2021年2月22日月曜日

凝灰岩質石材の旅:印西市木下:木下貝層:No.122319-08

 所在地:国土地理院地図座標:35.839832,140.154825

JR成田線木下駅から徒歩:750 km 天然記念物露頭迄: 1.2 km

凝灰岩では無いけれど、千葉県産石材として忘れてはならないものに「木下貝層」が有る。千葉県だけではなく、貝化石から溶け出した石灰質が固結して貝化石を固めたもので、利根川左岸の方にも分布しているらしいのだが残念ながら未確認。木下地区では、切石にして石垣の積石に使われるか、灯篭に加工されて庭に置かれているものが数多く現存する。露頭もあるのだが、余り保存状態は良く無い。

この様な化石に方解石が美しく成長したものの産地は、場所を明かすと直ぐに化石屋さんが採掘し尽くして売りに出されるので控えるが、例外的にこの様な美しい方解石を生じたウニ化石が産出する。この化石は千葉県立中央博物館に収蔵されている。
方解石の結晶に見えるものは、ウニの化石内部のこの様な形状に沿って成長したものらしい。これは木下貝層の未固結露頭で特にこの種のウニ化石の多い場所で撮影したもの。
石材利用例:表記の座標の場所に在る石垣の一部。
9枚目にご紹介するやや広い範囲の地図の西端にある露頭の状態。この地域では石材として採掘していたと聞くが、残念ながら現状では採掘跡は見当たらない。
この地区で最も大きな三脚の燈籠は高さが 2 m 以上は有る。吉岡まちかど蔵を訪ねて頂いて、その裏手の水神社に行く途中にある。
国の天然記念物に指定されている露頭の状況。これは2020年に撮影している。この場所は木下万葉公園の一角であまり広くないが駐車場も有る。万葉公園の中のもう一ヵ所の
露頭は判り難いが丘の西側に在り駐車場も近いが、こちらの方が状態は少しは良いかもしれない。遊歩道から登れる筈だ。
尚、丘の上は広い公園があり駐車場も広いので、段丘上から利根川の眺めを愛でる事も出来る。埋蔵文化財センターも在るが、この時期は閉鎖されているだろう。
燈籠の棹の部分:この手の燈籠は珍しいのだが、感性が育っていない私には「風情」を感じるよりもなんとも不気味としか感じないので残念。
これも別の燈籠の中台部分。この位密に詰まっているとまだ見過ごせるが、どうにも化石にはあまり興味が惹かれないので・・・
赤丸は石積みや灯篭のある場所。白抜き赤丸は露頭だが、未固結の場所が大半。尚、市役所に行けば千葉県立中央博物館職員が関わり、木下市教育委員会編の「木下貝層」と云う小冊子が販売されている。
木下付近の分布図。

0 件のコメント: