2019年5月13日月曜日

鴨川市江見海岸の地質観察会:“Stop 1-2”

凝灰質砂岩ノジュールの「核」は細粒の緑色凝灰岩だった!
Stop 1 とStop 2 の両方で観察されるのですが、砂岩層の中に脈状や団塊状のやや黒い色をした部分が有り、特に団塊(球状)のものの中には、嶺岡山地で採集される細粒の泥岩だる「へそ石」に似た形状を示すものが有ります。でも、外観は似ていても、全く似て非なるものでして、この付近で観察される球状の団塊は周囲の砂と同じ砂岩団塊です。しかも、不思議な事に、内部には細粒の緑色凝灰岩が核となってはいっています。
「核」と云っても、小さな粒では無く、細粒の緑色凝灰岩の偽礫の周りを 3 cm 前後の硬い砂岩が取り囲んでいると云う雰囲気で、しかも炭酸塩コンクルーションでもありません。割目に希塩酸を掛けてもごくたまにほんの少し発泡を観察する事も無いでは有りませんが、ごく微量です。

砂岩の中に観察されるノジュールの例。この様なノジュールは石灰質のものが良く観られるのですが、この場合は希塩酸を滴下しても殆ど発泡しません。硬く締まったノジュールでは発泡するまでにかなり時間がかかる例も無きにしも非ずなのですが、緑色凝灰岩の成分の何がこの様に周囲を固めてしまうのか判って居ない様です。また、内包されている緑色凝灰岩偽礫は「円礫」の部類に属するものが多いようです。

参考用に割ってみました。中には細粒の緑色凝灰岩の偽礫が入っています。中央に卵形のものが一個と、左側に小さな礫状に細粒の緑色凝灰岩が数個観察されます。

周辺を見回してみると、波打ち際の変形段階の中にも乾裂の様に割れ目の入った緑色凝灰岩の偽礫が入っています。緑色凝灰岩は手で簡単に割れる程度の硬さなので、炭酸塩ノジュールでも珪質ノジュールでもありません。核の部分が固結していないのに、どの様な原理で周辺の凝灰質砂岩が固まるのか?興味深い話です。



大きな団塊は球状だけでは無く、また、複数の偽礫が集まったものもあり、かなり変化に富みますがやはり内部はクラックが入った緑色凝灰岩の外側を 3 cm 程度の砂岩層が取り囲んでいる雰囲気です。「乾裂」は、外側の砂岩層が割られた(割れた)後の二次的なものなのでしょう。

中には、団塊の外側の凝灰質砂岩の部分まで同心円状に硬さの差を生じる様な影響範囲が広がっている様子も見えます。

付近の黒い部分を観察するとその中には細粒の緑色凝灰岩の小さな偽礫が沢山含まれているように見えます。

周辺の凝灰質砂岩を観察すると、この中には緑色凝灰岩の偽礫は含まれていない様です。表面に転がっているものはこの地層が構成された時代のものとは限りませんが、小さな蛇紋岩やチャート礫も観察出来ます。緑色凝灰岩の偽礫は軟らかいので砂浜では直ぐに消えてしまうでしょうし、ある程度の大きさなものは周りを固結させて団塊をけいせいしてしまうのでしょう。

砂泥互層ではありません。付加体地質の典型的な折り返し地層です。これも間に挟まった緑色凝灰岩により周辺の凝灰質砂岩が硬く締まったので観察し易くなっている様です。

同じ様な地層が沢山観察されます。参加者の足元がスケール代わりです。・・・続く

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