2016年8月10日水曜日

猿橋付近の地質観察 (7) 脱線・余談-2  「扇の山」熔岩

鳥取県に在る「扇ノ山」(おうぎのせん)は一般的には「単成火山」と言われていますが、実は神鍋単成火山群と横田単成火山群に挟まれた「扇ノ山単成火山群」と言った性格を持ち、この付近の「若桜」地質図には扇ノ山火山岩類として「広留野溶岩:紫蘇輝石角閃石安山岩」,「扇ノ山上部熔岩:紫蘇輝石普通輝石橄欖石玄武岩」と更に「扇ノ山下部熔岩:石英含有普通輝石橄欖石安山岩」に分類されている。
この広留野溶岩はかなり大量に流れていて、末端部でも実に凄まじい柱状節理を見せている。


図は国道29号線の山崎橋バス停から眺めた旧採石場にみられる柱状節理群。国道の標高が地理院地図で154m,山頂の標高が351mだから、標高差はざっと200mもの熔岩の厚さに成る。

2010年に撮影した画像なので解像度が悪いのが残念。現在の鉱山法ではこんなに垂直な壁が残る様な採掘法は認められていない。水平方向の縞模様はどうやら採掘時のものらしい。






扇ノ山の溶岩は全部玄武岩質だと思っていたが、安山岩質の方が多い様だ。しかし、安山岩質にしてもかなり粘性が小さくて此処まで流れ込んで滞留しゆっくり冷えたのだろう。

実は、猿橋熔岩もこんな風景を期待していたのでチョット気が抜けた次第。でも、面白い地質が観察できる場所ですよ。、

0 件のコメント: