2019年2月23日土曜日

幸屋火砕流中軽石の観察例(2)

2月1日に続きもう一度、バブルの破片に集中して挑戦。被写界深度が浅いので立体形状は難しい。目盛は0.5mm間隔。目盛が入っていない一枚は画像の横幅が1.5 mm。誰か照明の当て方とか旨い撮影方法を御教示下さい。












以上

2月21日⇔2月23日の火山カメラ画像から抜粋(アルファベット)

カムチャツカ半島:Bezymianny_Kamen_Klychevskoi_190223_012904

イタリア:Etna_190221_1242

イタリアEtna_190221_1243;ほぼ反対側から

カムチャツカ半島:Kizimen_190223_035901

カムチャツカ半島:Klyuchevskoy_190223_013000

コロンビア:Nevado del Ruiz_190221_064216

カムチャツカ半島:Sheveluch_190222_231059

Sheveluch_190222_231401

Sheveluch_190222_122701;夜間、溶岩ドームの高温岩屑雪崩

イタリア・ストロンボリ火山のストロンボリ式噴火(昼間) Stromboli_190221_0849

以上

多胡石の観察

たまにはフィールド調査を休んで、博物館に顕微鏡を覗きに行く。昨日は、前回に引き続き「幸屋火砕流」のバブル状の火山ガラスと、「多胡石」の縞模様と、鹿沼の玄武岩組織。フィールドでルーペを使った観察と、大きな拡大倍率が期待出来る新しい実体顕微鏡での観察が目的なので、平行な縞模様の標本からはほぼ四角いサイコロ状のサンプルを切り出し、隣り合った二面を研磨。他の面はルーペとの対比用に自然な破面のまま。

隣り合った二面を研磨して超音波洗浄したもの。他の面は割ったままの状態。

もう一つは、興味深い縞模様が何故出来るかの観察用に、薄く剥がれたサンプルの平らな面を研磨したもの。

側面の観察例は画像の横幅がほぼ 2 mm 横方向の堆積構造が観察される。ボケた部分は隙間が在る部分。被写界深度はそれほど深くない。石英と云うよりは火山ガラスの様なものが時々観察される。

堆積面を上から見ると銀色に光る雲母が折れ曲がって観察される。

濃い縞模様の部分の断面を観察すると、赤錆成分がコーヒーフイルターにトラップされるように、砂岩の隙間を流れてきた細粒分がトラップされて密集しているのが観察される。

今日は、今年一年の調査活動の報告書提出期限。3月20日までは大丈夫だと思っていたのに突然の提出期限目前で大慌てで4頁を纏めた。明日は南房総の石切り場調査。滑落しない様に注意しながら歩こう。

2019年2月21日木曜日

鹿沼の玄武岩と鹿沼土

1/5万「宇都宮地域の地質」図幅の西の端の鹿沼の黒川の左岸に、ごく狭くて地質記号がはみ出して“Hi”と書かれた部分が有る。

他にも小さな領域で“Tc”,“Ti”,“Tg”,“Ma”等の記号が並ぶ。面積の広い淡黄色は段丘堆積物の“Kn”である。頭文字が“T”の地質は「栃木コンプレックス」と言われるジュラ紀付加体で、凝灰岩を挟む“Ti”等は49度と凄まじい傾斜これを観察に行った時は雨になってカメラまで泥だらけになった記憶。“Ma”は茗荷沢層の安山岩溶岩か貫入岩か火砕岩。最初に書いた“Hi”はそれより少し新しい日向層のかんらん石玄武岩です。
久し振りに、川岸の露頭に行ってこの付近の地質に頭を巡らせようと立ち寄ってみた。千葉県にも玄武岩の露頭が在るがこれも本当に小さい。

以前、偏光顕微鏡で観察した記憶だと針状の斜長石が流離王増を示す「ピロタキシティック組織」。かんらん石は殆ど蛇紋石に変質していた。細粒です。

日光に続く、「例幣使街道」沿いの「文挟」地区で鹿沼土の採掘をやっていたので中には入れないが暫時観察。この付近は、添付の写真地図の様に、ビニールハウスが点在しているが、これは「鹿沼土」の天日乾燥用のハウス。

