2020年5月12日火曜日

岩石と地層の表情:011;岡山県高梁市旧図書館脇の庭石と岩石の採取

地質文献を調べてみると、広島県には石灰岩の角礫を含む赤色の凝灰岩が「関門層群」の中に存在する事が判りました。石灰岩は柔らかいので円礫の状態で存在するのは結構興味を惹くもので、銚子の「高神礫岩」の事を思い出しました。高神礫岩にも花崗岩が入っていますが、高梁辺りは花崗岩の分布地でもあります。
取敢えず高梁川の河床で、似た礫岩を探す事にして、伯備線の車窓から見える露頭や河川敷内の礫浜を探して何往復かするうちに、美袋付近に広い礫浜的中州が在り、赤い礫も多そうだと気付きましたので採集に掛かりました。
駅から一番近い中州は、鶴だかなんだかの保護地で立入禁止。少し上流の礫浜は雑草が生い茂って礫の露出が悪い事が判り、歩くには少々疲れてしまう距離の「水内橋」の上流側に広がる中州を採集場所に決めました。後で判る事ですが、この上流に「成羽川」が高梁川に合流するのですが、この成羽川の流域にこの岩石の露頭が在ることが判りました。
美袋付近の国土地理院地図:最新写真地図です。時間が潤沢に有る訳でも無いので、橋の上から望遠レンズで礫浜の写真を撮り、赤色の岩塊が在る事を確認して場所を探して回りました。赤線は伯備線。白で囲んだ地域は、一番良さそうだった河川敷ですが立入禁止。水色は、歩ける距離だけど土が多く雑草が繁茂して不適。黄色は水内橋上流で結局ここで採取しました。結構距離が有るのでタクシーで行き、大体2時間程度経ったら迎えに来て頂く様運転手さんにお願いしました。携帯は当時は通じませんでした。
車窓から撮影したものですが高梁川の美袋付近には、急傾斜の山が迫りそこで砕石の採掘が行われています。この図の場所では2001年に大規模な崩落が発生し犠牲者が出ました。
水内橋の上流の中州の礫浜です。上流側の山にも大規模な砕石場が見えます。
上流の砕石場を望遠レンズで撮影したものです。右端に巨大ダンプの姿が見えます。これでも法定傾斜角なのでしょう。
少し「お持ち帰り」候補者を集めてみたものです。赤色凝灰岩だけでは無く緑色凝灰岩も混じっています。石灰岩なのか?穴だらけの不思議なものもありました。
仲間達へのお土産用の小石達です。この時は重過ぎて袋が裂けてしまい、タクシー会社の事務所で大きなごみ袋を頂いて宅急便で博物館送りにしました。
礫岩は見ていて面白いのですが、薄片を造るのは結構大変な作業です。中々自分の思うような部位がサンプルとして切り取れないのが悩みです。
これもチャート礫や細かなチャート片がありそうで・・・・
含まれている礫は様々で緑色片岩的な変成岩迄含まれています
当時、美袋駅に居た「駅猫」です。優しいお上品な猫でしたが何時の間にか居なくなってしまいました。

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