2015年5月23日土曜日

GVP 週間海外火山活動情報 5月13日 ⇒ 19日

これはスミソニアン博物館の担当部門が取り纏めている世界中の過去1週間の火山活動情報の内国内分を除いた情報の概要を紹介するものです。


New Activity/Unrest
 Bulusan  | Luzon (Philippines)  | Elevation 1565 m | 0703-01 : 273010
報告に拠れば513-15日と17-19日の間に6回の火山性地震が記録されました。い水蒸気の噴気が南西側火口と北西側山腹の上部火口から上昇するのが確認されています。噴煙は南西側と西北西に、或いは山腹を下りました。警戒レベルは平常では無いレベルの“1”を維持し半径4km以内のPDZ区域には立ち入らぬよう警告しています。
  
Calbuco  | Chile   | Elevation 2003 m | 1508-02 : 358020
13-19の間、活動は低いレベルで変動しながら減衰しています。天候の悪化で山頂エリアの目視観測は出来ませんが、17-18日には火映現象が観測されています。半径20km以内の避難区域から避難中の住民は18日現在で6,685名。19日には警戒レベルはオレンジに引き下げられ、避難区域は半径10kmに変更されました。
  
Chaiten  | Chile   | Elevation 1122 m | 1508-41 : 358041
17日の報告では、7回の複合地震が火山下1kmで観測されました。最も大きなマグニチュードは3.6でした。19日の二度目の報告では地震のレベルはここ数か月よりは、マグニチュードが大きくまた長周期地震や火山性地震、複合地震等がやや増加している様です。報告では触れられていませんが、溶岩ドーム複合体では熱異常が観測されています。警戒レベルはイエローに引き上げられました。
  
Etna  | Sicily (Italy)   | Elevation 3330 m |  0110-06 :211060
512日からNSEC火口で新しい活動が始まり翌日まで続きました。
13日の0410時に三か所での火口の開口を伴う小さな崩落が、東西方向の弱線にそったNSEC火口の東側リムの下で発生し、その中の一つから少量の溶岩を流しました。0800時には亀裂は火口縁から200mの所までたった10分で広がりました。この現象時には崩落と甘い火山灰の噴出を伴いました。ストロンボリ式活動が夜間に入り増加し、連続的なストロンボリ噴火となり時に火山灰を伴いました。活動は14-15日まで継続しました。火山灰の噴煙は数百メートル上昇し風により拡散し、少量の降灰が報火山の南側と北東側から告されました。熔岩流が北東側の“Mt. Rittman”山と東側の“Mt.Simone”山に流れ、後者は二つに分岐し、一つは“the Valle del Bove”の北側の壁に向い、もう一つは西に流れてNSEC火口から5kmの距離まで流れました。噴火活動は15日には減少に転じ、16日には終息しました。

 Kilauea  | Hawaiian Islands (USA)  | Elevation 1222 m | 1302-01 : 332010
報告に拠ればキラウエア火山のハレマウマウ火口の溶岩湖の液位は59日に低下を始め、15日には高くなった火口縁から50m下まで下がってしまった。溶岩湖の低下は山頂区域での膨張が収縮に変わる変化を伴った。加えて、13日には変形の中心部はキラウエア火山の山頂カルデラの南部からかって局所的な傾斜を記録した事も在るSWRZに移動した。15日には地震の数が増加。データはマグマがカルデラ南部の下と上部SWRZに移動した事を示している。16-18日には傾斜の変化率は弱まり、山頂部とSWRZは通常レベル程度だったが減少した。19日、山頂エリアでの地震数は通常レベルに、傾斜はやや収まった。溶岩湖のレベルは火口底から45-50mの位置に留まっている。夜間には火映現象が観察され、溶岩湖内の活動が活発である事を伺わせる。627日溶岩は相変わらず活動的。

Lokon-Empung  | Sulawesi (Indonesia)  | Elevation 1580 m | 0606-10 : 266100
56-13日の間、白煙が“Tompaluan”火口の上空25-50mまで上昇していたが、天候の悪化でしばしば目視観測が阻まれた。地震活動は変動しているが全体としてやや減少している。警戒レベルは1-4段階の3.ダーウインVAAC20日に噴煙が高度3kmまで上昇した事を報告した。天候の悪化で衛星画像は確認されていない。

