2011年10月15日土曜日

桜みかげ・万成石:J-4;補遺;凹んだ粗い面

千葉県庁の横を都川と言うのだろうか水量が少ない川が流れている。県庁の新庁舎の前に「羽衣橋」が掛かっていて、この橋に恐らく外国産だろうと思う赤い斜長石の柱が立っている。表面を磨き上げているのだが、小さな模様の部分が凹んでいて粗い仕上げになっています。なんとなく雰囲気が面白いので、その粗い凹んだ部分と磨き上げた部分を撮影してみました。万成石では無いがカリ長石を含む花崗岩の画像なのでUPしてみました。明日も千葉県庁の外壁画像に触れますが、これで今回の「桜みかげ・万成石」関連の画像を終えます。
さて、明後日からの方針は決まっていません。

2011年10月14日金曜日

桜みかげ・万成石:J-3;シュリーレン

様々な場所で万成石を見ている内に、ある場所で壁面に淡いかすかな構造が見える場所が在りました。
上の画像はそのままではとても判らないだろうと思って、普段やったことが無い画像調整を行ってみたもの。余り大きくするよりも、小さいままの方が良く判るかも知れない。画面いっぱいに少し変形し左に頭をかしげた円形が見えないだろうか?余りに淡いので確証が無いが、花崗岩中に取り込まれた捕獲岩・天井石等の周囲の岩石が溶け込んで行く過程でゆっくりと円を描きながら沈んで行く時に作る「シュリーレン」模様ではないだろうか?大きさは直径50cm程度だったろうか?撮影時は確信を持てなくて撮影したのでスケールを当てていない。残念!
下の画像は以前、茨城県の稲田石の(株)サカタ殿の成形工場で拝見したものです。門型クレーンの大きさから画像の大きさを想像して頂きたい。この石の背面の凹凸のある切り出した面にその一部が表れていてこれを生かしたいと狙って上手く切断したものだそうです。但し、サカタ殿の山丁場での産出では無いような記憶がある。数年前の撮影。サカタさんは「石の百年館」を運営していて珍しい花崗岩を見る事も出来ます。その展示の中にも同様の構造はあります。
さて、これで桜みかげ・万成石の画像はほぼ完了しました。もう少し取溜めた花崗岩画像の中から興味深いものを探し出してご案内する予定です。昨日立ち寄った千葉県庁の外壁等も興味深いものがあります。
丁場の見学を快く受け入れて下さった武田石材さんにお礼申し上げます。
なんとなく見過ごしていたであろう花崗岩の様々な姿に、特に結晶の在り方に今後はもっと深く惹かれながら土と岩と火山の中で生きていけそうです。
久し振りに仙台に出張する事になりました。この後の写真の準備が出来ていないので来週は数日間更新が出来ないかもしれません。

2011年10月13日木曜日

桜みかげ・万成石:J-2;補遺・実体顕微鏡画像

岩石を構成する鉱物名を調べるには、薄片を作成して偏光顕微鏡で検鏡しなければいけませんが、これもかなり技術を要する作業で、私はまだこれをマスターしているとは言えない状態です。
鏡筒が二本有って、岩石などの表面形状を立体的に観察出来る「実体顕微鏡」と言うものがあります。今回これを使用して万成石の表面を監査すしてみました。
岩石によっては、造岩鉱物が自形結晶で色合いもはっきりとしたものが在り、火山灰を良く見ている方には、これでも結構鉱物名を識別出来る事があります。
上の画像は万成石の桜色を特徴づけるピンクのカリ長石とその横の透明な部分は石英。周囲の白い部分は大体長石類でしょう。花崗岩の中には石英と長石類が見分け難い状態で混在している事があります。
そんな時は最近はやりのLEDライトを斜めに投射しながら搭載台をゆっくりと回転してみます。長石の場合は劈開がはっきり出るので、実体顕微鏡での観察時にもその特徴が隠せない事が多いようです。
この様に白い或いは白濁していると判り易いですね。カリ長石は大体薄い板状の劈開を持っていますが、この画像ではその特徴が判り易いですね。
画面の横幅が大体3.2mm程度です。
下の画像は長石の中の黒雲母です。雲母の横幅は大体1.4mmです。雲母の結晶の中で割れていればもう少し劈開がはっきりと見える筈ですが、この画像では長石が
取り囲んだ部分で割れているので、少しぼやけた雰囲気ですね。

