2018年2月17日土曜日

千代ヶ崎砲台遺構見学会⇒別に戦争遺構に興味が有る訳では無いが

 暖かい日和に恵まれて三浦半島まで出掛けて来ました。久里浜のほんの少し北側に在る、千代ヶ崎砲台の第三砲座部分が最近発掘されて現場見学会(18日まで)に行って来ました。江戸から明治に掛けて東京湾周辺や湾口部に沢山の撃たない砲台をバカスカ造り続けた(存在が抑止力になった?)陸・海軍の遺構の中で、石材の使用に関する知識が向上し、石材の特性も徐々に明らかになるに過程で、「予算」の制約も受けながら、更に一方では石材に対抗してコンクリート技術も黎明期にあって、どの時代まで伊豆から凝灰岩質石材を採掘して来て砲台に使ったのか興味が在った。
①:今回発掘された第三砲台。奥の円型部分(手前は半分隠れている)に大砲が据えられていた。壁に設えられた凹みは砲弾を一時的に保管する場所。

②:大きさを認識する為に以前から整備されている第一砲座側から第三砲座側を眺めてみました。

③:巨大な石材を一体で運び込む事も出来ないのでこの様に分割して運び込み、この上に金属製の大砲や旋回装置が据え付けられた様だ。石材は勿論硬い雰囲気の岩石で或いは「閃緑岩」かもしれない。この手の岩石は判らん!

④:これがその石材の破断面。日照が強すぎて反射も強いので旨く撮影出来なかった。

⑤:砲座に使われた当時のコンクリートは「無筋コンクリート」川砂利を大量に、現在の骨材比とは比べ物にならないほど骨材が多かった。多摩川か相模川だと思う。

⑥:どうやら房州石らしい通路部分の擁壁。白く飛んでいるのは保護用のモルタルが残っている部分。

⑦:高い部分の石積みは房州石と違って、三浦半島の「鷹取石」の可能性が高そう。この部分の擁壁の笠石は安山岩が使われている。

⑧:これは残念ながら房州石か、三浦半島の黒色スコリア優勢の凝灰岩らしい。

⑨:房州石としてはやや妖しからぬ細礫が入っている切石。でも、房州石だろう!

⑩:帰途には新橋で途中下車して長崎料理の東京店の「吉宗:よっそう」で「皿うどん」で夕食。これが大好物!

以上

2018年2月16日金曜日

視界 4 mm 幅の世界

先日、石切り場で採集してきた凝灰質砂岩のサンプルを顕微鏡観察用に切断してみたが、サンプルの外側は硬かったのだが残念ながら内部にガサガサの処が有って切るに従って段々ボロボロになってしまった。
 小型の切断機で 10 mm 程度の厚みで切ったものを細粒の研磨材で、ほんの少しだけ舐める様にやってみたがそれでも内部の砂粒程のものが脱落するのが多くて、樹脂で固めなければ如何ともしがたい状態だった。諦めて取り敢えず未だマシな部分を顕微鏡で少しだけ撮影してみた。研磨が殆ど出来てないので画像の横幅が 4 mm になる様に倍率を調整。
観ておけば、それなりに役に立つ日が来るだろう。

最初の画像には二枚貝の破片らしいものが入っていた。

二枚目は小さな黒~灰色のスコリアで良く発泡している。

三枚目は中央に空洞の透明なガラスらしいものが有る。他にも似た様なガラスと思しきものが有ったが写りが良くない。大きさは 0.4 mm 程度。

四枚目も、二枚目よりはやや大きいが矢張り良く発泡したスコリアが入っていた。

五枚目は赤い色の酸化したスコリア。小さなものばかりだが、数は結構多い。もう少し、硬ければもっと良い観察面が得られたと思うけれど、何れ何かの足しになると期待しつつ。

2018年2月15日木曜日

千倉町平館の朝夷石

 御先祖が、地元の石を切る「石工」になって四代目で現在も家業は石材屋を営んで居られる方から、大正時代にこの地で凝灰質砂岩を切出し始めた頃の資料と、昭和初期の須賀川石、本小松石そして花崗岩等の加工品の販売価格やこの地石を用いたかまど等の価格表を頂戴した。未だ、整理は終わっていないが、なんとか今週か来週中には、データの突合せが出来そうになって来た。

こんなに美しい石材が、石灰質で思ったよりは硬いのだけど、須賀川から運ばれて来た栃木の芦野石に似た石の価格の1/5で販売されていたと云う。昭和六(1931)年のこの地域の石工さんの手間賃が1円拾銭の時に、一切(才:30cm角)と云う取引単位の価格が40銭だった。1日に「尺六」の3.6切の切石を 10本程度は切出していたらしいから、単に石工さんの単なる手間賃の10倍位には成っただろうが、安かったのだな!と驚く。
 結構繊細で美しい石材の画像を数枚ご紹介したい。





この三枚は画像の幅が20mmの狭い範囲の画像です。白い部分は貝からの細片や石灰質生物遺骸の細片、黒いのは良く発泡したスコリアです。




GVP 火山活動情報の概要:2月7日⇒13日;18火山

New Activity/Unrest

Fuego  | Guatemala  | 342090 | Elevation 3763 m
2月7-13日の噴火活動では火山灰を含む噴煙が 1.5 km 上昇しました。12-13日には岩屑雪崩が様々な方角の渓谷を下り、風下の地域では13日に降灰がありました。

Kadovar  | Papua New Guinea  | 251002 | Elevation 365 m
南東側火口の溶岩ドームが2月9日に崩壊し、高さ1m程度の小規模の津波が5-6回発生しました。津波は溶岩ドームの主な崩壊が起こる前の1050時に発生しました。2月12日の活動は主火口から20m程度の高さまで白い水蒸気の噴煙が昇る程度で、夜間には火映が観測されました。