Piton de la Fournaise  | Reunion Island (France)  | Elevation 2632 m | 0303-02  : 233020
報告に拠れば54-16日の間地震の回数と強さが増加し続け、山頂部の隆起が観測された。火山ガスの中でも3日に亜硫酸ガスがピークに達した後、硫化水素ガスの噴出が5日以降に増加した。17日には地震が活発化し、1100時と1230時には観測ネットワークは200もの火山性地震を観測し、1250時には強さが増した地震の集中が起こり始めた。火口部分の変形が確認されて数分後の1345時に“Dolomieu”火口の南東外側で溶岩噴泉が始まった。噴火が始まって15分後に雲が移動し目視観測が出来るようになり、火山学者は溶岩噴泉は割れ目噴火口からであり、二筋の熔岩流が有る事を確認。最初の数時間は巨大な火山ガスの噴煙が高度3.6-4kmまで上昇し北西に広がった。真夜中になる前に最も西側の割れ目からの溶岩の流出は停止した。
 18日には1個の割れ目火口だけが活動を維持し南南西に拡がる火山ガスの噴煙は小型になった。硫化水素ガスの放出量は依然として大量で炭酸ガスの放出量も増加した。溶岩噴泉は40-50m上昇し溶岩流は4kmも延び高度1.1kmまで広がった。19日のフィールド調査では溶岩噴泉は高さ20-30mで、溶岩流は前日よりも750m先に進んで、標高1kmまでに達した。

Ongoing Activity
 Ambrym  | Vanuatu   | Elevation 1334 m | 0507-04 : 257040
18日の報告に拠れば警戒レベルは0-5段階の2.危険な領域は以下の火口・噴気孔付近と降灰が起こり易い風下。(Benbow, Maben-Mbwelesu, Niri-Mbwelesu and Mbwelesu)

Batu Tara  | Komba Island (Indonesia)  | Elevation 748 m | 0604-26  :264260
衛星画像等からダーウインVAAC16-19日に掛けて噴煙が高度2.5kmまで上昇し35-95km西或は北西に広がった事を報告。
  
Chirpoi  | Kuril Islands (Russia)  | Elevation 742 m | 0900-15 : 290150
衛星画像等から12日と16日に熱異常が観測された。その他のこの期間の日々は雲に阻まれて観測出来なかった。航空カラーコードはイエロー。
  
Colima  | Mexico  | Elevation 3850 m | 1401-04 : 341040
衛星画像等からワシントンVAAC16日に噴煙が上昇し高度5.5kmに達し東南東に95kmまで広がって拡散した。熱異常も観測され、この日遅く火山灰の噴出があり東南東に95kmまで流れて拡散した。
  
Dukono  | Halmahera (Indonesia)  | Elevation 1335 m | 0608-01 : 268010
衛星画像等からダーウインVAAC17-19日に噴煙が発生し高度3kmに達し東あるいは北西に45-75km広がった事を報告した
  
Fuego  | Guatemala  | Elevation 3763 m | 1402-09 : 342090
14-15の両日は噴火の回数も強さも大きかった。14-17日の間は噴煙は火口の上450-750mまで上昇し10-12kmにしか南西に広がった。幾つかの爆発の際には近隣の家屋を衝撃波が遅い家屋を揺らした。降灰は“Panimache, Morelia, and Santa Sofía.”等から報告された。18日の特別報告では、岩屑雪崩はいくつもの渓谷を流れ下った。18-19日の爆発では火山灰の噴煙は550-750m上昇し、10km西あるいは南西ン広がった。降灰も報告された(地名省略)白熱テフラは150m噴出され、岩屑雪崩は複数の渓谷を流れ下った。
  
Karymsky  | Eastern Kamchatka (Russia)  | Elevation 1513 m| 1000-13 : 300130
クベルトに拠れば中規模の火山活動が8-15日の間継続したようで、航空カラーコードはオレンジを維持。

 Manam  | Papua New Guinea   | Elevation 1807 m | 0501-02 : 251020
衛星画像等からダーウインVAAC13日に火山灰の噴煙が高度3kmで北東に35kmまで広がった事を報告した。
  
