2016年8月7日日曜日

猿橋付近の地質観察 (4) 小沢川沿いの枕状溶岩

中央線が山梨に入ると地形的な制約で結構な山の上に住宅団地が造成され、居住者の為の巨大なエスカレーターなどが設置されて居て、平地にしか住めない私にはかなり脅威なのだが、そんな一つに大月の「桂台」と言う団地が有る。
国土地理院の地形図で猿橋駅前の標高が 325.7m, 団地の南側で 429.5mだから約100mの高台に位置している。台風の時は厳しそうだ。この造成された団地の東側に小沢川が流れている。
途中の水路が狭まっている部分にはかなり堅い火砕岩の露頭が在ったりするのだが、道路沿いに枕状溶岩の露頭が有ったので御紹介する。但し、かなり風化でぐずぐずになっている。
露頭の状態のままではとても枕状溶岩とは思えないだろうから、見易い角度に回転している。

表面を細かく観察していると、本来の外皮の部分とそれ以外の断面が判断できるが、とても偏光顕微鏡で観察する為の試料を採取出来る様なものでは無い。決め手は杏仁構造である。
枕状溶岩は外側に近い部分が発泡して居る事が多く、此処に方解石や沸石が詰まっている。
この断面では細長い形状の杏仁構造。



フレッシュな露頭を探したが、この付近では薄片が出来そうな堅い枕状溶岩の露頭は無く、結局火砕岩の露頭だけを見付けた。参考までに掲示します。勿論、これは基盤癌では無い。直ぐ脇には輝石が少量含まれている安山岩の露頭も。

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