2020年5月7日木曜日

岩石と地層の表情:007;飯沼観音から本銚子まで

銚子の街中で一挙に銚子砂岩を観察しながら古い街並みを楽しむ事が出来る私の一押しコース。2013年春の千葉中央博物館の「銚子ジオパークを訪ねる」に組み込んで案内させて頂いた。全部で3km以内。車で行く方は飯沼観音の脇か裏手に駐車場があります。

黄色の線が推奨コース。

飯沼で銚子電鉄を降りたら、坂道を下り交差点の向こうが、目立たない「銚港神社:と派手な「飯沼観音」です。神社に入るとすぐ右手に銚子砂岩で造られた鳥居の残骸があります。本堂の右手辺りにも鳥居の柱の部分があります。

飯沼観音では参詣は本堂右手奥に向かうと、これもまた銚子砂岩の「宝篋印塔」と「五輪塔」があります。一応、金網のフェンスで囲まれていますが、多分、鍵は掛けられていないので近寄って観察出来ます。奥の黒くて四角い石碑は石巻産の井内石です。

飯沼観音の裏口から出て大谷石の石蔵の脇を通ります。わざわざこの大谷石の蔵をコースの中に入れた理由は、石材の中に流紋岩質の小岩塊が含まれているからです。
尚、この建物は、当時は海岸に面して建てられていたのが、埋め立てで港から離れてしまいました。

壁面で観察出来る小岩塊の例です。現在流通している「大谷石」とは少しばかり岩相が異なるので、正確な産地(山)はまだ確定していません。銚子には茨城の石材も入っているので、そちらも調べていますが今の処、「大谷石」という事にしています。
2013年から全く進展が無いのでだらしない話です。

銚子砂岩をレンガ大の大きさに切って積み上げた石蔵です。持ち主が東京住まいなので、連絡が取れず詳細を調べかねています。

石材の一部を大きく写してみました。

神宮寺商店さんの石蔵の残骸です。2011年に屋根が潰れました。大きな良質の銚子砂岩を使っています。良く見るとラミナが観察されるものも有ります。撤去されなければ良いのですが・・・この建物は、実は水色で塗りつぶした今は公園になっている場所が、かっての船溜まりで、そこに面していたのですが、埋め立てられてしまい案した。遅い水路で港につながっていました。

一ヵ所、交通量の多い歩道の無い狭い道路を歩く時は車に注意して下さい。段丘崖の途中を道路が走っているので拡幅出来ない様です、信号から本銚子駅に向かう途中の坂道にも砂岩の石垣が在ります。小学校の通学路も片側が銚子砂岩の石垣ですが、パスしても良いでしょう。尚、坂道の途中に静海寺さんがあります。元気が余って居たら、トントンと階段を上がって境内を歩くと、穿孔貝の巣穴化石が在る手水鉢、房州石の石塀、古銅輝石安山岩と砂岩がコラボした不思議な形状の燈籠、古い銚子の瓦などを見る事が出来ます。

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