2019年2月2日土曜日

幸屋火砕流中軽石の観察例

先日の“Volcano Cafe”の際に、相原さんから屋久島で採集された「幸屋火砕流堆積物」を頂戴したので、実体顕微鏡で観察した際の観察画像を御案内します。尚、幸屋火砕流に付いては、巡検案内者のお一人で産総研の研究者である「下司信夫」さんが地学雑誌に下記の論文を投稿されていますのでご覧頂ければと思います。「屋久島を覆った約 7300 年前の幸屋火砕流堆積物の流動・堆積機構」 地学雑誌 2009 118(6) P1254-1260 下司信夫氏
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography/118/6/118_6_1254/_pdf
巡検ガイドは下記で検索すればJstageでDL出来ますが、関係個所は3枚目の画像に引用していますので敢て必要は無いと思います。「世界遺産の島・屋久島の地質と成り立ち」地質学雑誌_120_2014.0026_P101-125。観察の機会を頂いた相原先生にお礼申し上げます。

相原先生から頂いたサンプルの状態です。しっかりラベルが造られています。隣の空き瓶は洗浄に何時も使っている道具です。

洗浄用の容器に入れると量的にはこの程度です。

地質学雑誌に掲載された巡検ガイド「世界遺産の島・屋久島の地質と成り立ち」から抜粋引用させて頂いた幸屋火砕流の堆積露頭画像とその説明部分です。地質学雑誌_120_2014.0026_P101-125

軽石は凹凸が大きいので、全面に焦点を合わせる事は至難の業ですが、たまたま、平らな断面形状を示したものが有りました。

これは画像の幅が 2.5 mm 程度。軽石気泡の細管がほぼ整然と並んでいます。背景の中の黒い筋が実は0.5mmの目盛板です。

画像の横幅は約 6.0 mm 程度。気泡が真っ直ぐではありません。

長石類の斑晶が綺麗ですね。気泡の細管は実に細く、変形しています。背景の目盛は 1mm と0.5mm の補助目盛です。

前画像の軽石の一部を拡大して撮影してみました。

気泡の細管がぶった切られています。衝突して破壊と接着が繰り返されながら固まっていくのでしょうか?

薄い小さなガラス片が観察されます。背景の黒い線は 0.5 mm の目盛板です。

気泡が幾つも合体した上で球状部が破損し、その接触部だけが残ったのでしょう。背景の黒い線は 0.5 mm の目盛板です

少しピンボケで申し訳ないのですが形状は面白いですね。

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