Mayon  | Luzon (Philippines)  | 273030 | Elevation 2462 m
この間、連日溶岩が山頂火口から流出し、岩屑雪崩や溶岩噴泉、水蒸気の噴出、溶岩の山腹柄の前身、火砕流を起していました。溶岩流の先端では数多くの岩屑雪崩が発生しました。溶岩噴泉は6-10日の間は連続して発生しており、5日の0557時から10日の0700時までに290回の溶岩噴泉が地震波形で観測されました。噴泉は短いもので3分間、長いものは233分間継続し、半径 10 km まで轟音を轟かせました。溶岩噴泉は11-13日の間は散発的に発生していました。溶岩噴泉の高さはほぼ連続的な場合も、散発的な場合も高さ400mに達し、水蒸気の噴煙は火口上空 2.5 km に達し様々な方角に広がりました。溶岩流は東側には 900m、南側と南東側には夫々、3. km, 4.35 km 流れ下っています。警戒レベルは0-5段階の“4”。半径 8 km 以内は立ち入り禁止です。

Ongoing Activity

Agung  | Bali (Indonesia)  | 264020 | Elevation 2997 m
ここ数か月、火山活動は低下しているので、警戒レベルは0-4段階の“3”に引き下げられました。1月19日の噴火では火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 2.5 km に達し、24日には、 1 km 上昇しました。2017年12月に噴出した溶岩量は推定“20 million cubic meters”で、その後殆ど変化していません。地震活動は相変わらず変動していますがその数と強度は減衰しています。衛星画像では溶岩流の流出速度を反映して熱異常も減衰しています。
火山活動は未だに高いレベルで不安定であり、GPS観測結果は安定していますが、傾斜計は膨張傾向を示しています。深い場所でのマグマの活動を示す火山ガスの噴出量は、2017年の11月に測定された値よりも低下しています。2月13日1149時の噴火では、生じた火山灰を含む噴煙は火口縁の上空 1.5 km に達しました。

Aira  桜島 | Kyushu (Japan)  | 282080 | Elevation 1117 m
⇒気象庁のウエブサイトを参照下さい。
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/volcano.html
火山噴火予知連連絡会が開催され、「全国の火山活動評価について」等が公表されています。

Ambae  | Vanuatu  | 257030 | Elevation 1496 m
2月8-9日に火山灰を含む噴煙が高度 2.7-3 km に達しました。

Bagana  | Bougainville (Papua New Guinea)  | 255020 | Elevation 1855 m
2月7-8日に火山灰を含む噴煙が高度 2.4 km に達しました。

Cleveland  | Chuginadak Island (USA)  | 311240 | Elevation 1730 m
12月18日の噴火以来特段の活動は観測されていません。航空カラーコードは「イエロー」に引き下げられました。

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 | Elevation 1229 m
2月7-13日の間、火山灰を含む噴煙が高度 1.8-2.1 km の高度まで上昇しました。

Ebeko  | Paramushir Island (Russia)  | 290380 | Elevation 1103 m
2月5-8日の間、火山灰を含む噴煙が高度 2.4 km に達しました。航空カラーコードは「オレンジ」を維持しています。

Karymsky  | Eastern Kamchatka (Russia)  | 300130 | Elevation 1513 m
衛星画像で2月3日に熱異常が観測されました。航空カラーコードは「オレンジ」が維持されています。

Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | 332010 | Elevation 1222 m
⇒特段の活動の変化は報告されていません。HVOのウエブサイトの“Photo & Video Chronology”はここ2週間ほど更新されていないのでそろそろ新しい画像が出て来るかもしれません。
https://volcanoes.usgs.gov/volcanoes/kilauea/multimedia_chronology.html

Pacaya  | Guatemala  | 342110 | Elevation 2569 m
この間もストロンボリ式噴火が継続し山頂の噴石丘から上空30mまで噴石を吹き上げている様です。溶岩流は南西側と西側山腹で夫々150mに伸びています。

Popocatepetl  | Mexico  | 341090 | Elevation 5393 m
この間、連日少量の火山灰を含む 25-101回の噴火が生じています。爆発は 0130 and 2213 on 7 February, at 0457 on 8 February, at 1729 on 12 February,
and at 0631 on 13 February.に観測されています。2月9日と11-12日の夜には火映が観測されました。

Sabancaya  | Peru  | 354006 | Elevation 5960 m
活発な噴火活動は相変わらず継続しており、5-11日の間は連日平均18回の爆発を観測しています。火山灰を含む噴煙は火口縁の上空3.9 km まで上昇しています。亜硫酸ガスの放出量は2月10日には、日量で 2,062 トンでした。半径12 km 以内は立ち入り禁止です。

Santa Maria  | Guatemala  |  | Elevation 3745 m
“Santa María's Santiaguito”溶岩ドームでは地震観測により噴火が観測され、火山灰を含む噴煙は 700 m 上昇しています。岩屑雪崩が溶岩ドームの東側と南東側の山腹を下っています。

Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | 300270 | Elevation 3283 m
2月1-4、7日に熱異常が観測されています。航空カラーコードは「オレンジ」です。

Shishaldin  | Fox Islands (USA)  | 311360 | Elevation 2857 m
地震活動と空振観測データは活動の低下を示しており航空カラーコードは「グリーン」に引き下げられました。

冬場はライブカメラが停止したり画面が雪氷で覆われたりで中々見る事が出来ません。
今週は“Klyuchvskoy”,

“Whiteland”,

“霧島御鉢火口”,

“新燃岳火口”,

“霧島硫黄山”を御案内します。

以上