2011年10月12日水曜日

桜みかげ・万成石:J-1;補遺;普段は見ない画像

これは石目に出来た細いクラックの部分を拡大したもの。丁場で端材の不良部分から手持ちのハンマーでサンプルを頂戴した。左手の方にも薄く緑簾石か緑泥石が顔をだしている。
皆さんのパソコンでは大体4.5倍程度の倍率でご覧頂いていると思いますが、如何ですか?このサンプルは何れ薄片を作成して観察する予定なのだが今の処取り掛かれるのが何時になるやら・・・

2011年10月11日火曜日

桜みかげ・万成石:I-6;東京都内の石造物

ティアラ江東の外回りに使用してあった石材で、万成石では無いと思われるのだが、カリ長石の巨晶らしきものが在ったのでご紹介する。
巨晶と言っても、大きな塊がゴロンと中に入っている訳では無い。広い範囲に跨って大きな一つの結晶の様な形状を示す事がたまに有ります。特にカリ長石は結晶が板状で薄いのでこのように偶々断面に現れたのでしょう。
屋久島の花崗岩は大きな斜長石の結晶が有名です。但し、屋久島の場合は黒地の中に数cmの斑晶が浮かんで面白いですよ。

2011年10月10日月曜日

桜みかげ・万成石:I-5;東京都内の石造物


ティアラ江東の続き。前の画像の右手、清澄橋通りから下り、階段を登って行くと右側の壁面にこの様な構造を見る事が出来る。真ん中の石材は全く別物だがそれ以外は同じ石材で在りながら仕上げ方法が異なるのでこの様な興味深く見える。下の画像はその中央の部分を拡大したもの。ノルウエー産のブルーパールだと思うのだが取り合わせが面白い。画面左側は小生の独自のスケール。一人で山野を歩いていると、どうしてもスケールを置く事が出来ない場合が在る。エクセルで等間隔の升目を描いている。25mmの升目を10等分して2.5mmの方眼を描いた部分と25x25と大書した升目を、裏面に糊のついた市販のラベル用紙に印刷したもの。もっと細かくスケールを作りたかったけれど当時のエクセルでは等間隔の描画が出来なかった。使い捨ての積りが意外と再利用出来て纏めて作ったものをもう何年も使っている。この様な垂直の壁等のスケールを当てる事の出来ない場合には威力を発揮する。

2011年10月9日日曜日

桜みかげ・万成石:I-4;東京都内の石造物

ティアラ江東の路面より一段低い場所からの公会堂左手の階段。右手はどうやらレストランらしい。残念ながらこの画像では花崗岩の色調は見えないかもしれないですね!
私が通勤時に此処を通過する時は、この画像の左手を流れる横十間川沿いに水上にしつらえられた木道を歩居ていたのだが、残念ながら勤務地がこの工場から市ヶ谷に移動させられてしまった。 川を北に遡れば亀戸天神の傍を通る事になる。建設中のスカイツリーも傍の橋の上から良く見えるので、よくカメラを向けていた。
この階段は施設の正面ではないので人通りはそう多くは無いのだが、残念ながら箱ものの宿命か、少々手入れが良くない為に花崗岩の表面にセメント分が析出している部分もある。そういえば石材のクリーニングは石材の種類が多くかなり難しいらしい。
「石材メンテナンス」をキーワードとして検索して頂くと木村ブラシ製作所さんが作成したpdfファイルを見る事が出来ます。63頁もあるのだが、石材についてもかなり詳しい様で興味深い内容で惹かれます。