2020年5月19日火曜日

岩石と地層の表情:019;古墳の石室石材と郷土資料館の石材

順序が前後しますが、この付近の古墳には高畠石が使われているというので資料館に行く前にちょっと立ち寄ってみました。古墳時代でも後期に属するのでしょうか、石質の石材はかなり加工されたものが使われています。資料館には溶結凝灰岩も展示されています
古墳の羨道入口の石材です。古墳は「安久津2号古墳」と呼ばれており、本来は7基もの古墳が在ったらしいのですが、現在保存されているのは二基だけの様です。
入口の石材を少しアップで写してみました。空洞が多いですね。板材などで、軽石が抜けたのかと思っていましたが、それだけでは無く空洞が多いようです。
古墳から資料館への途中の神社の脇に直径 90cm位の4~5m程度の石材が二本置かれており「ジジババ石」との表札が立てられています。調べてみると鳥居を造ろうとして途中で止めた石材だろうとされているようですが、それでは部材として足りないので辻褄があいません。まあ、これだけの石材を運ぶのも大変でしょうね。
資料館入口のモニュメントです。この様に表面を滑らかに切断していた居ていると観察し易いので助かります。
展示品の切り出し用の道具類です。どこも大体同じような道具が使われていますね。
旧山交高畠駅舎の高畠石に入っていた捕獲岩と同じような石材が「泥岩」として展示されていました。産出地名が「鳩峰硯沢」と書かれているのでこの泥岩も「すずり」に使われる事が多いのでしょう。
展示品の凝灰岩で名称は「海上石:かいしょういし」と在ります。「海上」は地名です。展示品は出来れば切断面を見せて欲しいものです。
「羽山」産の凝灰岩です。下の面が切断されているのでその面を見せてくれると嬉しいのですが残念です。「羽山」は、高畠の街を歩いて石材を観察した際に遠望した石切場ですね。
硬そうな溶結凝灰岩の展示も含まれています。そう云えば資料館の入り口にあった看板代わりの石材がこの石材だったような気がします。出がけに確認しましょう。明るさを補正し過ぎたかもしれませんね。軽石がしっかりと残しています。軽石がガラス化するほど圧密されないままでも十分に濃密なものだったのですね。
資料館入口の文字を彫られた石材のごく一部を接写してみた画像です。関東周辺には余り似たものが無さそうなので「一安心」します。

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