2018年6月23日土曜日

GVP 火山活動情報の事

何時からこの情報の概要を御案内する様になったのか記憶はないが、初めてGVPのこの手の情報を目にした時は、文章の区切りが全く判り難いテキストファイルで苦労したが、この様な情報の宝庫が在る事には驚いた。
ネットで過去の情報が簡単に手に入るようになってから、データの保存も随分形を替えた。2014年からエクセルに火山情報の星取表を造り始めて231週が過ぎた。星取表には、地球上の火山として認知されている1500余りの火山から224の火山名がリストアップされているが、この内54の火山については2014年以降一度も噴火活動に関する情報は掲載されていない。従って過去4年半と云う地質学上の歴史感覚からいうと、稲妻の光る一瞬とも思える時間の中で噴火記録は170火山だけに在る。
毎週掲載される火山名の平均値は18.7火山。最大は2015年4月の31火山、少ない時は12火山。この231週間、毎週必ず掲載されたのはキラウエア火山。1回抜けは、カムチャツカの“Shiveluch”火山。100回以上掲載された比較的この時期に活発だった火山は、 カムチャツカの“Shiveluch”(230), インドネシアの“Dukono”(202), “Sinabung”(183), 桜島(162), カムチャツカの“Karymsky”(141), メキシコの“Colima”(124), カムチャツカの“Karymsky”(103), 程度。意外と少ない。
さて、記憶に残る火山画像の幾つかをご紹介して老人のたわごとを終えよう。画像の解説は無し!
Image courtesy of Icelandic Met Office

Image courtesy of Icelandic Met Office

Image courtesy of NASA Earth Observatory

Image courtesy of CVO/USGS

Image courtesy of CVO/USGS

Image courtesy of NASA Earth Observatory

以上

GVP火山活動情報の概要:6月13日⇒19日;18火山

Activity for the week of 13 June-19 June 2018
New Activity/Unrest

Fernandina  | Ecuador  | 353010 | Elevation 1476 m (FB既報)
6月16日0837時から群発地震が始まり、島の北西側の深さ 4 km に震源を持つ最大M4.1を含む M2.5 以上の9回の地震が観測されました。噴火は 1100 ~ 1115 の間に始まった事が付近を航行中の船舶に乗船していたガイドからの報告と、衛星画像で確認された熱異常で確認されました。噴火は、山腹の北北東方向の放射割れ目から始まり、少量の火山灰を含む火山ガスを 2-3 km の高さまで吹き上げ、西北西に 250 km 以上まで広がりました。溶岩流は数時間の内に海岸線に達しました。二日後に強力な噴火活動は収まり、同時に熱異常もやや収まりましたが、いまだに強い状態を維持していますが、亜硫酸ガスの噴出量は低下しました。
⇒近くの“Sierra Negra”火山が噴火した様です。
⇒以下の“Photo Gallery”に過去の画像が有ります。
http://volcano.si.edu/volcano.cfm?vn=353010
⇒この火山のスペイン語(だと思う)の火山活動情報は下記で閲覧できます。
http://www.igepn.edu.ec/

Fuego  | Guatemala  | 342090 | Elevation 3763 m
この期間中にフエゴ火山から、6月3日以降に火砕流等で堆積した火山灰を含む、大型でしばしば高温で水蒸気と硫黄臭を伴うのラハールが発生しましたが、ラハールは"Cenizas (SSW), Las Lajas (SE), Mineral,Santa Teresa (W), El Gobernador, and Taniluyá (SW) ”峡谷を流れ下りました。ラハールの規模は、幅 20-45 m , 深さ 3 m 程の規模で、しばしば直径 3 m 以上の岩塊や樹幹や枝葉も運びました。6月14日にはラハールが"Morelia (9 km SW), Panimaché I and II (8 km SW), Santa Sofia (12 km SW), El Porvenir (8 km ENE)”等の街を襲い軍隊に救助を要請した。17日の午後に“Pantaleón”川の水位が上昇しました。6月16~19日の間は連日、毎時7回以上の爆発が発生し、火山灰を含む噴煙は火口縁の上空 1.2 km 以上上衝しています。爆発の幾つかでは半径 10 km 以内で爆発音が聞こえています。岩屑雪崩が17-18日に“Santa Teresa, Las Lajas, and Cenizas”等の峡谷を下り、火山灰の噴煙が生じ、19日には"Panimache, Morelia, Sangre de Cristo, and finca Palo Verde”等に降灰をもたらしました。多数の人々が6月3日の火砕流で亡くなりましたが、判明しているのは110名であり、他にも197名が行方不明です。また、12,823が避難しています。

