2013年9月14日土曜日

稲井石:砂岩の部分

稲井石は泥岩と砂岩の薄層の互層になっていて、その互層の面で割れないのが実に不思議な事と思うのだが、時たまこの様に厚い砂層が挟まっている事がある。
これは、野蒜の吉田川右岸。野蒜築港資料室が存在した近くの石碑。津波で破壊されたものか、かなり前からそうだったのかは判らないが崖に立て掛けて有ったり、地面に横たえられて居たりしていたものの一つ。白く光っているのは1円硬貨だから直径は20mmです。
 勿論、この砂岩と泥岩の境目で割れない訳では無い、古い石碑の中には補修しているものも存在する。これは明日ご紹介しよう。

2013年9月13日金曜日

野蒜石の露頭:タフォニーのいたずら

野蒜石は東北地方で広く用いられた凝灰岩質石材です。現在では鳴瀬川に沿った川下(かわくだり)で細々と採掘されているだけですが、大谷石や房州石とはまた異なった美しさをもっています。
何度か野蒜や東名等を中心に歩いて採掘跡や、この様な露頭を観察しています。これは海底の土石流でも有ったのでしょうかと思ったのですがどうやらタフォニーのいたずらの様です。
今回は、大きめの軽石を接写したり、軽石と軽石の間の黒色の礫を少し採取してみました。この露頭の直ぐ傍では、未固結と言える程度の泥岩片も沢山入っている層がありました。東名運河の南東側です。露頭のスケール代わりに右下に松の樹幹を入れました。

2013年9月10日火曜日

琵琶湖疏水・インクラインのねじりまんぽ

煉瓦繋がりで興味深い画像を一枚。今回の旅では瓦についての取材が中心だったのだが、昔の苦い思い出を振り返って地下鉄の「御陵」に立ち寄った。仔細はとても書けないがその足で久し振りに蹴上まで足を延ばし、南禅寺の甍を見る為に、この「ねじりまんぽ」をくぐった。
煉瓦造りのアーチは珍しくも無いが、上載荷重を浅い被りで通すには大切な構造らしい。
詳しい事は産業遺産を紹介した下記などを参照して下さい。
http://www.gijyutu.com/ooki/isan/isan-bunya/biwakososui/nejiri/nejiri.htm
http://www.kkr.mlit.go.jp/plan/dobokuisan/isan.php?id=186

これから宮城に向い2-3日凝灰岩質石材の調査に入ります。その間また更新出来ません!

2013年9月8日日曜日

鞆の浦の不思議煉瓦


広島県福山市の鞆の浦を散策中に不思議な煉瓦を数か所で見ました。大きさは普通の煉瓦程度の大きさですが、中に入っているのが亜炭~褐炭が大部分の様に見えます。
凝灰岩と異なり、採掘してこの形状に成形するのは無理がありそうなのでセメントか消石灰を混ぜて成形したものだと思うのだけれど
何時頃、誰が、どんな方法でこれを作っていたのか何方かご教示下さい。

鞆の浦付近は花崗岩の露頭が多いのでもっと生活の中に花崗岩が遥かな昔から生活の中に入っていたのかと思って居ましたが、新しいものや寺社建築を除くと意外と花崗岩が少ない(勿論あるのだが地元で取れる割りには)少ない感じがしました。古い煉瓦も、セメント(モルタル)の下に隠れて使われて居たりするけれど、人工のブロックが意外と多いのですね。

鞆の浦の南西側に平漁港が在って、此処から防波堤をトコトコ歩くと(波風の有る時は事故のもとなので辞めて下さい)玉津島まで行けるのだけれど、途中に見える花崗岩はかなり風化が進んでいましたね。

今月からめちゃくちゃ出張が増えます。従ってブログの更新も毎日とは行かなくなります。出張の旅に、可能な限り自費でもう一泊して、様々な場所の地質や、今はなぜ取り組んでしまったのか「瓦」について美術館や産地を巡っています。今週は仙台から石巻へ回ります。