2020年7月8日水曜日

岩石と地層の表情:071;旧吉井町商工会館玄関前装飾

一応出掛ける前に調べが付いていたのは、この旧吉井町商工会会館の玄関前の装飾にこの石材が使われている事でした。一応、お断りをしてから撮影させて頂いています。模様が不定形なだけでは無く、石材を薄く板状に加工して、模様を対称系に配置する事で模様の不思議さを演出しています。
玄関前の多胡石の装飾の全体像です。上下方向の中心付近の水平線が対称軸になっています。
真ん中付近の一部を切り取っています。茶褐色:鉄錆色の模様の線幅は様々ですし、模様の出来方にも特段の法則性が見出せません。
模様の鉄錆色の曲線は場所により全く異なります。この部分に関しては濃淡の差もあります。堆積時の構造にも(粒子径の分布や細粒分に拠る目詰り等)にも影響されている様です
拡大図です。意外と粗粒であるようです。

堆積模様と鉄錆色の線の方向性と加工時のカッター目の方向などどうにも方向性が良く読めません。
商工会館の近くの空き地はどうやら石屋さんの跡地らしく、石材等も積まれている中に、古い昔の「流し」が置かれていました。風呂場の流しにしては狭いけれど台所の流しの形状でも無いような・・・
「流し」の底の面は勿論細かなノミの傷跡もありますが、結構平らに仕上げっています。
石臼もありました。清掃せずに撮影してしまって手抜きで申し訳ありません。
礎石にもこの砂岩が使われています。地元の石材として、建築物の装飾壁や庭園の燈籠だけでは無く、様々な生活に密着した用途が有ったようです。

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