JR日光線がすぐ裏を走っている。大丈夫かい?
これは「赤城鹿沼テフラ(Ag-KP)」。地表下2~ 5 m に層厚 1.5 m 程度に分布している。従って、採掘場は点々と移動するのです。





以上

GVP 火山活動情報の概要:2月13日⇒19日;20火山

New Activity / Unrest
Karangetang  | Siau Island   | 267020 |  1797 m
13-19日の間濃密な白煙を主火口縁の上空 400 m まで上昇させていた。白煙は北側の“Kawah Dua’s ”火口縁からも時折青味を帯びながら上空 50-150 m まで噴出していたが、18日には灰色の噴煙を 200-300 m まで噴出。警戒レベルは“1-4”段階の“3”。

Karymsky  | Eastern Kamchatka   | 300130 |  1513 m
16日噴煙が高度 2.5-3 km に達し、南東に広がりました。航空カラーコードは「オレンジ」。17日にも噴煙が高度 3.7 km に達し南東に広がり翌日には東南東に 117 km まで広がった。

Piton de la Fournaise  | Reunion Island  | 233020 |  2632 m
地殻の変位を伴う群発地震が16日に観測され、地震の発生数は1,618回に達し、変位は夕刻に停止した。18日早朝から群発地震が再開し“Dolomieu crater”火口の東側山腹に割れ目噴火火口が開口。天候の悪化で噴火の状態は詳細には観測出来ないが、溶岩噴泉は少なくとも 30 m 噴出し、溶岩流は1,900 m に達し、18日深夜に停止した。20日に実施した航空機からの観測では、新しい火口は“Piton Madoré”の麓の標高 1,800 m 地点に観測されました。溶岩流は標高 1,300 m の地点に達しました。(溶岩流の画像はサイトから抜粋引用)

Figure 3 : Prise de vue du site éruptif le 20/02/2019 à 06h20 heure locale. (OVPF/IPGP)
http://www.ipgp.fr/fr/ovpf/bulletin-dactivite-mercredi-20-fevrier-2019-a-11h00-heure-locale

Figure 4 : Prise de vue infrarouge du site éruptif le 20/02/2019 à 06h20 heure locale. (OVPF/IPGP)
http://www.ipgp.fr/fr/ovpf/bulletin-dactivite-mercredi-20-fevrier-2019-a-11h00-heure-locale

Poas  | Costa Rica  |  |  2708 m
8日からほぼ連続した噴気が観測されており、ほぼ 1 km 程度上昇。13-14日は火山灰を含み、火山灰を含む火山ガスは15日も観測され、更に18日も続きました。

Tengger Caldera  | Eastern Java  | 263310 |  2329 m
18日早朝からカルデラ内の“Bromo”火砕丘から濃密な灰白色の噴煙を 600 m 上昇させ、警戒レベルは“1-4”段階の“2”。

Ongoing Activity
Agung  | Bali (Indonesia)  | 264020 |  2997 m
14日早朝に爆発的噴火が観測され夜間には、16 km 南東の Webcam で火映を観測。警戒レベルは“1-4”段階の“3”。

桜島:Aira  | Kyushu (Japan)  | 282080 | 1117 m
12-18日の間、南岳火口で連日火映を観測。二回の噴火と二回の爆発を観測。最初の爆発では噴煙は火口縁の上空 1.5 km まで、二回目は 2.3 km まで上昇。警戒レベルは“5”段階の“3”。

Cleveland  | Chuginadak Island  | 311240 |  1730 m
13-19日に熱異常が観測されたが特段の活動は観測されず、航空カラーコードは「オレンジ」。

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 |  1229 m
13-19日に噴煙が高度 2.1 km に達しました。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。

Ebeko  | Paramushir Island   | 290380 |  1103 m
8-15日の間の爆発では噴煙が高度 2.5 km に達した。航空カラーコードは「オレンジ」。

Etna  | Sicily (Italy)  | 21060 |  3295 m
2018年12月24-27日の山腹割れ目噴火では“3-4 million cubic meters”の溶岩が流出し、1平方キロの面積をカバーした事を報告しました。最新の火山現象は1月8日に観測された“ ML 4.1”の地震で、その後は適度な強さの地震が頻発するだけとなりました。1月からは“NEC”火口からは時折、“Bocca Nuova”火口からは突発的に噴火が発生。報道に拠れば“ Catania  (Aeroporto di Catania – Sicilia)”空港は1月26-27日に閉鎖された。火山灰の分析に拠ればマグマ物質は含まれていないとされています。

