2018年9月28日金曜日

GVP 火山活動情報の概要:9月19日 ⇒ 25日;22火山

GVP 火山活動情報の概要:9月19日 ⇒ 25日;22火山
New Activity / Unrest
Ketoi  | Kuril Islands (Russia)  | 290200 |  1172 m
9月21日に噴煙が観測されました

Piton de la Fournaise  | Reunion Island (France)  | 233020 |  2632 m
9月18日の観測で溶岩流は南方向と南東方向に 2.8 km 流れている事が確認されました。溶岩流は最も広い部分では 600 m に広がっています。火山性微動は低いレベルで19日には安定し20日には減少し始めています。21日のFWに於いて三か所で溶岩噴泉が発生し、火砕丘を築いています。火砕丘の東側は高さ 30 m で部分的に垂直に切り立っており夫堰堤な状態です。溶岩流は溶岩堤防に囲まれ、19日以降数百メートル前進し“OVPF”の地震観測所を脅かしています。21-22日の間、火山性微動は変動しています。22日には南西方向に 8-10 km の“Grand Coude”で「ペレーの毛髪」が観察されています。この日の航空機からの観測で三か所の溶岩噴泉が継続し、火砕丘も現存し溶岩チューブが溶岩堤防の上流側で形成されている事が確認されています。23日には火山性微動はそれまでの倍のレベルに増加しました。亜硫酸ガスの噴出量は15日の噴出量に対し 1/6 に減少しています。



Sarychev Peak  | Matua Island (Russia)  | 290240 |  1496 m
21日現在噴火は継続し、18日1010時の噴火では噴煙が高度 4.5 km に達しています。噴煙は17-18日も観測され東に 265 km まで広がっています。航空カラーコードは「オレンジ」

Semisopochnoi  | United States  | 311060 |  1221 m
19-25日の間も地震活動は活発な状態が続き、一定期間連続する場合と爆発的に発生するケースが有ります。21日と22日の二回の火山性微動の爆発的発生の場合は超音波観測施設で衝撃波が観測されていますが、雲が低く垂れこめて火山灰は確認されていません。航空カラーコードは「イエロー」

Ulawun  | New Britain (Papua New Guinea)  | 252120 |  2334 m
パイロットが噴煙が高度 3.7 km に達していた事を報告。雲の為に衛星画像では確認出来ませんでした

Veniaminof  | United States  | 312070 |  2507 m
19-25日の間も噴火は続き、夜間には 35 km 南方のウエブカメラで火映が観測されています。視界の良い日には噴煙が時折目視観測されます。14日の観測では、溶岩流は山頂の火砕丘の南側山腹を 800 m 流れ下り、18日には更に流下している事が確認されています。航空カラーコードは「オレンジ」。Image courtesy of Peterson, Mari, AVO/USGS

Ongoing Activity
Aira 桜島 | Kyushu (Japan)  | 280080 |  1117 m
この間、8回の噴火と5回の爆発が南岳で観測され、噴煙は火口縁の上空 2.1 km に、噴石は火口から 1.1 km まで達してています。火映も時折観測されています。警戒レベルは“5”段階の“3”

Ambae  | Vanuatu  | 257030 |  1496 m
“ Lake Voui”火口では水蒸気の噴出が観測され、警戒レベルは“0-5”段階の“2”に引き下げられました。

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 |  1229 m
19-25日の間噴煙が高度 1.8 km に達していました。

Ebeko  | Paramushir Island (Russia)  | 290380  |  1103 m
火山から東に 7 km の観測者からの報告で14-21日の間噴煙は高度 4.2 km に達し、熱異常も時折観測されました。航空カラーコードは「オレンジ」

Fuego  | Guatemala  | 342090 |  3763 m
20-21日と24-25日に爆発が発生し、噴煙が少なくとも火口縁の上空 1 km に達しました。白熱岩塊が火口縁の上空 150 m に達し火口内で岩屑雪崩を引き起こしました。

Karymsky  | Eastern Kamchatka (Russia)  | 300130 |  1513 m
19日に衛星画像で熱異常が観測されましたが、他の日は天候に阻まれ観測されませんでした。航空カラーコードは「オレンジ」。

Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | 332010 |  1222 m
19-25日の間、割れ目火口“8”の中心部で白熱状態が観測され、少量の噴気が観測されました。山頂部の地盤の変位と地震活動は低調で、亜硫酸ガスの噴出量も2007年以来の低レベルです。航空カラーコードは「オレンジ」。

Krakatau  | Indonesia  | 262000 |  813 m
18-24日の間、噴煙は高度 0.9-3.7 km に達し、警戒レベルは“1-4”段階の“2”

Manam  | Papua New Guinea  | 251020 |  1807 m
23日の短い噴火で噴煙が高度 8.5 km に達しました。

Merapi  | Central Java (Indonesia)  | 263250 |  2910 m
17-23日の間、山頂火口の新しい溶岩ドームはゆっくりと成長を続け、22日にはその容積が 113,000 m^3 に達し日々の成長は 3,000 m^3の速度と推定されます。白い噴気が山頂で 100 m 上昇しています。警戒レベルは“1-4”段階の“2”

Pacaya  | Guatemala  | 342110 |  2569 m
ストロンボリ式噴火が続き岩塊を火口縁の上空 25 m まで吹き上げています。
“Mackenney”火口から少なくとも四か所から溶岩が流れ出し、北西に50-250 m 流れています。

Sabancaya  | Peru  | 354006 |  5960 m
17-23日の間、連日平均16回の爆発が発生しています。噴煙は火口縁の上空 3.5 km まで上昇しています。17日の観測では亜硫酸ガスの噴出量は日量で 1,600 トンに達しています。

Sangay  | Ecuador  | 352090 |  5286 m
19-20日に噴煙が高度 5.8-6.1 km に達しました。

Santa Maria  | Guatemala  | 342030 |  3745 m
20日の豪雨により幅25 m 、深さ 2 m の硫黄臭を伴うラハールが発生し、樹木や直径 2 m もの岩塊を押し流しました。21日の爆発では噴煙が火口縁の上空 800 m に達しラハールが発生しました。24-25日の噴火では噴煙が火口縁の上空 500-700 m 上昇し、岩屑雪崩が発生しました。

Semeru  | Eastern Java (Indonesia)  | 263300 |  3657 m
19日に噴煙が高度 4 km に達した模様です。

Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | 300270 |  3283 m
ここ数日も熱異常が衛星画像で観測されています。航空カラーコードは「オレンジ」
以上

2018年9月27日木曜日

ある小さな神社の改修の事

草加市神明一丁目の日光街道から路地を入った先に「三社大神」と云う小さな神社があります。街道筋の無料の休息所「新明庵」横の路地を入った場所です。
神明庵(旧大津屋)所縁の氏子総代さんと町内の十数軒の氏子さんがこの神社を支えられています。一部の地図にしか記載されていないので、私もたまたま川沿いの道を歩いていて見つけたのですが、神社の基壇は大谷石の風化で全体に少し傷んだ状態でしたが、伊豆の石灰質凝灰岩と火山角礫を含む緑色凝灰岩の間知石に支えられていました。

画像はごく最近撮影した基礎の改修後のものです。
 初めて此処を訪ねた時に、這い蹲る様な姿勢で伊豆の石材を撮影していると氏子総代さんから声を掛けられました。話を端折ると、総代さんに基礎の部分を改修するのであれば、出来れば全てをコンクリートで固めるのではなく、一部だけでも礎石を再利用するか、せめてその石材の一部を境内に保存して、伊豆の石材が船で運ばれて草加の街に来ていたという一つの歴史の刻みを残してほしいと言う希望がかなえられたのです。
草加の街を歩く機会がありましたら、伊豆の緑色凝灰岩を礎石に残して下さったこの小さな神社を訪ねて頂ければ幸いです。

改修後の礎石の部分の画像です。風化が激しい淡褐色の石灰質凝灰岩は、交換用の石材が手に入らないので、これに似せた花崗岩をお使い頂きました。緑色凝灰岩の間知石はそのままお使い頂いています。

