2019年3月24日日曜日

今日は凝灰岩質石材を探して千葉県内を

今日は香取市から匝瑳市,多古町,旭市,銚子市で「飯岡石」と云う白い石灰質凝灰岩の利用状況調査。主要街道沿いの社寺の境内で、飯岡石製の石垣や敷石、石碑等の利用がどの地域まで広がっているのか?産出地と目される旭市刑部岬付近の海岸線(別の内陸の産出地も調査中だがまだ見付からない)からの街道筋別での距離を調べている。
この石材は、ガラス質凝灰岩が海底に堆積した際に、有孔虫とか様々な石灰質生物遺骸を巻き込んでいるので顕微鏡で観察すると結構興味深い。
石碑に使われた「飯岡石」板状の性質が生かされて、板碑や石碑の使用例から年代が判る事も多い。右端は明治36年の刻銘が有る

神社の参道に敷石として用いられた例

民家の石塀代わりの石垣

背面にスコリアの荷重痕が無いかとひっくり返すと割れていた。古い割れ目だと判る。



これまで、個人的には、この凝灰岩の適当な標本が無かったのだが、今日は旨い具合に割れている飯岡石を見付けたので破片の方をサンプルとして頂戴した。早速、今週は博物館で整形して顕微鏡画像を撮影したいと考えている。
今日は、これ以外に、銚子砂岩と伊豆の軟石三種類を観察する事が出来た。

上賀茂付近で採掘された凝灰岩。千葉県にはこれが多い。

大仁近くで採掘されたという石灰質を帯びた凝灰岩。石灰質の一部が溶けて砂礫や遊離結晶が抜け落ちた凹部が観察される。気泡と異なり円型では無い。

産地は不詳だが、良く似た岩石は須崎の爪木崎付近にも分布する。他の伊豆の凝灰岩と併用される事が多いので伊豆軟石に間違いないと思われる。
十ヶ所を巡って七ヶ所で凝灰岩質石材を観察出来たので上出来。3月15日に、888ヶ所の観察記録を纏めたばかりなのに、今日の未整理データを含めると922ヶ所へ34ヶ所っも増えてしまった。少しデータ整理のピッチを上げなければ・・・