Sheveluch  | Central Kamchatka (Russia)  | Elevation 3283 m | 1000-27 : 300270
クベルトに拠れば、8-15日の間、溶岩ドームの成長は続き、白熱現象や高温岩塊の岩屑雪崩や噴気活動が観測された。衛星画像では熱異常も観測されている。航空カラーコードはオレンジ。
  
Shishaldin  | Fox Islands (USA)   | Elevation 2857 m | 1101-36 : 311360
13-19日の間、地震活動は比較的高いレベルを維持した。地震観測から低レベルの噴火活動が山頂火口で継続しているらしい事が理解される。15日。低レベルながら激しい火山ガスと水蒸気の噴煙に少量の火山灰が混ざったものがウエブカメラで捉えられた。温度の上昇が衛星画像で確認されて江いる。航空カラーコードはオレンジ。
  
Sinabung  | Indonesia  | Elevation 2460 m | 0601-08 : 261080
4-12日の間は霧がひどく、ほんの数日だけ視界に恵まれた。4日、白色から灰色の濃い噴煙が700m上昇した。7-11日は白い噴煙が700m上昇し、10日には溶岩流は溶岩ドームから1km南に流れた。溶岩ドームから生じた火砕流は12日に南に3km流れ下り、火山灰の噴煙が発生したが大部分は霧の中だった。岩屑雪崩のサインや低周波地震火山性地震などは全体的に減少した。警戒レベルは1-4段階の3.半径4km以内は立入禁止。
  
Soputan  | Sulawesi (Indonesia)  | Elevation 1784 m | 0606-03 : 266030
6-13日の間白い噴気が100m程上昇していたが天候の赤でしばしば視界を遮られた。地震活動は変動しているが火山性地震は引き続き記録されている。警戒レベルは14段階の3.半径4km以内と西南西側山腹の6.5km以内は立入禁止。

 Turrialba  | Costa Rica  | Elevation 3340 m | 1405-07 : 345070
141520時に火山灰の噴煙が発生し西に広がった。18日は1018時に噴火が始まり23分後に終息した。この時噴煙は火口上空400mまで上昇し北西に広がった。別の火山灰の噴出が1350時に発生し25分間継続したが噴煙は500m上昇し北西に広がった。1549時には三度目の火山灰の噴出が有り北北西に広がったが曇りがちで高度は未確認。

 Villarrica  | Chile  | Elevation 2847 m | 1507-12 :357120
56-12日の間に活動状態が大きく変わった。これまでは弱く溶岩湖からの頻度が低いストロンボリ式噴火だったが地震活動が減少した。警戒レベルはオレンジを維持しており、半径5km以内への立ち入りと渓谷には近付かない様に警告されている。


Zhupanovsky  | Eastern Kamchatka (Russia)  | Elevation 2899 m | 1000-12 : 300120
クベルトに拠れば8-15日の間も弱い活動が続いている。衛星画像では弱い熱異常が14日に観測されている。他の日は雲に阻まれて観測出来なかった。航空カラーコードはオレンジ。以上

鎌倉石 (17) 明月院通り 小袋谷川に架かる石橋 二橋

北鎌倉の明月院に向う通り沿いの小袋谷川は支流だから別の名前が在ったかもしれないが、その川に架かる個人邸専用の橋の中に二ヶ所、どうやら鎌倉石を使ったらしい小さなアーチ橋がある。
一つは、欄干部分が大谷石だろうか別の石材で補修されているが、もう一つは全体が鎌倉石の様だ。

 上の二枚の画像は勿論、同じものだが、欄干部分が異質な石材の様に思われる。
下の画像の場合は全てが鎌倉石らしい、



 橋の袂に経っていた多分橋の名前を書いたのであろう標柱。残念ながら読めない。その下の植物は、岩タバコに白い花は有っただろうか?でも多分岩タバコ。実は凝灰岩の採掘跡にも良く生えるのです。

2015年5月22日金曜日

鎌倉石 (16) 十二所神社の石垣

 実は十二所神社の境内は石切り跡では無いかと思わせる風景が広がっている。石垣は端っこを大谷石で補修しているのは残念だが比較的軟らかそうな、光触寺の墓地の崖上部の、浦郷層かもしれない。石垣の石材は鎌倉石の特徴的な赤褐色の色調に欠ける。また地層が乱れて泥岩偽礫の集合体の様な構造が見える。