改修前の石灰質凝灰岩石材と角礫を含む緑色凝灰岩です。石灰質凝灰岩はかなり風化してこのままでは再利用できない状態でした。

石灰質凝灰岩の代わりに御使い頂いたのは花崗岩の中の鉄鉱物が錆びて良い雰囲気を醸しだしています。チラッと見ると石灰質凝灰岩にも見えないでもありません。

総代さんと石材の話をさせて頂く事になった切っ掛けは、この隅が割れてしまった、通称「みどり」と石工さんから呼ばれていた緑色凝灰岩の神社額でした。製作年代は刻まれていませんでしたが、草加市内と周辺地域の石材調査の結果、これが草加の著名な「石工 青木宗義」の二代目によって慶応元年に製作したものだと付き止めて、総代さんと青木石材さんにご報告させて頂きました。

角礫混じりの緑色凝灰岩の拡大図です。画像の横幅は 10 cm です。下の画像は縦寸法が 40 mm です。様々な色合いの岩片が含まれています。勿論、大きな礫も入っています。

境内の句碑です。最初に訪問した時にはこの句碑は横倒しに伏せた状態でしたが、後に起こした時に側面に刻まれた慶應の年号から、これが本殿の慶應の改修時に建てられたものだと判りました。句碑の石材は箱根の根府川溶岩です。表面に直ぐ傍の本小松石には見られない細かな流離模様が観察されます。

神社額を製作ばかりか、草加で優れた石造彫刻を残している「石工 青木宗義」の御子孫は、この近くで現在まで歴史を紡ぎながら石材店を営んで居られます。その石材店の片隅にこの「狛犬」が埃を被って置かれています。実はこの石材も神社額と同じ石材の「みどり」が使われています。機会が在れば、この狛犬を綺麗に洗って、美しい緑の狛犬の写真を撮影させて頂こうと考えています。

以上

2018年9月25日火曜日

Actualités du “Piton de la Fournaise” et informations de l'OVPF

アフリカ・マダガスカル島の東に位置する“Piton de la Fournaise”火山の活動が少し活発になって居る様です。画像は下記のサイトから抜粋したものを御案内しています。
ライブカメラの画像は下記でご覧になれますが、
http://www.ipgp.fr/fr/ovpf/actualites-ovpf

この他にも同じサイト内の下記ではやや大きな画像で見る事や、2017年7月17日の激しい噴火の模様がご覧になれます。



尚、“Image panoramique HD”で火山画像が中央に無い時は摘んで移動できます。
https://www.reunion.fr/pratique/webcams/webcam-volcan-piton-de-la-fournaise
Image courtesy of “ IPGP-OVPF”
ついでながらGVPのこの火山のサイトは下記です。
http://volcano.si.edu/volcano.cfm?vn=233020
以上

NASA Earth Observatory “Activity at Krakatau”

暫くこのサイトの画像を御案内する機会が有りませんでしたが、久し振りに火山の噴煙画像がUPされたので御案内します。1883年の巨大噴火で有名な“Krakatau”火山の9月22日に衛星から撮影された画像です。
最初の画像はスケールが入っていますので、オリジナルの画像。

二枚目は同じ画像ですが周辺のカルデラの範囲を示す画像で、これは 7166 x 4572 pixels の原画から1800 x 1200 pixels で切り取ったものです。

3枚目は24日に衛星搭乗員の“ Alexander Gerst”氏が撮影したスナップです。

原画像は下記にあります。
https://earthobservatory.nasa.gov/images/92806/activity-at-krakatau?src=nha
この火山のGVPのサイトは下記です。“Photo Gallery”“Latest Reports”に豊富な画像があります。
https://volcano.si.edu/volcano.cfm?vn=262000#September2018
以上

本庄市内と高崎市新町から玉村町角渕へ:9月23日 (2/2)

承前

安山岩;たぶん:石材までは見分けられなかったが、この辺だと安山岩だろうと思う。文化遺産オンラインに「寺坂橋」は「関東地方に少ない明治期建設の石橋の一つ」と書かれているが、まあ、九州に比べれば関東は少ないか!

