2016年2月7日日曜日

七里川石

君津市の黄和田畑にある七里川温泉から小櫃川沿いに南下すると途中に小さな石切跡が見える。
石切場は川沿いにかなり沢山あって、当時は高宕石と市場を二分していたらしいのだが、舟運を望めるような川では無かったので遠隔地には運ばれず、現在の君津市内を中心にその市場が存在したらしい。
少し風化すると赤茶けた風合いを見せる石材で祠や仏塔に用いられている。
高宕石と異なり、この石材は石灰質では無い。貝殻片の様なものが見えていたが、どうやらテフラや斜長石の風化したものらしく、希塩酸は発泡しない。発砲しないどころか、隙間が多いので希塩酸がサッと間隙に吸い込まれて、実体顕微鏡で観察しながらでも発泡を見る事が出来ない。火砕質なのです。
一部を拡大すると:画像の横幅は36mm
三浦半島で観察される砂岩に似てくる。但し、この石材にも様々な変化があり、那珂には大きな軽石様にみえるテフラの塊(いったん堆積して半固結したものが破砕されたもの)を多く含む石材も存在する
テフラの比較的多い部分を観察すると
砂の多い部分ではこのような雰囲気。

現在研磨機が(場所の問題で)使えない状態なので平面を造れないので凹凸の激しい試料をそのまま使っているので鮮明ではないのが残念。