Great Sitkin  | Andreanof Islands (USA)  | 311120 | Elevation 1740 m
衛星画像によりごく短時間の水蒸気爆発が6月10日に発生し、山頂火口の形状が小規模ながら変化し、新しい小さな火口が主火口の北側に開口し、ました。主火口の北側に新しい噴気口が開口し以前より強い水蒸気を噴出しました。地震活動は15~16日に通常レベルまで低下しました。
⇒この火山については“AVO”のサイトを参照下さい。1998年に発行された“CATALOG OF THE HISTORICALLY ACTIVE VOLCANOES OF ALASKA(全104頁)の79-81頁に少し記述があります。GVPの方が詳しいかもしれません。
http://volcano.si.edu/volcano.cfm?vn=311120
https://www.avo.alaska.edu/volcanoes/volcinfo.php?volcname=Great%20Sitkin

Ibu  | Halmahera (Indonesia)  | 268030 | Elevation 1325 m
14~19日の間、白色から灰色の噴煙が火口縁よりも 200-600 m上空まで噴出していました。警戒レベルは"1-4”段階の“2”で、火口から半径 2 km 以内は立入禁止です。

Ongoing Activity

Agung  | Bali (Indonesia)  | 264020 | Elevation 2997 m
6月13日1105時に濃密な火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 2 km まで上昇し西に拡散しました。地震観測データから噴火は2分12秒で終わり、別の噴火が15日の2115時に観測されました。天候が霧の多い状態の為に噴煙の到達高度は不明ですが西側に降灰しました。警戒レベルは“1-4”段階の“3”で、半径 4 km 以内の立ち入り禁止区域は変わりません。

Aira 桜島 | Kyushu (Japan)  | 280080 | Elevation 1117 m
6月11から15日までの間に南岳で8回の噴火が発生し火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 1.6 km まで上昇した。6月16日1719時に爆発的噴火が発生し、火山灰を含む噴煙は高度 4.7 km まで上昇しました。(2017年5月2日以来、高度 4.0 km に達したのは初めてです)火砕流が南西側山腹を下りました。これ以前に観測された火砕流は4月1日の昭和火口からのものが最後でした。警戒レベルは“5”段階の“3”

Cleveland  | Chuginadak Island (USA)  | 311240 | Elevation 1730 m
6月13-19日の間、低レベルの不穏な状態が続きました。天候状の条件が良い時には衛星画像で表面温度の上昇が観測されていました。
地震観測や空振に異常は観測されていません。航空カラーコードは「イエロー」

Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | 268010 | Elevation 1229 m
衛星画像の情報から、13-17日の間、火山灰を含む噴煙が高度 1.8-2.1 km に達していた事が報告されました。

Karymsky  | Eastern Kamchatka (Russia)  | 300130 | Elevation 1513 m
5月20の衛星画像で熱異常が観測されました。航空カラーコードは「イエロー」に引き下げられました。

Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | 332010 | Elevation 1222 m
“ Kilauea’s Lower East Rift Zone (LERZ) ”地区と“Overlook Crater within Halema`uma`u Crater”での活動は継続しています。
溶岩噴泉とスパッターの発生は割目火口“8”に集中しています。流れ出す溶岩は“ Leilani Estates and Lanipuna Gardens subdivisions”で広がりかっての“Kapoho Bay”であった領域を埋め尽くして海中に投じています。少量の溶岩が割れ目“ 16/18 ”で時折観測され、スパッターの発生が割れ目火口の“6 と 16”で発生しています。ハワイ州“ Civil Defense ”に拠れば 553件の住居が溶岩流により破壊されています。火口底と火口壁における内側へのスリップと陥没は、山頂での陥没とマグマの低下に従って続いています。水蒸気の噴煙が割れ目火口とその周辺から続いています。火口を取り巻く周辺のクラックからは水蒸気の噴煙が立ち上り、山頂での爆発周囲連日続き、火山灰を含む噴煙は高度 3 km まで上昇しています。6月18日の0613時に住民から地震と地鳴りが聞こえたと報告が入り、後で降灰が生じました。割目火口8の溶岩噴泉は安定しており、高さ 52 m に達した火砕丘の上 60 m まで噴出しています。女神ペレーの毛髪やその他の火山ガラスは“Leilani Estates”内に堆積し海に流れ込んでいます。時折、主要溶岩流から脇道へ少量の溶岩が流れ出しますが、殆どの溶岩流は太平洋に流れ込んで大量の水蒸気を噴出しています。溶岩デルタの面積は6月16日現在で 130 ヘクタールです。“Laze”の噴気は海に流れ込む何処でも発生します。溶岩デルタの先の熱湧昇領域では溶岩流が海底を流れているのでしょう。

Klyuchevskoy  | Central Kamchatka (Russia)  | 300260 | Elevation 4754 m
13-14日に弱い熱異常が衛星画像で観測されています。航空カラーコードは「オレンジ」。

Langila  | New Britain (Papua New Guinea)  | 252010 | Elevation 1330 m
衛星画像等の情報から6月17日に火山灰を含む噴煙が高度 2.4 km まで上昇し西に広がった模様です。

Pacaya  | Guatemala  | 342110 | Elevation 2569 m
6月13日と16-18日にストロンボリ式噴火が“Pacaya’s Mackenney Crater”火口で発生し、火砕質などを火口縁の上空 50 m まで噴出しました。火山灰の噴煙は山頂上空 3.5 km まで上昇しました。

Sabancaya  | Peru  | 354006 | Elevation 5960 m
11-17日の間、この火山は連日平均 19 回の爆発的噴火を繰り返し、火口縁の上空 1.4 km まで吹き上げました。熱異常も観測されており、6月14日に計測された亜硫酸ガスの量は日量で4,300トンでした。火口から半径 12 km 以内は立ち入り禁止です。

Santa Maria  | Guatemala  | 342030 | Elevation 3745 m
6月13日、ラハールが南側山腹の“Nimá I drainage”峡谷を流れ下りました。ラハールは幅15-18 m 、深さ 1-2 m で直径1.5 m の岩塊や樹木を運びました。火山から西北西に 18 km の“ Quetzaltenango ”には、雨が続き、ラハールの危険が強まった為に16日に警戒警報が布告されました。16-18日に弱い噴火が発生し、火山灰を含む噴煙が溶岩ドームコンプレックスの上空 700 m まで上昇しました。

Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | 300270 | Elevation 3283 m
弱い熱異常が衛星画像で13-14日に観測されています。航空カラーコードは「オレンジ」。

Sinabung  | Indonesia  | 261080 | Elevation 2460 m
6月15日の0700時に噴火により火山灰を含む噴煙が火口縁の上空 500 m まで上昇しました。警報レベルは“1-4”段階の“4”です。南南東側の半径 7 km 、東南東の半径 4 km その他の半径 3 km は立ち入り禁止区域です。

Yasur  | Vanuatu  | 257100 | Elevation 361 m
14-15日と17-18日に断続的に低レベルの噴火が有り、火山灰を含む噴煙が高度  0.9-1.2 km まで上昇しました。

