際に火山灰を含む噴煙が高度 2.3-9.1 km に到達。

Cleveland  | Chuginadak Island (USA)  | 311240 | Elevation 1730 m
7月11-17日の間、地震や空振の異常は観測されていませんが、噴火の危険性は持続しています。11日には衛星画像で弱い熱異常が観測されていますが、他の日には気象上の雲に阻まれて観測出来ていません。航空カラーコードは「オレンジ」

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 | Elevation 1229 m
7月11-12日と14-17日に噴火により火山灰を含む噴煙が高度 1.8 km に達しました。

Ebeko  | Paramushir Island (Russia)  | 290380  | Elevation 1103 m
7月8日から12日に掛けて噴火により火山灰を含む噴煙が高度 4 km に達し、衛星画像では噴煙は10-11日には西に 37 km まで広がりました。航空カラーコードは「オレンジ」

Etna  | Sicily (Italy)  | 211060 | Elevation 3295 m
7月9-15日に掛けて、山頂火口からの火山ガスの噴出が続いています。視界は良好で小規模のストロンボリ噴火が北東側の“NEC”火口の深い部分と“ Bocca Nuova”火口で発生している模様ですが噴気に隠されて目視出来ません。噴石類は火口内に落下しています。NEC火口から強く、数十秒間続く轟音は時折、灰褐色から赤褐色の火山灰の噴出を伴っています。火口内壁の崩壊により火口は広がっています。NEC火口からの火山ガスの噴気は弱くしばしば間歇的です。

Karymsky  | Eastern Kamchatka (Russia)  | 300130 | Elevation 1513 m
7月8日と10-12日には熱異常が衛星画像で確認されています。10日には少量の火山灰を含む火山ガスと水蒸気の噴煙が観測されています。17日0550時に発生した噴火では火山灰を含む噴煙が高度 5 km に達しました。航空カラーコードは「オレンジ」

Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | 332010 | Elevation 1222 m
“Fissure 8”の活動に変化はありません。(少し省略します)山頂火口での火口内壁の崩壊もほぼ連日発生しながら継続しています。“Fissure 8”からの溶岩流の速度をレーダーガンで測定し、平均流速は毎時 29 km である事を側観測しました。



Mayon  | Luzon (Philippines)  | 273030 | Elevation 2462 m
7月13日1509時に小規模の岩屑雪崩が南側山腹の“ Mi-isi drainage”峡谷を下り茶褐色の火山灰を含む噴煙を生じました。激しい降雨の為に山頂部の観測を行う事が出来ません。亜硫酸ガスの噴出量は日量 2,398 トン。4月2-14日の間に精密測量で得られた地殻の変状は3月の測量結果よりも膨張傾向にあります。電子傾斜計のデータは、智加k深くでのマグマの貫入を示す中腹での山体の膨張を示しています。警戒レベルは“0-5”段階の“2”です。南側の半径 7 km とそれ以外の半径 6 km 以内は立ち入り禁止です。

Sabancaya  | Peru  | 354006 | Elevation 5960 m
7月9-17日の間、日に平均23回の爆発が起こっています。ハイブリッドな地震活動も、弱いものですがたまに発生します。火山ガスに火山灰を伴う噴煙は火口縁の上空 2.5 km に達し30 km 程広がっています。半径 12 km 以内は立ち入り禁止です。

Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | 300270 | Elevation 3283 m
7月6-13日の間衛星画像で熱異常が確認されています。航空カラーコードは「オレンジ」

Stromboli  | Aeolian Islands (Italy)  | 211040 | Elevation 924 m
7月9-15日の間のこの火山の活動は、複数の火口からのストロンボリ式噴火と脱ガスが続いています。主に噴火は北側の二つの火口と“Area C-S (South Central crater area) ”で発生しており、15日には時間当たり4回でしたがそれ以外は毎時14-19回の頻度です。小規模の“N1”火口からの噴火の際にはラピリと火山弾を 80 m 程度まで噴出します。“N2”火口からは 120 m の例も有ります。“ C (Area C-S)”からは突発的に火山ガスとスパッターを放出し、“ S2 (Area C-S) ”からは小規模の噴火でテフラを 80 m の高さまで吹き上げます。

口永良部島:7月16日

霧島山系新燃岳:7月16日



以上

2018年7月18日水曜日

新宿区内藤町一番地の記憶

 半世紀程前に、私が云うのも可笑しいかも知れないが、少々エキセントリックな考えを持つ友人と新宿御苑を散歩した事があるのだが、この時に、御苑に入るのに妙に歩かされて御苑に入った記憶が在った。その入口に行く長い道中に不思議な模様の石塀がかなりの距離に亘って続いていたのを思い出した。当時はまさか自分が凝灰岩を調べて歩き回る事等考えもしていない頃だったのでそのままになっていた。
 あの石塀は一体どんな石材を使った塀なのか、あれは今でも残っているのだろうか?等と考えながら御苑周辺の地図を眺めながら、その入口が何処だったのか考えてみて、どうやら「大木戸口」らしい事に気づき、千駄ヶ谷から遠回りして大木戸口までこの酷暑の中を歩いてみた。
件の石塀に出会う前に美しい縞模様の石材を外装に用いたビルに出会う事が出来た。幸先善し!画像を二枚。



多武峯内藤神社を抜けて

暫く歩くと、その石塀が記憶よりは短くなっていたが「内藤町壱番地」の住居表示の在る御宅等に現存していて、それもどうやら房州石らしいと見当を付けた。

「四谷区内藤町壱番地」は、現在も「丁目」が無いが「新宿区内藤町壱番地」なのだが、たまたまお話を伺う事の出来た小生よりややお年を召したと思われるご近所の方によると、この付近は江戸末から明治の初期に一挙に造成されたものらしく、全ての敷地がかなり広くそれもほぼ同じ面積の敷地を持ち、同じ石材の石塀が並んでいたという。













 記憶は確かだった様だ。石材はかなり粗粒の礫を含むものから、細粒の砂岩に類するものまで幅広い岩相が使われている。伊豆半島にも房総半島にも存在する類の石質で判別の難しい類の石材だが、緑色凝灰岩に相当する部分、或は緑色凝灰岩に頻繁に伴う火山岩礫が観られないので、おそらく房総半島・鋸山の凝灰岩であろうと考えた。
何時頃、この一角が造成されたのか今の処手掛りは無い。