 敷石は、一般的な赤褐色の鎌倉石が用いられている。地元の参詣者も多い事と思われるが、階段部分共に良く保存されている。嬉しい事である。

 門前に建つ石灯篭も勿論、鎌倉石製
 

2015年5月21日木曜日

鎌倉石 (15) 光触寺墓地脇の石切跡 B-1

東側の崖の下にある横穴の採掘状況。此方もそれほど大きくない。断層で割れているので、最初に掘り始めてから直ぐに採掘の方向を変えている。崖全体がもし石切り跡だったとしても、途中にかなりの中断時期があり、前の情報が伝わらない状態で新たな石工が試掘を始めたが途中で放棄した野ではないだろうか、一応、厚みのある方向に採掘しているのは間違いないが・・・
正面には掘り進めず割目に合わせて方向を変えている。

穴の向って左手の採掘痕。これも垣根掘りでは無いので、上部に空間が有ったのだろう。石質が良くとも、山にひび割れが多ければ仕事にはならない。

2015年5月20日水曜日

鎌倉石 (14) 光触寺墓地脇の石切場跡 A-2

 横に掘り進んだ部分を見てみよう。この部分はもう一つの石切り場と言われる崖との間に狭い尾根状に突き出ているだけなので、殆ど掘りだせないのに何故無理に掘りだしてしかもその途中で止めててしまったのか?本来壁面を洞窟状に掘り進む場合は、様々な痕跡から判断して、垣根掘りにする事が多いのだが、この部分ではその様にしていない。
 奥の壁の切残しをやや下側から眺めるとこんな雰囲気、画像の上の方は天井。天井は採掘痕が無いのでひび割れで脱落したのだろうか?下隅には刃鶴の刃先の痕跡が残る。石材と石材の間の隙間は6cmから7cm。長さ90cm奥行きはやや深くて20cmあった。仕上がり寸法が5-6寸という処か。
刃鶴の痕跡を拡大してみた。


2015年5月19日火曜日

鎌倉石 (13) 光触寺墓地脇の石切跡 A-1

光触寺の東側に広がる墓地の脇に二つの垂直に切り立つ崖が背中合わせに並んでいる。取敢えずその識別の為に、光触寺に近い西側を“A”、更に東側を“B”とさせて頂いた。考古学の調査資料を拝見していると、この両者共に比較的大規模な石切場として認識されており、その一部に鉾に掘り込んだ石切り跡が残るとされている。但し、現状では崖面の風化の為に表面に採掘による切削痕は残されていない。
私は、実はこの崖全体は成因は不明だが石切りでは無いのでは?と考えている。古い時代の石切跡の可能性を否定する材料は殆ど無いのだが、地質図で確認すると、この地域の表層地質は浦郷層という事になっている。
この上の画像を良く見て頂くと下の方の灰色と白の清掃した地層の直ぐ上で実は地層が真横に切断されている。これが浦郷層と下位の池子層との間の平行不整合ではないかと思っている。その事と、上位の地層には妙に不均質な部分も在り、泥岩の偽礫も混ざっているので、石材としては比較的良質とは言えない様に感じている。
勿論、此の地のやや北に位置する十二所神社の石垣には泥岩の偽礫を含む石材が使われているから、可能性を全く否定する事は出来ないが少し柔らかすぎる様に思う。泥岩偽礫は、例えば下図の様に存在する。 十二所神社の石垣については後日ご紹介する。

2015年5月17日日曜日

鎌倉石 (12) 十二所 光触寺の石積み

 光触寺山門付近の佇まい。下の画像は右手の石垣を拡大
 石垣の石材で比較的素地が良く見えるものを抽出
 この角がスッキリして痛みの少ないのは山門横の石積
石材にはほぼ砂質の部分だけのもの(上)と白い軽石片が混ざる部分とが有る。
勿論その中間のものも当然存在する。
光触寺付近の谷筋は急傾斜の部分が多いが大部分はコンクリートの擁壁で覆われている。その一部に数か所の石切り場跡が現在も残されている。これについては後ほど。

鎌倉石 (11) 東慶寺の仏塔

北鎌倉の東慶寺には立派な鎌倉石製の仏塔が建立されている
表面の石材の素地が観察できる部分