以上

2018年6月22日金曜日

霧島山系新燃岳の火山活動解説資料:6月22日1800時公表

霧島山系新燃岳の火山活動解説資料が公表されています。ここでは画像等極一部のみを御案内しますのでご興味がありましたら下記気象庁のサイトで御確認下さい。pdfファイルで提供されています。









http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/monthly_v-act_doc/fukuoka/18m06/201806221800_551.pdf

十勝岳の火山活動解説資料:6月22日1600時公表

18日に引き続き十勝岳の火山活動解説資料が公表されています。ここでは画像等極一部のみを御案内しますのでご興味がありましたら下記気象庁のサイトで御確認下さい。pdfファイルで提供されています。









http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/monthly_v-act_doc/sapporo/18m06/201806221600_108.pdf

2018年6月21日木曜日

聖橋の「さくらみかげ」等

週に一日だけ、午後だけ勤務する日が出来てしまった。のんびり出勤するのも手だが、折角のチャンスなので都内で石材を観に行きたいと思いながら行けないでいる場所をこの際潰す事にした。初回は御茶ノ水の聖橋とその周辺で、雨の為に撮影条件は悪るかったが、ここのカリ長石がピンクの花崗岩は少なくとも二種類が使われている筈だったと思いだし確認した。橋の欄干の内側は一応ピンク色の花崗岩なのだが、両脇と中央部で矢張り使われている花崗岩が異なっていた。
最初の画像は昌平橋から観た聖橋。遠目に見ると無機質なコンクリートだが

欄干の内側は桜色のカリ長石が目立つ

三枚目に二種類の花崗岩の切り替わる点の画像。左側が岡山の万成石:桜御影に近い

その後は二種類の一枚の貼板の状態と、スケール無しの組織の違いを見る画像。



似ている様で別の産地の石材



最後の画像は、昌平橋まで行ったので、この橋の左岸下流側の袂に口を開けている「お茶ノ水分水路」の下流側の図。これは増水に備えて左岸側に直径10mの分水路をシールド工法でぶち抜いたもの。確か水道橋辺りに上流側の入り口がある。

前後の経緯は忘れたが、施工したゼネコン“TK”にお願いして別のゼネコンの方々を見学に御案内した事がありました。このシールド工事の頃は10mのシールドがとても大きく感じたものでした。こんなサイトがありました。
http://biboulog.com/archives/2011/03/07-131038.php

2018年6月19日火曜日

ガラパゴス諸島の“Fernandina”火山で6月16日から割れ目噴火

噴火は2017年の9月以来の事で、6月16日の衛星画像で最初に確認された模様です。この火山についてのGVPのデータベースは下記に有り、画像や噴火史がチェック出来ます。ガラパゴスの竜の落とし子のお腹の前に在る火山島です。  http://volcano.si.edu/volcano.cfm?vn=353010


エクアドルの火山観測機関である“IG:Instituto Geofisico”のサイトに掲載された2018年のNo.4 火山情報では、スペイン語なので“translate Google”を利用すると「地球物理学研究所で受け取った写真やビデオのおかげで、火山のNNE側面にある放射状の亀裂噴出が確認されました( 図 2 :引用 )。 と書かれています。

溶岩流は海に達し、灰分の少ないガス雲は西北西方向に250km以上伸びています( 図 3:省略 )。 この火山の過去の噴火には数日から数週間の期間がありましたので、この噴火の過程で同様の期間が見積もられます。」また、NO.4には、(火山性地震の震源分布図⇒誤記でした訂正します)噴火の可能性のある領域図とSO2ガスの拡散状況を示す画像ががありますので引用して御案内します。



同様にNo.3には最近撮影されたと思われる衛星画像がありますので、これも引用して御案内します。

順不同で申し訳ありません。詳細を確認されたい方は“IG”のサイトを参照下さい。スペイン語です。Image courtesy of IG, Marcelo Izquierdo, Yate la Pinta, NOAA GOES 16
http://www.igepn.edu.ec/