芦野石:石材屋さんなら白河石と云うだろうけれど・・・。これもこの様な用途に使われているのは初めて見た。岩石文化圏が違う事を思い知らされる。千葉なら絶対に伊豆の緑色凝灰岩でしょ。
ここまでが午前の部。午後は単独行動で以前から行かなければと思っていた場所へ

安山岩:色が白いので花崗岩を期待したが風化が激しくて自信が揺らぐが安山岩らしい。元禄十五(1702)年の建設。高崎市新町の諏訪神社に保存されている鳥居の一部でこの地域最古と云う。

緑色片岩:不安定に建てられている割に文字が傾いている。周辺は緑色片岩の石塔が乱立する。群馬県玉村町角渕の角渕神社傍で

緑色片岩:角渕神社境内の「猿田彦大神」や「庚申塔」の殆どは緑色片岩だがやや細身の根府川石に似た本小松石の石塔も幾つか造立されている。

溶岩;赤城溶岩?:赤城かどうかは自信が無いが、これだけ黒くて溶岩だと赤城と聞かされて来たが、何処の溶岩だろうか?

安山岩:天神山の白い凝灰岩を期待して来たのだが、凝灰岩の様な気もするが良く判らん奴。防水処理を施しているのか、所々に透明な反射膜が有って観察の邪魔をする。
以上

2018年9月24日月曜日

本庄市内と高崎市新町から玉村町角渕へ:9月23日 (1/2)

9月23日久し振りに「埼玉スリバチ学会」の“SSS49th”に参加させて本庄市内を歩いてみた。午後は実は以前から新町と玉村に確認したいと思っていた石材が在ったので単独行動で結局 20,265歩を歩いていた。流石、「スリバチ学会」の「武闘派」のFWである。午前中に確か12,000歩には達していたと思う。後で判った事だが、午後のコースにも私がこの方面で探している凝灰岩の五輪塔が在った様なので、後日再訪したいと思っている。今回の収穫の一部の岩石画像をご紹介します。
本庄付近は、明治の特に「生糸」等の殖産事業で栄えた地域なので、明治期に新改築された建物が多く、私の調査フィールドの「凝灰岩文化圏」とは趣が異なる。
さて、教えて頂いた「荘小太郎頼家供養塔」は何時観に行こうかな?

根府川石:箱根溶岩の仲間で、特徴的に石碑や踏石に使われている。判り易い肌なので、直ぐ隣に分布する「本小松石」とは外形が似ていても直ぐに区別が出来る。板垣(これは文字通りの板状のと云う意味に使っている)として使っているのは始めて観た。やはり岩石文化圏が私の行動範囲とは違っている

伊豆南部の石灰質凝灰岩:今回のFWで此処だけに確認した。風化で剥離していなければ見逃した筈。伊豆の凝灰岩の中では「見えない部分」に恐らく最も多く使われたのではないかと思われる石材だが、表に「奉献者」銘を刻んだ用途には初めての出会い。

緑色片岩:岩石の種類よりも刻まれた「寺坂水車大工」の文字に惹かれた。明治二十二年に寺坂橋が架けられた「元小山川」は水運にも利用された様だが、水車も利用された地域だったのだろうか?

喰い違い礫:街中で路傍に置かれていた礫岩の中の喰い違い礫。こんなのは片品川辺りから採取されて来るのだろうか?

蛇紋岩:荒川水系上流部には部分的にアスベスト化した蛇紋岩が河床に顔を出しているから、栗瀬谷橋付近からかもしれない。この付近には「ダナイト:橄欖岩」も顔を出す。

凝灰岩:岩石としては良く見る凝灰岩だが、石材として使っているのは初めて見た。戸谷八商店さん裏手で数個を確認。さて、産地候補は伊豆にもあるけど、まさか・・・何処だろう。

沢田青石:本庄警察署転じて本庄歴史民俗資料館の玄関。この様な石材も、大谷石と同様に薄くスライスして貼り付ける工法が採用されている。明治十六(1882)年の建築
続く