2020年7月2日木曜日

岩石と地層の表情:065;天神山:馬見岡凝灰岩露出地

天神山はやや交通不便な場所にあります。石器の展示で有名な岩宿から更に西に在り、車での移動が不可欠の様で、バス路線を探してみましたが最寄りの路線は無さそうでした。
ここでは細粒のガラス質の白色凝灰岩が採掘されていますが、何れも小規模でこれでは大型の五輪塔など制作出来るのだろうかと疑問に思っていたのですが、その北側の「坊谷戸」付近では比較的規模が多く石材が採掘されていた様で、国土地理院の1974年から1979年の写真地形図を見ると直線的に山を切り開いた雰囲気が見えます。残念ながらその付近は既に宅地化しています。
最寄り駅或いは国道からの位置関係を示しています。天神山の南端側に少々判り難くく狭いながらも駐車スペースがあります。
笠懸村史から抜粋した天神山の石切場跡分布図です。90度回転していますので左が北になります。緑線がGPSトレースから想定した私が歩いたコース。黄色の細い線が、確かこの位置に細い踏みつけ道が在ったと記憶(前に来た時の)する位置。石切場 1 の半分位が駐車スペースです。
駐車スペース脇の、ここでは一番広い石切跡です。割れ目が多く、それでも切り出し跡は小さくこじんまりとしています。
山中の石切場は殆どこの様に雑草に覆われ石材の露頭は見えない事が多いのです。枯葉と雑草の下に岩塊が潜んでいる事が多いので、踏みつけ道以外を歩く時は注意して下さい。
雑草の下から出て来た岩塊です。明らかに石切工具の跡が残っています。
石材を採掘した跡です。ハンマーの大きさと比較してこれでは大きなものを製作する事が出来ないと思います。小型の五輪塔も難しそうです。
石材を採掘した跡の隅に、タガネの様な工具痕が残っています。(前の画像と比べると石工に拠って作業法が異なるようです。いろんな石工が来てごく少量採掘して持ち帰っていたのでしょうか?)
駐車場脇の少し奥の方の石材を見るとクラックが多くこれでは採掘しても使い物になりそうではないですね。
駐車場脇に有った大きな岩塊の一部に貝殻の陰影のような模様が見えました。海成層ですからあり得る事ですね。数 mm の小さな陰影なので超接写です
小さな岩塊を一つ割らせて頂きました。軽石も入っていますが、小さな黒い砂粒程度の岩片が数多く含まれているので、これは特徴と捉えて良さそうです。これは持ち帰って平らな面を研磨し顕微鏡で観察します。

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