Kadovar  | Papua New Guinea  | 251002 |  365 m
16日に噴煙が高度 1.8 km に達しました。

Kerinci  | Indonesia  | 261170 |  3800 m
13日午後に灰白色の噴煙が火口縁の上空 400 m まで上昇しました。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。

Krakatau  | Indonesia  | 6.102°S, 105.423°E  |  813 m
短い噴火が14日に発生しました。15-17日には白い噴煙が山頂の上空 50 m まで上昇。18日には 500 m 上空まで上昇しました。警戒レベルは“1-4”段階の“3”。

Manam  | Papua New Guinea  | 251020 |  1807 m
15日火山灰を含む噴煙が高度 4.9 km まで上昇しました。

Merapi  | Central Java  | 263250 |  2910 m
8-17日の間の山頂溶岩ドームは前の週の状態と変わりませんでした。新たに噴出した溶岩はドームを成長させず崩落しました。白熱岩塊の岩屑雪崩が南東側山腹を下る様子は夜間には観測されました。11日早朝には火砕流が峡谷を 400 m 下りました。警戒レベルは“1-4”段階の“2”。画像は https://twitter.com/bpptkg

Nevados de Chillan  | Chile  | 357070 | Elevation 3180 m
“Nicanor”火口内の溶岩ドームは5-12日もゆっくり(10.8 cubic meters per hour)と成長を続け、水蒸気主体の噴煙は 1.7 km 上昇し、火口の火映は連日Webcam で観測されました。15日深夜には爆発的噴火により溶岩ドームの一部を崩壊させ、白熱岩塊を河口近くに吹き飛ばしました。警戒レベルは「オレンジ」



Popocatepetl  | Mexico  | 341090 |  5393 m
13-19日の間は連日20-140 回の噴火が発生しました。地震活動は14日夜に増加し、一部はストロンボリ式噴火を示すものでした。爆発は14日に4回と15日に1回発生しました。16日の早朝にはストロンボリ式噴火で火口内に噴石を飛ばしました。17日には14回の爆発が発生し、特に早朝の5回と18日早朝の爆発ではは噴煙が 2 km 上昇しました。爆発は19日早朝にも観測されました。20日に#82溶岩ドームの成長を報告。警戒レベルは「イエロー」

Sheveluch  | Central Kamchatka |  300270 |  3283 m
8-15日の間も溶岩ドームは北側で成長を続け、高温岩塊の岩屑雪崩と噴気活動が観測されました。噴気は 4 km 上昇し、航空カラーコードは「オレンジ」



Turrialba  | Costa Rica  | 345070 |  3340 m
13-15日には主に火山ガスの噴出が続き火口縁の上空 200-300 m に達しました。15日の噴火では噴煙は 1 km 上昇、18日の午後の噴火では 500 m 上昇しました。
以上

2019年2月18日月曜日

メラピ火山の噴火:山頂溶岩ドームの部分崩壊に起因する火砕流の発生

このケースでは「噴火」と云う言葉より「山頂溶岩ドームの部分崩壊に起因する火砕流の発生」と言い換えた方がより正しいのではないかと思われます。詳細情報が余り入って来ませんが、ユーチューブで動画が1点、 BPPTKG の公式アカウントの Twitter で画像が幾つか公開されています。撮影時刻が入った噴火の静止画2点と噴火中(ドームの部分崩壊によるものなので写せるのでしょう時刻を御確認下さい)山頂ドームの詳細画像1点と動画のサイトなどをご案内します。添付画像はツイッターからの抜粋引用。静止画関係のツイッターは下記でご覧になれます。  
https://twitter.com/bpptkg
動画は鮮明では有りませんが1分58秒間のものが 
https://www.youtube.com/watch?v=iqZ98wOn-Zk
この火山のGVPの情報は下記にあります。 
http://volcano.si.edu/volcano.cfm?vn=263250
掲載された多数の画像の中から時系列順に三枚をご紹介します。





以上