2017年6月23日金曜日

白い凝灰岩を用いた五輪塔 (6) 「我孫子市湖北台の庚申塔」

JR成田線湖北駅周辺での「我孫子・古利根沼・湖北巡検」が開かれた。親しい方々が幹事を務められるとの事で、二つの性格を異にするグループの二十名近くの方々が参加され、「異文化交流」を楽しませて頂きました。
 コースの終盤近くの、古利根沼に近い法岩寺から天照神社に向かう途中で、興味深い庚申塔が目に入りました。その外観は

少し細かくご覧頂く為に前の画像の一部をトリミングした画像を観て頂きましょう。



上の画像はは少し風化・剥離した部分です。

同じ場所に建立されていた青面金剛像と庚申塔の文字塔です。安山岩が使われていますが、この刻像も珍しい特徴が有る様です。
 千葉県内には、白い:火山ガラス中心の地層は数多く分布していますが、その白い部分だけの「石材」となると極端に少なく、現在、白い凝灰岩製五輪塔の石材を調査しているのですが房総半島運にばれてくる可能性が比較的高いと思われる凝灰岩層は、伊豆下田のものか、時代的な検証が行われていない栃木県塩谷の舟生石が考えられます。
 伊豆下田の白色凝灰岩は、船橋市の船橋大神宮で大量に石垣に使われており、普段は建築物に遮られて見えないのですが、たまたまビルの建て替え時に観察した画像が下記

下の画像は、神社の周囲の別の場所で石材に近寄って撮影したもので、斜交する堆積層が目立ちます。

一部分を抜粋した部分拡大図。

下は舟生石の石切り跡で、周辺にはこの石材を使ったらしい石蔵もあります。美しい石材ですが、比較的最近まで採掘されていた様ですが、残念ながら歴史的な採掘年代に関する資料が手に入りません。鬼怒川沿いには現代の採掘跡が在り、上流の河床には露頭もあります。

両者ともに色が白過ぎるので、現在我々が調査している五輪塔の起源では無い様ですが、文化財の石材の起源を調べるのは中々に難しい作業です。
  続く

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