2018年6月6日水曜日

下田市恵比須島の風景 (3/3)

恵比須島は、此処だけ単独に歩いても興味深い場所ですが、爪木崎からの遊歩道も途中に細間島と云うこれも石材を採掘した跡が綺麗に残っている場所も有り、少々風変わりな凝灰岩の観察露頭も有り、私は柿崎付近に次いで大好きな場所でもあります。
荒々しい崖を造る火山噴火の痕跡。



遊歩道の奥の右側に前に御案内したっ巨大な岩塊があります

砂岩のラミナ等です。





砂層がぐちゃぐちゃに折れ曲がっています

下の画像はこの恵比須島では無く、須崎半島から下田の街中に戻る途中の弁天島で観察される地層です。この地層はこの付近一帯のかなり広い地区に分布していますが、此処が一番楽にアクセスできる場所なので御案内していきたいと思います。

この地層は凝灰質ですが、浅い海のフジツボの欠片とか、紅藻類等の石灰藻の破片などが豊富に含まれていて、かなりしっかりと硬い地層を構成していますが、この地層から採掘される石材は、伊豆の凝灰岩質石材を考える時には実に重要な役割を担っています。
私は、これまでに335ヶ所で伊豆の凝灰岩を観察して来ましたが、この中でも比較的判り易い画像を撮影出来たと思う320箇所について、7種類に石材の特徴を整理し、どの様な用途に使われているかと云う一覧表を造ってみました。同じ場所で複数の石材を使った例も有り、517例が集計されましたがその中の164例はこの弁天島で露頭を観察出来る種類の石材です。しかも、建物の基礎部分に使われている事が多く、普段は我々が観察する事の出来ないものも多いので実際はもっと多いのだろうと考えています。
面白い事に、房総半島では段丘崖の上に建立された神社への参道階段に観察例が多く、埼玉県東部では、建物や石碑類の礎石に観察例が多いのです。埼玉東部ではこの素材の礎石が地上に現われている例も数多く観察されています。

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